ルーカス・カチャヴェンダ

選手紹介
名前ルーカス・カチャヴェンダ(Lukas Kacavenda)
生年月日2003年3月2日
国籍/出身クロアチアザグレブ)
身長174cm
ポジションAMF/WG
所属NKロコモティヴァ

18歳ながらクラブのキーマンとなるロコモティヴァの至宝

プレー動画

経歴

■2003-2017年(幼年期~ディナモ・ザグレブ)

カチャヴェンダ(Kacavenda)という珍しい姓(30世帯ほど)を持っており、自身のルーツについて把握している記述は見られないが、父親はザグレブ出身で、母親はシサク出身であるなど共にクロアチア人の家系の下で生まれている。当の本人もクロアチアの首都ザグレブにて誕生しており、近くのNKクストシヤにて幼少期のキャリアを始めていた。

NKクストシヤは著名なクラブではないが、同時期にはロコ・シミッチを長男とするシミッチ兄弟(父親はダリオ・シミッチ)のほか、元クロアチア代表のトミスラヴ・ショコタの息子や、ウィンブルドンでの優勝経験のある元テニスプレーヤー、ゴラン・イワニセヴィッチの息子も所属するなど著名なアスリートの子供が一堂に会する奇妙な環境にて過ごしていた。ロコ(シミッチ)とは親友の関係性を築いているが、小学校相当の教育課程を経た2015年を境に、彼はディナモ・ザグレブ、ロコはロコモティヴァ・ザグレブの異なるアカデミーでの道をスタートさせている。

ディナモ・ザグレブの初年度となる2015/16シーズンではリーグ全勝(19勝/153得点/3失点)に貢献しており、チーム内では3位タイの多さであったが、18得点を記録。そんな状況ながらディナモでの環境に満足できなかったとして、2017年より現在のNKロコモティヴァ・ザグレブに移籍している。

■2017-2021年(ロコモティヴァ・ザグレブ)

ロコモティヴァでは先に加入していた親友のロコから暖かく歓迎され、クストシヤでの再現となるコンビ関係を構築。2018年にはボローニャ(イタリア)で開催されたWe Love Footballや、クラブのレジェンドを冠したミジョ・エトリンガー・トーナメントといったU15部門の大会に出場しており、輝かしい成績には至らなかったが多くのメガクラブが参加した国際大会の舞台を経験している。

トップチームへの扉が開かれたのは2021年3月のことであり、HNKオリイェント1919とのTRMを控えるなかで、代表ウィークにより選手が不足していたことからユースより5~6名を招待。その1人に彼の姿が見えており、そこで印象的なプレーが指揮官であるサミル・トプラクの目に留まったことで、2021年4月に行なわれたプルヴァHNL(クロアチア1部)第27節のハイドゥク・スプリト戦にてトップデビューを飾っている。デビュー以降のリーグ戦は全試合に出場するだけでなく、うち7試合ではフル出場するなど単なる若手枠には留まっていない。また、第33節のスラヴェン・ベルポを相手には1得点1アシストを記録した。

2021/22シーズンより新たな指揮官としてユースを率いていたSilvijo Cabrajaが就任したことが功を奏し、昨シーズンからの流れを崩さないように開幕節から主軸としてプレー。2021年10月にはスラヴェン・ベルポ戦にて昨季の再現となる1得点1アシストを記録するなど、ここまでのリーグ戦では20試合(1712分)の出場時間で3得点1アシストを記録しているところだ。

代表歴

これまで世代別代表とは縁のなかったとされており、初めてクロアチア代表のユニフォームに袖を通したのは2021年9月のクロアチアU21となっている。2023年のU21欧州選手権に向けた予選に出場しており、そこではグループラウンドの全6試合の出場と6戦全勝に1得点1アシストの成績で貢献した。

移籍の噂

18歳ながらチームの主軸としてプレーしている彼に対しては、ジェノア(イタリア)が積極的な動きを見せている。2022年冬の移籍市場では手始めに500万ユーロのオファーを提示しているが、ロコモティヴァは少ないとして即座に拒否。それでもジェノアは市場が閉まる2日前に800万ユーロに上る金額を提示したことで、ロコモティヴとしては合意に達していた。

このオファーに対する最終的な決定権は彼にあり、クラブへの恩を多額の移籍金で還元できるチャンスとして捉えていたが、苦渋の決断の末にロコモティヴァに残留することを選択。大金であったことを理解しつつも、お金が自身にとって最も重要でないことを理解し、もっと活躍できれば今回以上のオファーが届くだろうとして、自身の決断を悔やむことはない姿勢を見せているところだ。ロコモティヴァ・ザグレブとは2025年6月までの契約を残しており、2022年冬ではオファーを断るも、シーズン終了後には新たなクラブが名乗りを上げる可能性もあるだろう。

プレースタイル

彼はクラブでは攻撃的なミッドフィールダーを主戦場とし、クロアチアU21ではウィンガーとして起用されることのあるアタッカーだ。テクニックとアイデアを武器に対複数人を相手にもアグレッシヴにボールを扱い、背後のスペースを突きながらスピードに乗る動きを見せるなど、攻撃のキーマンとしてのプレーが特徴となっている。シュートセンスにも優れ、チャンスとあらばミドルレンジから強烈なシュートを叩き込む。

攻守の両面で誰よりも先にボールに触ろうとするアグレッシヴなスタイルであるため、守備でも積極的に働くがデュエルの勝利率は低く、しばしフィジカルの差(彼は174cm)がきっかけで不要なカードを貰う頻度が高いのも特徴だろう。

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