8月13日(金)に開幕を迎える2021-22シーズンのブンデスリーガ(ドイツ1部)。いわゆる注目の若手にホーランドやデイヴィス、ベリンガムといった既に世界的な知名度を誇る選手を紹介するのは無難すぎて面白みに欠けるかと思いましたので、個人的にブレイクの可能性を秘めた市場価値が1000万€以下の選手を中心に選出いたしました。各クラブから1名ずつを選出、計18選手の紹介となります。
バイエルン・ミュンヘン
トーベン・ライン(18歳)市場価値:200万€
前人未到のリーグ9連覇を達成したバイエルン・ミュンヘン。10連覇を目指す上でワールドクラスの才能がひしめく選手層であるが、そこに介入する可能性を感じさせているのがトーベン・ラインとなっている。チャンスメイクを得意とする中盤のプレーヤーである彼は、プレシーズンでも新監督のユリアン・ナーゲルスマンに評価されており、同世代のジャマル・ムシアラが昨シーズンに活躍したことからも彼にも出番が巡ってくるのではないか。
ライプツィヒ
シドニー・レービガー(16歳)市場価値:75万€
出場可能となる16歳の誕生日を迎えるやいなやトップチームのベンチ入りを果たした才能は、2021年8月のDFBポカールにてライプツィヒにおける史上最年少デビューを飾っていた。卓越したボールタッチとセンスでトップチームでのプレーにも適応しており、才能豊かな2005年世代の始まりを告げる選手になるだろう。
ドルトムント
アントニオス・パパドプロス(21歳)市場価値:25万€
フンメルスやザガドゥ、本来なら紹介予定であったナムディ・コリンズといったセンターバックに離脱が見られるドルトムントにおいて、その穴を埋めるために抜擢されているのがアントニオス・パパドプロスだ。ギリシャ系ドイツ人の彼は、今季より3.リーガ(ドイツ3部)のハレシャーFCからドルトムントⅡを目的に移籍をしているが、本職は8番タイプのボランチであるにもかかわらずドルトムントのトップチームでセンターバックの才能を開花させている。主軸が復帰するまでにどれだけ定着できるかに注目だ。
ヴォルフスブルク
アステル・ヴランクス(18歳)市場価値:680万€
ベルギーのKVメヘレンから800万€の移籍金で加入した逸材だが、現在はふくらはぎの負傷によって離脱するなど思うようなスタートは切れていない。しかし、中盤の支配者となれるポテンシャルの持ち主であり、その才能は新監督のマルク・ファン・ボメルも評価しているため気がつけばピッチの上で存在感を見せつけることだろう。
フランクフルト
イェスパー・リンドストローム(21歳)市場価値:700万€
日本代表・鎌田大地の動向に注目が集まるなか、フランクフルトは同じポジションにデンマークU21としてU21欧州選手権にも出場したイェスパー・リンドストロームを獲得している。ボランチからセンターフォワードをユースカテゴリで経験してきた彼は、現在はその両方で求められる姿を落とし込んだハイブリッドなNo.10として進化を遂げた。途中出場からでもわずかな時間でゴールに結びつく働きをすることも可能であることや、DFBポカールでは鎌田との共存の道も模索されたことで起用法を検討されている。
レヴァークーゼン
エムレハン・ゲディキリ(18歳)市場価値:100万€
カイ・ハヴァーツ、フロリアン・ヴィルツと過去2シーズンで有望な10代選手がブレイクしているレヴァークーゼン。今季もそのブレイク候補は多く、最年少でプレシーズンキャンプに帯同したジダン・セルトデミルは非常に才能を持った選手として評価されているが、指揮官は段階を踏むべきだと語っているため今回は紹介しない。ただ、このエムレハン・ゲディキリも非常に優れた選手であり、U17カテゴリでは40試合で42得点を記録し、既にトップチームデビューも飾っているなど優秀なストライカーとなっている。
ウニオン・ベルリン
マリック・サノゴ(17歳)市場価値:未設定
ユスファ・ムココに負けず劣らずの得点力をドイツのユースカテゴリで見せているのがマリック・サノゴだ。17歳の彼は185cmの本格派なストライカーであり、怪物的な要素を持っているためトップカテゴリでもプレーできるまでの成熟はしている。プレシーズンマッチでも出場機会は与えられているため、U19カテゴリでプレーしながらもトップチームに出場する姿も見られるだろう。
ボルシアMG
ルカ・ネッツ(18歳)市場価値:500万€
今季より7歳から所属しているヘルタ・ベルリンを離れ新たな挑戦を求めたルカ・ネッツ。ヘルタ・ベルリンでは昨シーズンの11試合に出場しており、既にブンデスリーガの舞台も経験している。ボルシアMGとしては18歳の才能をさらなる境地に進化させ、ドイツを代表する左サイドバックへと育成する見通しだ。
シュトゥットガルト
オメル・ファルク・ベヤズ(17歳)市場価値:100万€
トルコの神童は周囲の予想に反してフェネルバフチェから早々に主要リーグへの挑戦を決断。ライセンスの問題により18歳の誕生日となる8月29日までは公式戦に出場できないことが発覚しているが、プレシーズンでは周囲を驚かせるほどの才能を証明しているため、彼がブンデスリーガの舞台でブレイク可能性もあるだろう。並外れたボールコントロールだけでも彼の才能を確認することは可能だ。
フライブルク
ニコ・シュロッターベック(21歳)市場価値:750万€
かつては昇降格を繰り返すエレベータークラブであったが近年ではブンデスリーガに定着しているフライブルク。下部組織からの起用もそれなりに行われているクラブにおいて、最も有望な選手として注目を集めているのがニコ・シュロッターベックだ。昨シーズンは世にも珍しい兄弟間トレードでウニオン・ベルリンにローン移籍をしているが、そこでブンデスリーガ7位の成績に貢献したことで復帰した今季はフライブルクの5バックを支えるセンターバックとして評価を向上させるだろう。
ホッフェンハイム
ダヴィド・ラウム(23歳)市場価値:500万€
昨シーズン、2.ブンデスリーガ(ドイツ2部)でサイドバックとして驚異の15アシストを記録した彼は、グロイター・フュルトとは契約延長せずにホッフェンハイムを新天地として選択している。ドイツU21としてもU21欧州選手権の制覇に貢献するなど、今季は初めてのブンデスリーガ挑戦とはなるが、1部リーグでも彼のピンポイントクロスは牙をむくはずだ。
マインツ
ヨナタン・ブルカート(21歳)市場価値:450万€
降格の危機に瀕していたクラブを王者バイエルン・ミュンヘンを相手に得点をし、降格の危機を救ったのが彼だ。彼もまたU21欧州選手権の優勝メンバーの1人であったが、東京オリンピックにはクラブの活動を優先したため招集を拒否しており、開幕から自身のトップパフォーマンスが出来るよう準備を行っている。センターフォワードだけではなく、持ち味のドリブルでウィンガーとしてもプレーできるが、得点力不足が否めないためゴールを定期的に奪えることになれば市場価値はうなぎのぼりだろう。
アウグスブルク
ラッセ・ギュンター(18歳)市場価値:100万€
16歳ながらバイエルン・ミュンヘンU19でプレーしていた早熟のウィンガーは、今季よりバイエルンを離れ古巣のアウグスブルクに復帰した。アリエン・ロッベンと比較されるような爆発的なスピードによるドリブルでバックラインを崩壊させ、自身でフィニッシュまで持っていくことのできるタイプだ。現在は靭帯の負傷を感じさせない復活劇を見せているため期待値も高まる。
ヘルタ・ベルリン
マールトン・ダルダーイ(19歳)市場価値:600万€
ルカ・ネッツという約束された才能を失ったヘルタ・ベルリンだが、マールトン・ダルダーイという新たな逸材が出現しているため希望は残されている。昨シーズンの終盤戦からセンターバックとして不動の地位を確立しており、有識者からはヘルタ・ベルリンの守備の強度に不安を感じる声が上がっているも、彼の存在で払拭できる可能性もあるだろう。
ビーレフェルト
ブリアン・ラズミ(22歳)市場価値:200万€
FCソショーでリーグ・ドゥ(フランス2部)でも有望株となったブリアン・ラズミは今季よりキャリア初の海外挑戦をスタートさせている。190cm台のフィジカルを持ったストライカーまたウィンガーであり、公式戦デビューとなったDFBポカールでも2得点を記録するなどブンデスリーガでのブレイクを予感させた。ビーレフェルトとしては素晴らしい掘り出し物となる可能性もあるだろう。
ケルン
ヤン・ティールマン(19歳)市場価値:400万€
2019/20シーズンに2002年世代で初めてブンデスリーガでのデビューを飾ったのがヤン・ティールマンだった。これまではウィンガーとして起用されることが多かったが、今季は2トップを採用するチームにおいてアントニー・モデストの相方として注目を集めている。ユースカテゴリでは得点力が光っていたが、トップチームでは中々結果に結びついていないが、3季目となる今季はブレイクが期待できる。
ボーフム
アーメル・ベラ=コチャプ(19歳)市場価値:700万€
昨季は2.ブンデスリーガを制覇し、12年ぶりのブンデスリーガへの復帰を果たしたボーフム。コチャプは18~19歳ながら不動のセンターバックとして君臨しており、引き抜きの噂が絶えなかったがボーフムでのブンデスリーガ挑戦を選択している。190cmの巨体を生かした粘り強い守備が特徴的であり、屈強なブンデスリーガのストライカーたちを相手にどれだけ立ち回れるかは注目だろう。
グロイター・フュルト
ジェイミー・レーヴェリング(20歳)市場価値:150万€
クラブ史上2度目のブンデスリーガ挑戦となる今季において、注目の若手となっているのがジェイミー・レーヴェリングだ。過去2シーズンに渡って途中出場から結果を残しており、1vs1の場面を得意とするプレースタイルで1部の舞台でも輝くことだろう。彼がボールを持ったときの期待感を味わうといい。