名前 | オスカル・ボブ(Oscar Bobb) |
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生年月日 | 2003年7月12日 |
国籍/出身 | ノルウェー(オスロ) |
身長 | 174cm |
ポジション | WG |
所属 | マンチェスター・シティ |
※オスカー・ボブとも表記される(ノルウェーではオスカル)
ボールに愛されたノルウェーのライジングスター
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経歴
■2003-2016年(幼年期~リン)
ノルウェーだけでなく世界的に見ても物価の高い都市として知られる首都オスロ。北欧の主要都市でもありノルウェーの経済発展を支えている同地域にてオスカル・ボブは誕生した。母親のトゥリト・ガネスは女優活動を行っている著名人であり、後のエピソードで語られる息子を国外移籍させるために奔走した人物だ。
キャリアを始めたのはオスロを本拠地とするリン1896FKであり、創設から125年の長い歴史を持ったクラブにて育成されている。幼い頃から才能を持っていることは明らかで、2013年3月には母親が演劇プロジェクトでポルト(ポルトガル)を拠点とする劇団『PELE』と関わりがあったことから、そこから仕事でポルトガルに訪れるたびにFCポルトのアカデミーでトレーニングを行うなど約2年間の関係が続けられていた。
リンでは11歳ながらU13/U14カテゴリのトーナメントに出場していることや、TV2(テレビ局)に小さなメッシと取材を受けるなどノルウェー国内だけで完結するような才能ではないとして、本格的にFCポルトとの契約に向けた動きが始動。ただし、13歳となる数週間前の2016年6月にFCポルトでの登録を試みたところ、FIFAが未成年の移籍に関する条項に引っかかるとしてそれを拒否し、スポーツ仲介裁判所(CAS)もFIFAの意見を肯定したという。
FIFAでは未成年の移籍に関して例外的に「サッカーとは関係ない理由」で新たなクラブのある国に移住した場合は認めることができるため、トゥリト(母親)もそれを認識しながらポルトガルの役者会社に就職するなど奔走していたが、結果的に判定が覆ることはなかった。FIFAの判断としては「サッカーとは関係ない理由」に該当する母親の役者業よりも、それ以前にFCポルトでのトレーニングおよび大会に出場していたことが物事の時系列として先にあり、それが移住の強い動機(サッカーによるもの)であるという判断となっている。
それでも親子はポルトガルに留まっており、FCポルトではなく新たなクラブとして小さなゴンサルベスから始めようと考えていたが、またしてもFIFAへの登録に関する申請にて却下。「FCポルトとは関係のない」「2017年1月にゴンサルベスは初めてオスカル・ボブを認識した」という新たな要素を含めた申請であったが実現することはなく、親子は志半ばでノルウェーに帰国している。
■2017-2019年(ヴァレレンガ)
ノルウェーに帰国後、契約を結んだのはエリテセリエン(ノルウェー1部)に所属しているヴァレレンガ・フォトバルであり、そこでも卓越した存在感で15歳ながらノルウェーU16に選ばれるなど活躍。ヴァレレンガとしても才能を留めることはできないと認識しており、合法的にヨーロッパでの移籍が解禁される16歳までの場としての役割を全う。
そして16歳の誕生日から数週間後の2019年8月にマンチェスター・シティ(イングランド)に加入することが発表された。ヴァレレンガも公式声明にて2年間の在籍だったが、彼が帰りたいならクラブは大歓迎するよと快く送り出している。こうしてFCポルトではないが、夢の舞台への歩みが始まった。
■2019-2022年(マンチェスター・シティ)
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2019/20シーズンは16歳ながらマンチェスターU18に登録され、2週間後のデビュー戦となったU18プレミアリーグ(U18リーグ)第2節のニューカッスル・ユナイテッド戦では名刺代わりの初ゴールを披露。続く、第3節(ミドルスブラ)、第4節(エヴァートン)と3試合連続でのゴールを記録しており、初年度ながら17試合で4得点2アシストの成績で、リーグ優勝とFAユースカップ(U18カップ)での優勝を経験した。
2020/21シーズンは開幕からプレミアリーグ2(U23リーグ)のダービー・カウンティ戦でEDS(U23)でのデビューを飾っているが、基本的にはコール・パーマーやリアム・デラップ、ジェームズ・マカティーが抜けたマンチェスターU18の主軸を任されており、U18プレミアリーグではファイナルステージのフラム戦での得点も含めた22試合で10得点1アシストとリーグ連覇の大きな原動力として貢献。これらの実績を引っさげて2021/22シーズンはEDSに昇格すると、プレミアリーグ2では現時点(2022年1月)で18試合5得点8アシストと素晴らしい活躍を見せている。
代表歴
15歳でノルウェーU16に選出されていた彼は、2021年6月よりノルウェーU18の背番号『10』を背負ってプレーしている。世代別代表では特に大きな実績を残していないが、クラブでの活躍次第ではノルウェーのフル代表に選出される可能性もあるだろう。
移籍の噂
マンチェスター・シティとは新たに2026年6月末までの長期契約に署名したばかりであるため、完全移籍の可能性は限りなく低いだろう。とはいえ、トップチームに介入するためには厚い選手層が立ちはだかるため、シニアカテゴリでの経験を積むために期限付き移籍が行われることも考えられるだろう。マンチェスター・シティ以外には、FCポルトやフラメンゴのポルトガル語圏のクラブをフォローしており、今後の移籍先のひとつとしてもポルトガルは有力候補なエリアだ。
プレースタイル
規格外のボールコントロール力を持ったウィンガーであり、左右の両方でプレーすることが可能だが利き足の左足を活かすために右ウィングとして配置されることが多い。また、9番の位置で起用されることも増えている。とはいえ、最大の特徴はスピードとテクニックが合わさったボールキープ力と軽快なドリブルセンスであり、彼がボールを持っただけで得点期待値が上がるなど試合の流れを変えることができることが強みだ。また、周囲の動き出しも見逃さずに効果的なパスで応える姿も印象的であり、それがアシスト数にも表れている。