ストラヒニャ・エラコヴィッチ

選手紹介
名前ストラヒニャ・エラコヴィッチ(Strahinja Erakovic)
生年月日2001年1月22日
国籍/出身セルビアバタイニツァ)
身長186cm
ポジションCB/SB
所属FKツルヴェナ・ズヴェズダ

次なるステップアップを控えた名門を支える若き闘将

プレー動画

経歴

■2001-2010年(幼年期~バタイニツァ)

ユーゴスラビア連邦共和国の時代であった2001年1月、ベオグラードの北西端にあるバタイニツァ(現:セルビア)にてストラヒニャ・エラコヴィッチは誕生した。バタイニツァのサッカースクールに通う前には、2歳の頃から父(ジェリコ)に連れられてマラカナ(ツルヴェナ・ズヴェズダの本拠地)に試合観戦に訪れていたようで、幼い頃からサッカー選手になる夢を追いかけていたという。

自宅前の道路で年上を相手にボールを蹴っていた頃から守備的な選手になりたいと彼は考えており、スクール時代にはゴールがありながらも「中盤より前にポジションを超えたことがない」と語るほどに守備に心酔。その後、ある日の試合でツルヴェナ・ズヴェズダ(レッドスター・ベオグラード)と対戦することがあり、そこで同クラブで32年間のユースカテゴリを指導していたトマ・ミリチェヴィッチに見出されたことで、9歳(2010年)ながらツルヴェナ・ズヴェズダの一員となっている。

■2010-2022年(ツルヴェナ・ズヴェズダ)

15~16歳で迎えた2016/17シーズンには2001年世代のベオグラード選手権と旧ユーゴスラビアの領土であった地域から集まる重要なトーナメントでの優勝に貢献。驚くべきはこの2つの大会でツルヴェナ・ズヴェズダは一度たりとも得点も許しておらず、後者のトーナメントにおいては初めての快挙であったという。そんな強固なディフェンス陣を主将として統制していた彼は、2017年9月に16歳でツルヴェナ・ズヴェズダとのプロ契約を締結するまでの評価を得る結果となった。

ヴラダン・ミロイェヴィッチが指揮官を務めていた2018年1月には、アンタルヤ(トルコ)でのウィンターキャンプに最年少選手(当時17歳)として帯同を許されており、ディナモ・ブレスト(ベラルーシ)を相手には非公式ながらデビューを達成。そこからの公式戦デビューには至らなかったものの、2019/20シーズンにはファームクラブであるRFKグラフィチャルに登録されたことで、セルビア2部の舞台にてシニアカテゴリでの挑戦をスタートさせることとなった。

グラフィチャルでは2部リーグの21試合で経験を積んでおり、翌2020/21シーズンではツルヴェナ・ズヴェズダに復帰することが決定。2020年8月のFKノビ・パザル戦にてフル出場でのトップデビュー(公式戦)を飾り、UEFAヨーロッパリーグのグループラウンドでも出場機会を与えられていた彼であったが、FKラドニチュキ戦での中足骨骨挫傷が響いたことで2021年2月中旬以降は離脱を強いられている。

負傷離脱で不完全燃焼となるも、続く2021/22シーズンには開幕節から復帰を果たし躍動。多くの試合でフル出場を続けながらチームに欠かすことのできない存在までに成長し、2021年9月のルドゴレツ・ラズグラド(ブルガリア)戦ではミラン・ボージャンの不在下においてキャプテンマークを着用しており、若き主将としても大きな注目を集めていた。彼の台頭もあり、ツルヴェナ・ズヴェズダは1部リーグでの5連覇に加えて国内カップを制するなど、結果と共に名門の主力級であった彼の評価はこの1シーズンで急上昇している。

代表歴

2016年4月にU15カテゴリでセルビアのユニフォームを着用して以降、各世代別代表には彼を欠かすことができないような存在となっていた。また、多くのカテゴリでチームのキャプテンを任せられている。セルビアU15~U21までを順調に通過した彼は、2022年6月のUEFAネーションズリーグでノルウェーを相手にフル代表デビューを達成するなど、これからの同国における次世代のリーダー候補だ。

移籍の噂

ツルヴェナ・ズヴェズダとは2025年6月末までの契約を残しており、クラブからの信頼も厚い状況ではあるが、欧州5大リーグやロシアのクラブよりアプローチが続けられている。ディナモ・モスクワが700万ユーロのオファーに対して、ゼニト・サンクトペテルブルクも負けじと800万ユーロを提示するなど移籍の際には高額な取引となることが予想されるところだ。

17歳当時に行われたインタビューでは、アーセナルとレアル・マドリードが好きであることも語っているが、ゼニトへの関心に対しても現時点では「何も聞いていない。ゼニトは素晴らしいクラブだが、私はツルヴェナの選手だ。」と言及していることや、既に開幕している国内リーグに集中するための背景があるにせよ、クラブの財政面を考慮した場合には2022年夏の市場における移籍も予想されるだろう。

プレースタイル

184~186cm/75kgとされている右利きのディフェンダーであり、本職はセンターバックだが必要に応じてサイドバックでもプレー可能な起用幅を持っている。いわゆる大柄なセンターバックではないが、地上戦では優れたアジリティからのアグレッシブな粘り強い守備で互角に渡り合い、2021/22シーズンで改善されつつある90分を通した集中力で強固な守備陣を築いている。

また、クラブユースやセルビアの世代別代表、トップチームの一部試合でもキャプテンマークを着用しているように、彼にはセンターバックに必要なリーダーシップが備えられ、メンタル面も含めた成熟性は若手の領域を超えているだろう。現時点では完成された存在ではないため、これから時間をかける必要性はある。

タイトルとURLをコピーしました