バート・フェルブリュッヘン

選手紹介
名前バート・フェルブリュッヘン(Bart Verbruggen)
生年月日2002年8月18日
国籍/出身オランダブレダ)
身長194cm
ポジションGK
所属RSCアンデルレヒト

※Verbruggenはフェルブルッヘンとも表記される

隣国ベルギーで成長を続けるNEXTファン・デル・サール

プレー動画

経歴

■2002-2020年(幼年期~NACブレダ)

最初のキャリアを歩み始めたのはブレダで古い歴史を持つ『WDS’19』であり、現オランダ代表の主将を務めるフィルジル・ファン・ダイクが幼少期を過ごしたことでも知られるアマチュアクラブに彼は在籍していた。5歳からゴールマウスを守ることを選択しており、着実に成長を遂げながら地域内でも知れ渡る存在となったのがE1(U11)カテゴリでの優勝によるものであった。

当時、自身のGKアカデミーで指導していたアルノ・ヴァン・ズワム(元ジュビロ磐田)の目に留まり、より専門的な指導を受けたことで舞い込んだのがブレダを代表する『NACブレダ』からのオファーが到着。即座に受諾はしないも、家族との話し合いの末に加入することを選択しており、12歳となった2014年夏よりプロクラブの下部組織へと舞台を移している。

ブレダでは基本的に正守護神の座についていたが、U17カテゴリでは現フェイエノールトのテイン・トルーストにポジションを奪われる時期もあり、簡単なキャリアではなかった。それでもトルーストの移籍など環境の変化もありながら2019年夏には16歳でトップチームに帯同し、同年10月にはクラブとの最初のプロ契約を締結。2019/20シーズンよりU19カテゴリを主戦場にU21とトップチームのベンチに控えることも多く、このままブレダにてプロキャリアを過ごしていくと思われていた矢先、触手を伸ばしたのがベルギーの『RSCアンデルレヒト』であった。

そこには一足先にアンデルレヒトのGKコーチに就任していたイェレ・テン・ラウウェラールの存在があり、同氏がブレダで指導していた教え子として彼をピックアップすると、14歳から指導を受けていた恩師を仲介して2020年夏に30万ユーロの移籍金にてベルギーに渡っている。そのためブレダでのトップデビューを飾ることはなかった。

■2020-2022年(RSCアンデルレヒト)

アンデルレヒトではヘンドリク・ヴァン・クロムブリュッヘとティモン・ヴェレンロイターの裏に控える第3GKの序列にて始まり、トップチームに組み込まれるもベンチを温める日々が続いていた。移籍から約半年後の2021年1月には父親のクーンが急死するなど精神的にも不安定となり、2020/21シーズンのレギュラーシーズンでは出場機会を得られることがなかった。

それでもヴァン・クロムブリュッヘの負傷離脱もあったことで2021年5月のプレーオフⅠ(優勝決定ラウンド)では指揮官のヴァンサン・コンパニからサプライズでスタメンに抜擢。父親のイニシャル「C」をグローブに取り入れながら首位のクルブ・ブルッヘ戦にてトップデビューを飾っている。その後のプレーオフⅠでは勝利から遠ざかりながらも辛抱強く起用され続け、結果的に6試合に出場するなど初年度から重要な経験を積むことに成功していたが、2年目の2021/22シーズンでは1試合のみの出場に留まっていた。

そんな彼が日の目を見たのが2022/23シーズンのワールドカップによる中断明けであり、この時期を境に一度もポジションを譲ることなく正守護神へと君臨。現時点で出場した21試合でおよそ半数の10試合でクリーンシートに抑える18失点で評価を急上昇させているところだ。

代表歴

オランダの各世代別代表に招集されるほどの実力者であり、2019年10月に開催されたU17ワールドカップにも招集されていた。ただし、出場には至っておらず、その後もU18やU21に招集されているが彼が守護神としてチームを牽引することはなかった。

こうした世代別代表での序列だった彼だが、アンデルレヒトでの活躍によって2023年3月に初めてフル代表に招集されるなど次世代のオランイェを支えることが期待されている(なお、初招集はコロナではない細菌感染が代表内で起きたことで彼を含めた5選手が帰国した)。

移籍の噂

RSCアンデルレヒトとは2025年6月末までの契約を残しているが、既にマンチェスター・ユナイテッドやリヴァプールといったビッグクラブからの関心を持たれている。また、恩師であるラウウェラールのほか、かつての指揮官であるヴァンサン・コンパニが率いているバーンリーFCも動いており、同チームはチャンピオンシップ(イングランド2部)で首位を走っていることから1部リーグ昇格後の補強として現実味を帯び始めるだろう。

プレースタイル

世界一の平均身長を誇るオランダ人らしさのある194cmの体躯を持ち、彼が守ることでゴールが小さく見えるような印象を抱かせるなど、有識者からはエドウィン・ファン・デル・サールの再来であると称されている。特徴的なのは圧巻のセービング力にあり、ベルギーリーグでは81%のシュートセーブ率に加えて、ボックス外からの失点を一度も許していない。

PKストッパーとしても優秀であり、UEFAヨーロッパカンファレンスリーグのルドゴレツ・ラズグラド(ブルガリア)戦では3人連続で止める活躍も見せている。性格は自分自身に厳しいストイックな一面を持ち、10代で父親を失う悲劇を乗り越えるなど、ゴールキーパーとして心身ともに成長を続けている。

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