ワーレン・マドリガル

選手紹介
名前ワーレン・マドリガル(Warren Madrigal)
生年月日2004年7月24日
国籍/出身コスタリカサンホセ)
身長/体重185cm/72kg
ポジションCF/WG
所属デポルティーボ・サプリサ

※Warrenはウォーレン、ワレンとも表記される

コスタリカ王者で純粋な輝きを放つ原石

プレー動画

経歴

■2004-2022年(幼年期~サプリサ)

コスタリカの首都であり標高1170mに位置するサンホセにワーレン・マドリガルは誕生した。彼の学生時代を語る上で欠かせないのがフランシスコ・ヌニェスとの出会いであり、1900年代前半に同国の大統領を務めたリカルド・ヒメネスの名を冠した小学校に通っていた頃の話に遡る。フランシスコはパソ・アンチョ地区の路上で一際目立つゴールキーパーとして当時8歳の彼を発見したものも、運動面での評価とは裏腹に行儀の悪さが目立つ少年であったことからチームに入れることを最初は考えていなかったという。

ただし、彼や先生と話す中で路上に放っておくべき少年でないことを感じると、自身が指導する『ADベレン(現:エスコルピオネス・デ・ベレンFC)』に迎い入れながら指導がスタート。彼が住むサンホセ市街地からベレンまでは距離があったものも、フランシスコと朝早くに出発し夜遅くに帰るといったサポートを受けながら、他の悪い誘惑から逃れるようにフットボールだけに向き合わせる環境を構築されていた。そんなベレンではゴールキーパーとして活動することを拒んでおり、試合で常にゴールを決めながらストライカーとしての頭角を表すなど、時間が経過するに連れて多くのクラブからの注目を集めている。

CSエレディアーノやLDアラフエレンセといった強豪クラブにも挑戦できる環境であったが、幼少期からのアイドルであったダニエル・コリンドレスが所属するデポルティーボ・サプリサに強い憧れがあったことで、13歳になったタイミングではサプリサのトライアウトに挑戦することを決断。そして無事に合格を言い渡されたことで晴れて『デポルティーボ・サプリサ』の下部組織に加入しながら恩師であるフランシスコの下を去っている。

そこから3年の月日が流れた2020年8月、COVID-19の影響で遅れた開催となったプリメーラ・ディビシオン・アペルトゥーラ(コスタリカ1部前期)の開幕節に彼の姿はあった。16歳の誕生日から1ヶ月も満たない中で、試合終了間際にホアン・ベネガスとの交代出場にてTOPデビューを達成。2005年シーズンからの統計上でクラブ史上2番目の若さでデビューを飾り、同シーズンはクラウスーラ(後期)も含めると8試合/90分間に留まるも、自身のアイドルであるコリンドレスから直接学びを得られたのは大きな経験値となっている。

17歳で迎えた2021/22シーズンはサプリサU20を主戦場にプレーしており、リーガ・ウラティナU20(コスタリカU20リーグ)ではチームのエースとして得点を量産。TOPチームでは前期・後期のそれぞれ1試合のみの出場であったが、2022年6月にはU20リーグ優勝の立役者として最大級の評価を得たことで、本格的にTOPチームでの活動に期待が集まるようなシーズンであった。

■2022-2024年(スポルティング~サプリサ)

U20で優秀な成績を収めるもサプリサで出場機会を得ることは難しいと考えられていたことで、2022年夏の移籍市場にて同じくコスタリカ1部に属する『スポルティングF.C.』に期限付きで加入することが決定。スポルティングでは勤勉で礼儀正しい姿勢から数週間で新たなチームに溶け込んでおり、デビュー戦となったACグアナカステカで初得点を決めるなど充実した時間を過ごしていた。コパ・デ・コスタリカ(カップ戦)のベスト8入りに貢献したほか、加入時に比べて栄養管理などによるフィジカル強化にも彼は成功していた。

こうした成長を遂げていた彼をサプリサの指揮官であるジョスティン・カンポスは後期に向けて呼び戻すことを考えており、スポルティングは6ヶ月間の延長を求めていたほか、彼の周囲の人物も残ることを薦めるような状況であったが彼はサプリサに戻ることを決断している。復帰から1ヶ月後には主力へと定着しており、ペレス・セレドン戦では念願となるサプリサでのプロ初ゴールを記録。この得点で一気に自信をつけた彼は後期だけでも7得点を決め、後期を閉める決勝ではアラフエレンセとの2ndレグで先制点を挙げるなど自らの手でタイトルを掴み取っていた。こうした18歳の生え抜き選手が見せた活躍はクラブとファンの両方において明るい未来を感じさせる出来事となっている。

2023/24シーズンの前期リーグでは3得点2アシストに留まるも、前期の優勝クラブを決めるプレーオフでは準決勝のCSカルタヒネス戦で2試合1得点2アシスト、続く決勝戦のエレディアーノ戦でも難しいアウェイで行なわれた1stレグで2得点を記録しながら大舞台での強さを証明。CONCACAFセントラルアメリカ・カップで国際大会も経験しながら存在価値を高めているため、新たなステップアップも近づいている状況だろう。

代表歴

2022年2月に17歳でコスタリカU20に選出されており、U20ワールドカップの出場権をかけたCONCACAFU20選手権への出場も予想されるも本大会メンバーからは落選。一方で1年後の2023年3月にはCONCACAFネーションズリーグに臨むコスタリカA代表に招集されたほか、2023年6月のCONCACAFゴールドカップでも本大会メンバーに名を連ね、得点こそ生まれなかったものも準々決勝で敗れるまでの全試合に出場している。

移籍の噂

サプリサとは2026年5月末までの契約を残しているが、サプリサでもタイトルを既に掴み取っていることから海外移籍は目前にまで迫っている状況だ。具体的なクラブ名は報じられていないも、代理人はケイラー・ナバスとレアル・マドリードの契約を実現させたリカルド・カバニャスが務めているなど適切な道が開かれるだろう。移籍に必要な金額は現状で200万ユーロ未満であると考えられるため、掘り出し物となる可能性も秘めた逸材だ。

プレースタイル

センターフォワードを主戦場としているが、サプリサではウィングでも起用されるなど柔軟な適応力は彼の引き出しを多くさせている要素だ。そんな彼の特徴としては身体能力にあり、スポルティングでの期限付き移籍時に185cm/72kgの均整のとれたスタイルを手にしたほか、元々の資質であるアジリティ(方向転換能力と柔軟性)やバランス感覚は魅力だろう。相手DFがついている状態でも駆け引きを制しながら、いち早くボールに触ることでボックス内での決定的な仕事をこなすほか、クロスボールに対しては体制を崩しながらでもヘディングで合わせられるなど高い身体能力を見せている。

こうした特徴のほか、前線に味方のターゲットとなる選手がいる場合は、自身がフリーでボールを受けるためのスプリントを積極的に行っており、セカンドボールに対して誰よりも早く予測位置にポジショニングを調整するなど勤勉で迷いのないフォワードだ。彼をよく知るフランシスコ・ヌニェスは「不屈の精神を持っている」と称するなど、その堅実さや決断力を評価している。サプリサでは国内王者としてのメンタリティも培っているなど人間力も魅力の一つだ。

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