マテウス・フランサ

選手紹介
名前マテウス・フランサ(Matheus França)
生年月日2004年4月1日
国籍/出身ブラジルカンポ・グランデ)
身長184cm
ポジションAMF
所属CRフラメンゴ

フラメンゴのエリート街道をひた走るタイトルコレクター

プレー動画

経歴

■2004-2016年(幼年期~オラリア)

リオ・デ・ジャネイロ州の西地区において最大の広さと人口規模を誇るカンポ・グランデにてマテウス・フランサは誕生した。父親のマルコ・ルイス・デ・オリヴェイラと母親のクラウディア・フランサの愛情を一身に受けながら、5歳の頃には父に対してサッカー選手になることの夢を語っていたという。

初期のキャリアを過ごしたのはリオ・デ・ジャネイロ州の4大クラブ(ボタフォゴ、フラメンゴ、フルミネンセ、ヴァスコ・ダ・ガマ)の陰で奮闘する『オラリアAC』であり、12歳(2016年)まで在籍。同クラブの創設100周年となった2015年にはカンピオナート・エスタドゥアウ(U11カップ)の優勝に加え、自身もトップスコアラーとなるなどリオ・デ・ジャネイロ州にその名を浸透させていた。この才能を一足先に確保することに成功したのが現在のCRフラメンゴであり、リオ・デ・ジャネイロ州を代表するビッグクラブに12歳での挑戦が始まっている。

■2016-2022年(フラメンゴ)

カンポ・グランデから練習場までの長距離移動を行なっていたことで、通学途中や授業前に息子がよく寝ていたことを母クラウディアは回想しており、そんな家族の支えもありながらフラメンゴの下部組織で成長。2018年にはドノス・ダ・ボラ・カップ(U14)やカンピオナート・カリオカ(U15)を制した原動力として躍動するなど、ヴィニシウス・ジュニオール(2000年生)やレイニエル・ジェズス(2002年生)に続く才能としての評価を得ていた。

2019年2月には、フラメンゴの育成施設である「ニーニョ・ド・ウルブ」にて発生した火災にて同世代(U15~U17)のチームメイトを10人失う悲劇を目の当たりにしながらも難を逃れた彼は、2020年シーズンからフラメンゴU17に昇格することが決定。シーズン開幕から即座にCOVID-19の影響でユース活動が一時中断となるも、16歳の誕生日から3ヶ月後にはフラメンゴとの最初のプロ契約を締結し、5年契約と5000万ユーロの違約金が彼には設定されている。

COVID-19からの再開後にはフラメンゴU20でのプレー環境が用意されており、U17カテゴリを交互に行き交いながらプロデビューに向けたトレーニングを重ねると、彼における重要な年となった2021年が訪れる。飛び級でもプレーしていた彼にとってU17カテゴリはぬるま湯であり、パルメイラスとのコパ・ドゥ・ブラジル(カップ戦)では父親から「そろそろ1試合で3ゴールを決めてみてくれ」とリクエストを受けると、その試合で4得点を決めてしまうほどであった。そのままコパ・ドゥ・ブラジルのタイトルを手にするなどU17での19試合13得点に加えて、U20でも13試合6得点と好成績を残していたことから、2021年10月には再びフラメンゴとの契約を更新している。

契約更新後、本格的にトップチームへの扉が開かれた彼は、2021年12月に行われたカンピオナート・ブラジレイロ・セリエA(ブラジル1部)第37節のサントスFC戦にてトップデビューを果たしており、ホームのエスタジオ・ド・マラカナンに駆けつけた42,000人のファンの前でのお披露目であった。2022年シーズンを迎えると、U20にはタイトルのかかった重要な試合だけの招集となり、メインをトップカテゴリにて活動。出場機会は限られていたが、2022年3月のカンピオナート・カリオカ(州選手権)ではバングーAC戦で初ゴールを記録し、コパ・リベルタドーレスの舞台も経験するなど新鮮な景色を彼は見るようになっている。4月からの2~3ヶ月間は右足腓骨を負傷したことで離脱するも、復帰後には得点を重ねながら現時点までに23試合6得点を奪う活躍で来季からの本格的なブレイクを感じさせている。

代表歴

2018年7月よりブラジルU15に招集されたことで世代別代表のキャリアをスタートさせると、2019年12月にはU15南米選手権の優勝を経験するなど黄金世代にも数えられている2004年世代の一員だ。現在は18歳ながらブラジルU20にも選出されている。

移籍の噂

CRフラメンゴとは2027年5月末までの契約を残しており、1年ごとに契約が見直されているなどクラブからのプロテクトが強固なものとなっている。既にマンチェスター・シティやマンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリード、バイエルン・ミュンヘン、クリスタル・パレス、ニューカッスルが獲得に動いているとされ、2023年1月の移籍市場では争奪戦になるだろう。

彼が自身のInstagram上でフォローしているのはレアル・マドリード、FCバルセロナであり、数々の先人らが成功を収めたスペインの2クラブは憧るのも当然だ。代理人グループは『ライフプロ』という比較的無名な組織が務めており、クライアントの市場価値で最も高いのが彼であるなど、最初の成功事例として大切に扱われるのではないか。

プレースタイル

彼はトップ下を主戦場とする右利きの才能であり、テクニカルであることは間違いないがそれ以上に強靭なフィジカルへの自信をのぞかせるようなプレーが特徴的だ。そんな180cm台の身長と筋肉質なフィジカルで相手ディフェンダーを背負うことも苦とせず、むしろ積極的に対人戦を挑んだり、ファールを覚悟で果敢に前線からボールを奪いに行くことを好んでいる。この特徴から偽9番やウィングなどもオプションに含まれるようになった。

こうした物理的な強さを持っていることで激しいプレッシャーが押し寄せるトップ下でも自分が試合から消えることなく個性を発揮することを可能とし、ボールを受けてからのシンプルな決断力やアイデアの溢れるトリッキーなプレーでチャンスを演出する。決断に迷いがないためゴール前ではチャンスとあらばシュートを放ち、しっかりと得点を奪えるのも強みだろう。

何かの能力が特別に長けたタイプではないが、恵まれたフィジカル、非凡な戦術理解力が含まれるエリートタイプな選手だと評価できる。これらの要素を兼ね備えていることでチームを問わない適応力にも期待できそうだ。時折、トリッキーなアイデアが先行することでイージーなロストがあるのは改善の余地もある。

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