アサン・ディアオ

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名前アサン・ディアオ(Assane Diao)
生年月日2005年9月7日
国籍/出身スペイン/セネガルンダンガネ)
身長185cm
ポジションWG
所属レアル・ベティス・バロンピエ

底知れぬ潜在価値を秘めたベティスの新星

プレー動画

経歴

■2005-2021年(幼年期~バロン・デ・カディス)

彼の父親であるモッサ・ディアオは仕事を求めて母国セネガルを離れた過去を持ち、リビア~モロッコを横断しながら1997年にスペイン西部・エストレマドゥーラ州のバダホスに移民として受け入れられると、そこで自動車修理工と雇われたことでスペインでの生活が始まっていた。その後も定期的にセネガルには帰省しながら2001年には婚約し、1年後に長男のママドゥ、そして2005年に誕生したのがアサンとウセイヌの双子となっている。このため、彼の生誕地はセネガル(具体的には人口1000人程度の小さなンダンガネ)だ。

彼が3歳となった2008年には家族全員がセネガルからバダホスに移り住み、4歳になると地域を代表する『CDバダホス』のスクールに入団後、CDバダホスでは10歳までの6シーズンを過ごしながら同じくバダホスの育成クラブである『CPフレチャ・ネグラ』に所属。双子の彼らは幼い頃から周囲よりも一回り身長が大きく、対戦相手から「何を食べさせているの?」と父親に聞くほどの印象を与えていたという。

アサンはこうした体躯からセンターバックとして起用されていたが、ボールを保持しながら上がるのが好きでコーチから注意されるも、チームが得点を必要とする最後の数分間ではゴール前に投入されるなど信頼されていた。フレチャ・ネグラではカデテB(U15)まで到達し、15歳となる2020/21シーズンよりカディスCFの提携クラブである『バロン・デ・カディス』に加入したことでアンダルシア州でのプレーがスタート。同クラブではカデテAで26試合9得点と主力選手として活躍したが、1シーズンの在籍のみで同じくアンダルシア州のセビリアを本拠地とする『レアル・ベティス・バロンピエ』の下部組織に入団している。

■2021-2023年(レアル・ベティス)

ベティスでは16歳ながらフベニルB(U18)に組み込まれており、初年度から7試合3得点と躍動。当初はボックス・トゥ・ボックスのミッドフィールダーであったが、アイトール・マルティネスが率いるフベニルA(U19)に引き上げられたタイミングで現在の左ウィンガーとしての役割にコンバートされるなど新たな価値が彼に付与されていた。2022/23シーズンは前半戦をフベニルAでプレーしていたが、アイトール・マルティネスがベティス・デポルティーボ(リザーブ)の指揮を執っていたことから2022年11月にはセグンダ・フェデラシオン(スペイン4部)でのデビューを達成している。

 

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2022年12月からは主戦場をスペイン4部へと移し、年が明けた2023年1月からは左ウィングのスターティングメンバーとして定着しながら、FCカルタヘナBを相手にはシニアカテゴリでの初ゴールも記録。結果的に同シーズンは17歳ながらリザーブの20試合4得点2アシストと好成績を残し、2023年3月にはフェリックス・ガレタと共にTOPチームのトレーニングに帯同するなど、左ウィングとしての経験値を積むことに成功した。2023/24シーズンを前にはベティスとの契約延長に合意し、多くのカンテラーノをデビューさせてきたマヌエル・ペジェグリーニの下でTOPチームに加入する時間を得るようになっている。

手始めにUEFAヨーロッパリーグのレンジャーズ戦にてTOPデビューを飾り、1週間後のラ・リーガ(スペイン1部)第7節のグラナダCF戦では右ウィングにてスタメン起用されると、後半6分に右のハーフスペースでボールを受けながら中央に侵入し、逆足となる左足から初ゴールを奪取。翌節のバレンシアCF戦でも得点を奪うなど、ラ・リーガでのデビューから2試合連続得点という快挙は1933年にラシン・サンタンデールのパブロ・ポンボに次ぐ史上2番目の若さとして話題を提供した。現在は右ウィングでの起用も増えながら、185cmの身長を活かし最前線でも試されるなど真価を発揮しているところだ。

代表歴

生まれ故郷のセネガルを代表することも可能であるが、3歳から育っているスペインを世代別代表では選択している。2023年4月にスペインU18に選出されているが、3か月後には17歳ながらスペインU19に飛び級で選出され、U19EURO本戦でもその姿を見せていた。2023年10月よりスペインU21でプレーしているが、ルイス・デ・ラ・フエンテによってサプライズ招集される可能性もあるだろう。

移籍の噂

レアル・ベティスとは2027年6月末までの契約を残しているが、リザーブで残り契約期間が1年となった時期には既にリヴァプールとライプツィヒが興味を示していたことが報じられている。新契約を締結したことで一旦の報道は収まるも、新たにマンチェスター・ユナイテッドやチェルシー、ブレントフォードといったイングランド勢が乗り出すなど争奪戦となっているところだ。

プレースタイル

185cm/72kgの屈強なフィジカルを誇る彼は、そのポテンシャルを最大限に引き出せるようセンターバック→ボックストゥボックス→左ウィングといったコンバートの歴史を持っている。マヌエル・ペジェグリーニの下では右ウィングとしての起用も増えており、これまでは右利きの左ウィングとして考えられていたが、現在は遜色ない左足の精度も含めて両利きなのではと考えられているほどだ。

ウィングでは平均的に身長が低い選手の多いようなサイドバックに対し、フィジカルアドバンテージにて起点となるようなプレーを行っており(通常サイズでも同様だが)、大型でありながら身のこなしやボールコントロールに長けているため、ストライドの広さを活かしたファーストタッチで差をつけるダイナミックな推進力も含めて彼が攻撃の鍵を握るような影響力を持っている。また、守備時も献身的にボールを追いかけることができ、その体躯で豪快にえぐり取るようなタックルも含めてフィジカルコンタクトを恐れないファイターでもあるだろう。

今後の彼において論点となるのが将来的なポジションであり、ウィングとしては既に道が開かれているが、ボックストゥボックスなミッドフィールダーであった名残りが随所に感じられるため、センターフォワードとしても高い可能性を秘めているのではないか。おそらく最前線でも起点となれるフィジカルは勿論のこと、ボール非保持にスペースを見つけてチャレンジするセンスや両足どちらでもフィニッシュができるシュート技術なども優れているため、ここからさらに市場価値を高めるような進化が期待できるはずだ。

小ネタ

2015年には10歳差となる弟のオマルが誕生しており、4兄弟全員がボールを蹴っている。双子のウセイヌはカディスのフベニルに所属しているが、契約交渉が難航しているなど対談する見通しだ。

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