ペタル・ラトコフ

選手紹介
名前ペタル・ラトコフ(Petar Ratkov)
生年月日2003年8月18日
国籍/出身セルビアベオグラード)
身長193cm
ポジションCF
所属レッドブル・ザルツブルク

さらなる覚醒を予感させるベオグラードの怪童

プレー動画

経歴

■2003-2020年(幼年期~FK DIF)

現セルビア共和国の首都であるベオグラードに生まれている彼だが、当時はユーゴスラビア連邦共和国から改称して発足したばかりのセルビア・モンテネグロの国民として過ごしている。キャリアの多くを過ごしたのはベオグラード市内でも新興クラブとなる『FK DIFベオグラード』であり、ベオグラード大学スポーツ体育学部とのプロジェクトとして2006年に創設されたクラブにて基本的な技術を学んでいた。

同クラブの指導者は同大学でコーチングスキルを学んでいる生徒や教授であり、選手だけでなく指導者の輩出も兼ねた環境にて成長を続けながら、2019年9月には16歳にしてFK DIFのトップチームにまで到達。ベオグラードの地域リーグ(1部)で得点を奪うなど印象的な活躍を見せていたことから、シーズン途中にはセルビア・スーペルリーガ(セルビア1部)に所属する『FK TSC』に引き抜かれ、10年以上を過ごしたクラブに別れを告げている。

■2020-2023年(FK TSC)

加入当初はU19カテゴリに組み込まれていたが、2021年2月よりトップチームのベンチに控えるようになり、2021年3月に行われたツルヴェナ・ズヴェズダとの試合にてリーグ&トップデビューを達成。その後は途中出場を重ねながら2020/21シーズンの9試合(97分間)に出場した。翌2021/22シーズンは2回の監督交代に伴うチームの再編成が行われるなかで出場機会を得ており、FKチュカリチュキ戦にて初ゴールを記録するなど、18歳で迎えた2年目を32試合3得点1アシストの成績で終えている。

 

この投稿をInstagramで見る

 

Petar Ratkov(@ratkovpetar)がシェアした投稿

そんな彼の評価が急上昇したのは2022/23シーズンのことであり、昨季後半から指揮を執っていたジャルコ・ラゼティッチの下でチームとしても完成度を高めながら、徐々に彼がCFのファーストチョイスへと定着。シーズンを通した安定的な活躍で勝利に貢献し、レギュラーシーズンでは全30試合への出場とチームトップタイとなる9得点4アシストを記録するなどTSCのクラブ史上最高順位となる2位の成績の原動力となっている。また、チャンピオンシップラウンドでは6試合で4得点を挙げる活躍も見せ、充実した同シーズンの最終スタッツは公式戦1試合を除いた40試合で14得点5アシストと文句なしの成績で終了した。

代表歴

2021年10月よりセルビアU19にて世代別代表のキャリアを歩み始め、U19欧州選手権ではエリートラウンドでオランダとノルウェー相手に得点を奪うなど本大会出場に貢献。本戦ではイングランド(優勝国)とイスラエル(準優勝国)と同組となり苦戦を強いられるも、オーストリアを相手には得点を記録している。

2022年9月からはセルビアU21を主戦場としているが、母親がクロアチア人である関係からクロアチアサッカー連盟(HNS)も関心を示しており、今後の代表選択にも注目が集まっているところだ。

移籍の噂

2022/23シーズン終了後にはMLS(アメリカ1部)やゼニト・サンクトペテルブルク(ロシア)が獲得に動いている状況であったが、これらの噂を蹴散らす形で育成に定評のあるオーストリアの『レッドブル・ザルツブルク』への移籍が決定している。移籍金はTSCのクラブ史上最高額での売却となった450万ユーロとなり、2028年6月末までの契約を交わした。

プレースタイル

193cm/81kgの体躯から想像できるように最終的にはボックス内で躍動するストライカーであるが、TSCが2トップを採用していることもあり、その姿は中央だけには留まることはなく柔軟にポジショニングを変えながらボールに関与することも好んでいる。足元の技術にも優れており、機敏な動きでドリブル突破も試みるほか、ラストパスの質も非凡なものを感じさせるなど、引き出しの多さも彼の特徴と言えるだろう。

利き足は右であるが、左足の品質も悪くはなく実際に両足でゴールを記録する。また、当然のようにフィジカルを活かしたヘディングでの得点やポストプレーも得意領域だ。2022/23シーズンではこれらを怪我なくフルシーズンと通して継続していることも評価できる要素となっている。

タイトルとURLをコピーしました