ハラランポス・コストゥラス

管理人推薦選手紹介
名前ハラランポス・コストゥラス(Charalampos Kostoulas)
生年月日2007年5月30日
国籍/出身ギリシャ
身長184cm(※推定)
ポジションCF/SS/AMF
所属オリンピアコスFC

※Charalamposはチャラランポス、Kostoulasコストウラスとも表記される

ギリシャの新時代を牽引するオリンピアコスの神童

プレー動画

経歴

■2007-2019年(幼年期~アギア・アンナ)

父親のアタナシオス・コストゥラスはギリシャ・スーパーリーグ(ギリシャ1部)で335試合のキャップ数を誇る元ギリシャ代表であり、そんな父がオリンピアコスFCを退団する直前に誕生したのが彼であった。2歳上の兄コンスタンティノスもサッカー選手であるなど、フットボールが身近にあった家庭環境にてボールを蹴り始めると、9歳の頃からはギリシャ中部のマグニシア県ヴォロスにある『アギア・アンナ(フットボール・スクール)』に加入。同クラブの育成方針は生徒を一つの家族として考え、彼のような元選手の息子というだけで特別扱いすることのない環境で同じように指導されていたという。

父アタナシオスもこうしたクラブの育成方針に大きく干渉することはなかったが、加入初日から才能は際立っており、クラブ責任者であるヤニス・シモスは彼のような子供を見たことがなかったなど違いは明らかであった。そんな彼がいるだけでクラブはタイトルの獲得や国際大会にも出場するなど多くの出来事を経験しており、どのような大会でも輝いていたことを回想している。こうした才能を持っていたことからギリシャ国内の主要クラブがこぞってスカウトに訪れており、2019年にはPAOK FCの招待選手としてドイツのデュッセルドルフでの大会にも出場。K12(U12)の同大会では合計10得点を挙げる活躍を残しており、そのままPAOKに兄弟揃って契約することが目前にまで迫っていた。

PAOK側は本拠地を構えるテッサロニキにコストゥラス家を迎えるための家まで用意していたが、父親が仕事の関係で急遽残らざるを得ない状況となり、母親と未成年の兄弟だけを約200km離れたテッサロニキで生活させることを望まずに交渉は破断。AEKアテネも接触していたが、こうした状況を嗅ぎつけた『オリンピアコスFC』が土壇場で介入し、父アタナシオスも1999年~2007年に所属していたなど交渉はスムーズに進みながら、兄弟揃って同クラブの下部組織に移籍している。

■2019-2024年(オリンピアコス)

オリンピアコスではK13(U13)から始まっているが、COVID-19の影響から明けた2021/22シーズンにはK15(U15)カテゴリまで到達しており、数ヶ月前まで13歳の少年であったがチームのストライカーとして躍動。同シーズンではオリンピアコスU15として15試合に出場しながら16得点6アシストの成績を収め、チームにタイトルをもたらすなど名実ともにクラブを代表する選手としての評価を得ていた。2022/23シーズンを迎えると開幕節からK19(U19)リーグでの出場を果たしており、同試合では途中出場から得点を記録するなど、15歳3ヶ月4日での得点は2009/10シーズン以降の統計データにおける最年少得点記録となっている。

2022年9月には15歳にして最初のプロ契約を締結。2022年12月上旬に行われたアステラス・トリポリス戦(U19)では主審への過剰な抗議から一発退場を言い渡されたことで4試合連続で出場停止の期間が訪れるも、その間の彼は15歳ながらオリンピアコスK23(リザーブ相当)に帯同していた。そして、あろうことか2023年1月のイロドトス戦にてスーパーリーグ2(ギリシャ2部)でのデビューを飾っており、キリアコス・パパドプーロスが保持していたクラブ史上最年少でのプロ出場記録を当然のように更新している。

プロデビューも果たした2022/23シーズンは、主戦場としていたK19リーグを14試合9得点3アシストの成績で優勝するだけでなく、2023年6月に行われたK17(U17)カテゴリのチャンピオンシップも自身がMVPに輝きながらタイトルの奪還に成功するなど、15歳~16歳の飛び級出場にして異なる2カテゴリ間を制する最大の原動力となっていた。このため、新たな2023/24シーズンを開幕からオリンピアコスK23に昇格しており、第4節のパナシナイコスB戦ではセンターサークル付近でボールを受けると、そのまま反転してピッチ中央で個人技を魅せるとそこから右足一閃でプロ初ゴールも記録している。

ギリシャ2部で19試合3得点3アシストと躍動する裏側ではUEFAユースリーグにも参戦しており、インテルやバイエルンといった強豪を決勝トーナメントで下しながら、ついには決勝戦にまで無敗のまま進出。そんな決勝ではACミランを相手にシニアカテゴリで培った経験を発揮しながら、終わってみれば3-0の完勝にてユースリーグのタイトルも獲得している。現時点でまだ16歳という若さの彼がTOPチームに介入するのも時間の問題であり、シーズン内でお披露目を迎える可能性も高いことだろう。

代表歴

2023年5月にギリシャU16でのデビューを飾っている彼だが、そこから半年後にはギリシャU17、ギリシャU19へと飛び級にて招集されるまでに上り詰めている。

移籍の噂

15歳でオリンピアコスとのプロ契約を締結後、2024年1月にクラブとの新たな契約(2027年6月末まで)を更新している。バイエルン・ミュンヘンは既に関心を示していると考えられており、こうしたセンセーショナルな活躍と実績で多くのビッグクラブは動向を追っているだろう。現時点では移籍は考えづらく、まずはオリンピアコスのTOPチームで結果を残す必要があるほか、ギリシャ2部でも出場機会を得ているなど年齢だけで主要リーグの下部組織に収まる器ではないのは確かだ。

プレースタイル

センターバックであった父アタナシオスと同じポジションを引き継いだのは兄のコンスタンティノスであり、そんな家族とは打って変わって彼自身は攻撃的なプレーヤーとして名を馳せている。主戦場としているのは最前列であるものも、その類まれなセンスによって1.5列目でも輝ける才能を持っており、クリスティアーノ・ロナウド、ラウタロ・マルティネス、コンスタンティノス・ミトログルといった名ストライカーを参考にしつつも将来的な道のりには彼らと異なるレールも考えられるだろう。

簡潔に特徴を語るのであればピッチ上のオンリーワンであり、試合への絶対的な影響力を持っているような選手であると考えられ、アギア・アンナで彼を指導したコーチもまた「フットボールをするために生まれてきた子ども」「ゴールスコアラーであり、マジシャンでもある」など底知れぬ才能を述べている。身長は推定で184~185cmと問題ない水準にあり、16歳とは思えないフィジカルバランスで簡単に倒れないコンタクトの強さを見せながら、両足と頭のすべてで得点を奪えるゴールへの本能がストライカーとしての評価だ。

一方で足元の技術も卓越したものを備えているため、密集したエリアから独力で打開できるマンパワーや優れたビジョンから決定機に繋がるラストパスで得点を演出するなど、そのアシスト能力も非凡であるため直接的なゴール以外にも影響力を持つ要因となっている。その他、前線からボールを引っ掛けられる守備のセンス、プロフェッショナルな人格やカリスマ性など、ギリシャのみならず世界的な選手になれるポテンシャルを秘めている。

小ネタ

親しい友人からはハラランポスのニックネームにあたる「バビス」で呼ばれている。

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