名前 | ティアゴ・トマス(Tiago Tomás) |
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生年月日 | 2002年6月16日 |
国籍/出身 | ポルトガル(カスカイス) |
身長 | 180cm |
ポジション | CF/WG |
所属 | スポルティングCP |
ロナウドの「7番」を提示されたスポルティングの未来
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経歴
■2002-2014年(幼年期~エストリル)
ポルトガル・リスボン県の港町であるカスカイスに生まれた彼は、父親のホルヘ・トマスが国債を専門とする仲介人であり、母親のフェルナンダはスウェーデンの大手通信機器メーカー「エリクソン(ERICSSON)」のポルトガル支部で管理職を務めるなど比較的裕福な家庭環境にて育っていた。最初に所属したのは隣町にあるグループ・スポルティーボ・デ・カルカヴェロス(GSC)であり、サイクリング(自転車競技)が起源のフットボール部門にて8歳からの約3年間を過ごしていたという。その後、カトリック系の教育機関であるコレジオ・マリスト・デ・カルカヴェロスとエストリル・プライアをそれぞれ1年間在籍した彼は、2014年より現在のスポルティングCPに加入している。
■2014-2021年(スポルティング)
スポルティングではSub13(13歳未満)から順調に昇格を繰り返すと、2016/17シーズンはスポルティングU15として全国選手権のセカンドラウンドでは9試合5得点の成績で首位通過に貢献。ファイナルラウンドではセカンドラウンドで一度下したベンフィカU15(当時はファビオ・シウヴァやロナウド・カマラが牽引)に苦汁をなめる経験をしながらも、準優勝にてチームの躍進の立役者となっていた。
彼の存在が知れ渡ったのはスポルティングU17に昇格した2018/19シーズンのことであり、全国選手権の地域ラウンドで手始めに11試合10得点を奪うと、続くセカンドラウンドでも首位通過に貢献する11試合10得点を記録。ファイナルラウンドではベンフィカの圧倒的な強さに敗れたが、彼はシーズン全体で28試合28得点の大台にてエンリケ・アラウージョの37得点に次ぐ得点ランキング2位の成績を残している。
これらの成績から2019/20シーズンは17歳ながら飛び級にてU19/U23の両方に帯同しており、リーガ・ヘヴェラサォンU23(ポルトガルU23リーグ)では開幕節のブラガU23にていきなりデビューを飾っている。その後はU19カテゴリで得点を量産しつづけ(17試合13得点)、18歳の誕生日から数日後の2020年6月25日にはスポルティングとのプロ契約をするだけでなく6000万ユーロのバイアウト条項が設定される評価をもらっていた。プロ契約後からトップチームの指揮官であるルベン・アモリムによって引き上げられると、リーガNOS(ポルトガル1部)第29節のジル・ビセンテ戦にてトップデビューを飾り、最終節のベンフィカ戦では初めてのアシストを記録した。
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2020/21シーズンは開幕戦から出場機会を与えられており、延期となっていた第1節のジル・ビセンテ戦では初ゴールを記録。欧州大会でお披露目となったUEFAヨーロッパリーグ3回戦のアバディーンFC(スコットランド)と準々決勝のLASK(オーストリア)では2試合とも得点を奪う活躍を見せており、2021年1月にはタッサ・ダ・リーガ(国内カップ)の優勝を経験している。国内リーグでは終盤戦こそ離脱していたが、スポルティングの19年ぶりとなるリーグタイトルを30試合3得点2アシストの成績にて貢献し、大きな成長を遂げるシーズンとなった。
代表歴
ポルトガルU17から選出されているだけでなく、各世代別代表には飛び級での出場が当たり前のような存在感を示している。2021年3月にはチーム内最年少の1人としてU21欧州選手権の本大会メンバーに招集されており、グループラウンドを圧倒的な強さで突破した原動力となっているため、2021年6月からの決勝トーナメントでも活躍することが予想されるだろう。
移籍の噂
スポルティングとは6000万ユーロのバイアウト条項だけでなく、2025年6月末までの長期契約となっているため引き抜くのは難しい。アーセナル、ACミラン、ASローマの名前が挙がっている状況であり、特に同じポルトガル人のジョゼ・モウリーニョが就任したことは彼の移籍先としても適切だろうという議論もなされている。ただ、スポルティングは2020/21シーズンの開幕前にクリスティアーノ・ロナウドがかつて着用していた「7番」を与えることもできた(結果的に彼がロナウドに敬意を払って19番を選択した)ほど評価しており、一筋縄では交渉に応じないことも考えられる。
代理人は数々のポルトガル人プレーヤーをクライアントに持つカルロス・ゴンサルヴェスであり、2021年5月に「まだ急ぐ必要はない」「彼はまだポルトガルでやることがある」と残留を前提とした選択を取る構えを見せているため、移籍はもう数年後だろう。
プレースタイル
名前の頭文字を足し合わせた “TT”を愛称とする彼は、センターフォワードとして出場することが多いが、典型的なNo.9ではなく、様々な要素で他のストライカーよりもチームに貢献するようなフォワードだ。技術力に長けており、180cmの体格(スラッと長い手足)を活かしたキープ力やスピードを活かしたドリブルを試みたり(1vs1は好まない)するため、ウィンガーやセカンドストライカーとしても起用されている。もちろんシュートセンスといった得点感覚は持っており、点を奪うことが彼のアイデンティティの一部として刻まれているため評価すべきポイントであるが、代理人のカルロス・ゴンサルヴェスは彼の精神力にて感銘を受けているという。確かに18歳としては攻撃時の落ち着き払ったプレーが目を見張り、状況に応じてエゴを出さずにパスを選択するなど適切な状況判断能力を持っていることが伺える。