名前 | ジョン・デュラン(Jhon Duran) |
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生年月日 | 2003年12月13日 |
国籍/出身 | コロンビア(メデジン) |
身長 | 185cm |
ポジション | CF |
所属 | シカゴ・ファイアーFC |
コロンビア・ブランドとなるストライカー系統を継承する大器
プレー動画
経歴
■2003-2014年(幼年期)
南米コロンビアの国内でも首都圏に次いで栄えているアンティオキア県の県都、メデジンにてジョン・デュランは誕生した。父親のレジノ・デュランは1980~90年代にゴールキーパーとして活躍していたオズワルド・デュランの弟であり、母親のサトゥルニーナ、デイルソンとアンドレスの三兄弟の家庭環境にて育っている。
メデジンは数年間を過ごした後に引っ越しており、父の出身地で多くの親戚が住んでいる北東部のサラゴサにて幼少期を過ごしていた。そんなサラゴサにある『エスクエラ・カーサ・デ・パス』にて最初のキャリアをスタートさせると、基本的な技術を学びながら成長したことで11歳の頃より『エンビガドFC』でのチャンスを得たという。
■2014-2022年(エンビガド)
エンビガドFCは南米有数の優れた育成メソッドを持つクラブであり、1989年の創設からハメス・ロドリゲスやフレディ・グアリン、ジョン・コルドバなど近年のコロンビア代表を牽引する人材を輩出した環境にて彼の挑戦がスタート。エンビガドは同じアンティオキア県ながらもメデジンに近い地域であったことから、彼は11歳にして両親のもとから巣立ち、メデジン(アランフェス地区)にて祖父と叔母、従兄弟と一緒に暮らす生活も始まった。
各ユースカテゴリでも一定の評価を得ていたが、大きく選手としての成長が見られたのが2018年シーズンのことであり、ウィルベルト・ペレア監督の指揮下にあったU15カテゴリはキャリアにおける分岐点となっている。これまでセンターフォワードとウィングの両方でプレーしていたが、個人分析の結果によって本格的にNo.9としての育成が始まり、それまで自身の役割を理解していなかった彼をイチから教え込むことで、U15全国選手権では30得点、アンティオキアのコンペティション(U15)でも30得点とチームの優勝に貢献した。
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このときのエピソードとして、最終節までに大会トップスコアラーの選手と3得点差が開いていたなかで、彼は最終節で4得点を挙げる活躍で得点王になったことも語り継がれてる。こうしたU15での活躍が評価されると、2019年2月には15歳1ヶ月27日の若さでトップデビューを飾り、5ヶ月後の同年9月にはリオネグロ・アギラスを相手に初ゴールを記録。15歳が見せた活躍に国内は騒然とした。
2020年シーズンはCOVID-19の影響で不安定な状況下でのプレーながらも昨年を上回る13試合に出場。翌2021年シーズンはトップカテゴリでの適応を進めながら得点を量産しており、3つのコンペティションを合算すると24試合で8得点3アシストの活躍を残し、チーム内でも頼れるスコアラーとしての評価を得ていた。そしてシーズン終了後の2022年1月に新たな挑戦としてシカゴ・ファイアーFCに移籍が発表され、初の国外挑戦となるアメリカでのチャレンジが始まっている。
■2022年(シカゴ・ファイアー)
移籍後、MLS(1部リーグ)開幕節となるインテル・マイアミ戦でデビューを飾り、最初の数ヶ月は途中出場にてチームに慣れる時間が与えられていた。第10節のニューヨーク・レッドブルズ戦では移籍後初となるスターティングメンバーに名を連ねたことでチャンスを得るも、やや疑惑の残る不可解な判定によって退場(2枚目の警告)となるなど厳しい洗礼を受けている。
スタメンという最初のチャンスを退場で終えたことから難しい挑戦になることを予感させるも、出場停止から明けた第12節のシンシナティ戦で途中出場から初ゴールを奪ったことで暗い流れを断ち切ると、翌節でもアシストを記録。こうしてMLSでも活躍できることを証明した彼は、最初のシーズンとなる2022年を28試合8得点6アシストの成績で終えるなど、18歳での挑戦を成功させているところだ。
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代表歴
谷間の世代でありながらも、2019年3月に開催されたU17南米選手権では15歳にしてコロンビアU17に招集を受けている。同大会の初戦ではフル出場を果たすも、チームはグループラウンドで全敗を喫する苦い経験となっていた。そこから時は流れた2022年9月。18歳でコロンビアのフル代表に招集された彼は、グアテマラとの親善試合にてフル代表デビューを達成するなど、FIFAワールドカップ2022の出場権を逃した同国を立て直す活躍に期待が集まるだろう。
移籍の噂
最初の国外挑戦先としてアメリカを選択した彼は、シカゴ・ファイアーFCとの契約を2024年12月末まで残している(2年の更新オプションも付与)。MLSでの活躍はヨーロッパ方面にも届いており、リヴァプール、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシーといったイングランドの名門クラブが獲得を望んでいることが報じられた。
シカゴ・ファイアーがエンビガドから彼を獲得した際に費やした金額は170万ユーロであるため、1000万ユーロ程度で売却には応じることだろう。チェルシーとはガブリエル・スロニナの移籍時に関係性を構築できていることから移籍先としても有力視されるクラブの一つと思われる。
プレースタイル
ボックス内での強みを発揮する本格派のストライカー(No.9)であり、ウィンガーで起用が可能と言われながらも主戦場はあくまで中央だ。185cm/73kgの恵まれたフィジカルを存分に活かしたプレーが特徴で、相手を背負いながらターゲットとなるのは当然のこと、片手でブロックしながら推進できる強さを持っているなど怪物的なストライカーと表現できる。
得点の多くは左足(利き足)によるものだが、ヘディングも上手さも備えているためクロスボールにあわせる技術などボックス内にいるだけで驚異となる存在だろう。今季のシカゴ・ファイアーでは1441分の出場で14得点に関与(102分で1ゴールに関与)する少ない時間で決定的な仕事をやってのける勝負強さも光っている。
かつての指導時にはアドバイスに対して寛容に受け入れる素直さで吸収力のある姿も彼が評価される一つの要素だ。彼の傾向としてシーズンを通してコンスタントに結果を残すのではなく、一定期間内で連続した活躍が多く、2022年は2試合で1得点1アシスト→2ヶ月後に3試合で2得点2アシスト→2ヶ月後に4試合で5得点2アシストという8得点6アシストのスタッツは全体の1/3の試合数である「9試合」で残した成績だ。これをパフォーマンスの波があるとして不安視するのかは判断に欠ける部分があるものの、逆足(右足)でのプレー精度については改善が必要だろう。