ファレス・シャイビ

選手紹介
名前ファレス・シャイビ(Farès Chaïbi)
生年月日2002年11月28日
国籍/出身フランス/アルジェリア(ブロン)
身長183cm
ポジションAMF/WG/CF
所属トゥールーズFC

アマチュアクラブからチャンスを掴んだブロンの逸材

プレー動画

経歴

■2002-2019年(幼年期~FCリヨン)

フランス南東部のメトロポール・ド・リヨンでも人気のエリアであるブロン。2022年のバロンドールを獲得したカリム・ベンゼマの出身地としても知られ、今回の主人公であるファレス・シャイビもベンゼマと同じく北アフリカのアルジェリアにルーツを持っている存在だ。8歳離れた兄のエリアス(1996年生)も華やかではないがプロ選手としてプレーしており、そんな兄の影響もありながらフットボーラーとしての道を選んでいる。

6歳より地元の『A.S.ブロン』でキャリアを始めると、U8~U13カテゴリまで同クラブで過ごしながら、当時は素直で聞き分けの良い勤勉な少年だったことが伝えられている。しかし、プレフォルマシオン(13歳~15歳)の進路を選ぶなかで、有望な選手であれば数多のクラブから誘われるのが一般的だが、この時点での彼はスカウトではなく一般トライアウトに参加する平凡な選手であった。

そして所属したのがフランス国内で3番目に古い歴史を持つ『FCリヨン1893』であり、革新的なアプローチを行うクラブにてプレフォルマシオンでの成長機会を得ている。この頃はフランス国内を代表するオリンピック・リヨンの下部組織と対峙する機会も多く、マロ・グストラヤン・チェルキは当時から認識していたと語る。

そんな彼が脚光を浴びたのは2018/19シーズンのことであり、U17全国選手権のグループラウンドにおいてオリンピック・リヨンやASサンテティエンヌ、AJオセールなどトップクラスの育成組織を有するクラブを次々に撃破。アマチュアクラブとしては史上初の首位通過(22勝1分3敗)を果たした原動力の一人として彼の存在も大きく、同コンペティションでは最終的に13得点の成績を残していた。こうしたトピックに『トゥールーズFC』が興味を持ったことから2019年夏での加入が実現している。

■2019-2022年(トゥールーズ)

念願だったプロクラブへの扉が開かれた彼は、2022年2月に最初のプロ契約を締結。フィリップ・モンタニエが率いるトップチームのトレーニングにも参加する機会を得ながらリザーブチームを中心にプレーを続けていた。クラブがリーグ・ドゥ(フランス2部)の優勝によって2季ぶりの1部復帰を果たしたことで、2022/23シーズンでの復権に向けたチームづくりを進めていたプレシーズン、ここで高い評価を得たのが彼となっている。

レアル・ソシエダ(スペイン)戦などでの活躍から信頼を得ると、2022年8月に行われたリーグ・アン(フランス1部)開幕節となるOGCニース戦ではスターティングメンバーに抜擢。ここで公式戦におけるプロデビューを飾り、第8節のLOSCリール戦では初ゴールを奪うなどシーズン序盤のトゥールーズにおいて注目を集めているところだ。

代表歴

エリート街道の選手ではないため世代別代表への関与はわずかなものとなっている。生まれのフランス以外にもアルジェリアを代表する権利を持っていることから、次世代の才能の確保に奔走しているアルジェリアサッカー連盟(FAF)が積極的なアプローチを続けている。2020年10月にはアルジェリアU20、2022年9月にはアルジェリアU23の招集リストに名を連ねているが、いずれも応じておらず(クラブが拒否したとも伝えられている)代表選択については不透明な状況だ。

移籍の噂

トゥールーズとは2025年6月末までの契約を残しており、現時点で移籍に関する具体的な報道は見られていない。今後の移籍先として浮上するのは、幼い頃に父親(バドレディン)と一緒にスタジアムで魅せられていたオリンピック・リヨン、そして一部で憧れを持っているとされているFCバルセロナが挙げられるだろう。

プレースタイル

主戦場は攻撃的なミッドフィールダーだが、トゥールーズのトップチームでは選手の不在に応じてウィングやストライカーとしての活動領域を広げている。ユースカテゴリではNo.8のポジションでボックス・トゥ・ボックスな選手とも表現されるなど、彼におけるユーティリティ性は強みと言えるだろう。

プレースタイルの特徴として、より一部のステータスに特化したような個性を武器とする選手ではなく、攻守において平均以上となる高水準な品質を誇っている総合的な完成度の高い選手だ。攻撃的な部分では無駄のないボールコントロールと冷静な状況判断能力に加え、味方とのパスワークを意識したワンタッチプレーを好みながらラストパスでチャンスを構築するだけでなく、空いたスペースに自信が走り込みながらフィニッシャーの役割をこなすこともできる。

守備に関するセンスも感じさせ、前線からの連動したプレッシングでビルドアップからカウンターに繋げることや、ボールホルダーへの積極的なアプローチでボールを刈り取る技術にも優れている。また、183cmの安定したフィジカルはプレーの根源を支えている大きな基盤だ。

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