名前 | ケルヴィン・イエボア(Kelvin Yeboah) |
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生年月日 | 2000年5月6日 |
国籍/出身 | ガーナ/イタリア(アクラ) |
身長 | 185cm |
ポジション | CF |
所属 | SKシュトゥルム・グラーツ |
※ケルヴィン・イェボアとも表記される
オーストリアで得点を重ねるレジェンド叔父を持つストライカー
プレー動画
経歴
■2000-2018年(幼年期~ゴッツァーノ)
アフリカ西部ギニア湾に面したガーナの首都アクラ。アフリカ有数の世界都市として栄えるこの地にてケルヴィン・イエボアは誕生した。叔父はアイントラハト・フランクフルト(ドイツ)にてブンデスリーガ(ドイツ1部)の得点王に2年連続で輝いたアンソニー(トニー)・イエボアであり、当初はそんな叔父のことを「ダディ」と呼んでいたことで実子なのではとも報じられていたが、2019年頃に関係性を明かしたエピソードがある。それでも父親のプリンスと兄のマカントニーはアマチュアながらサッカー選手であったなどフットボールの才能を持った家庭環境で育っていた。
4歳頃の2004年にイタリア・ピエモンテ州のベッリンツァーゴ・ノヴァレーゼに移住すると、ASモンツァにてキャリアをスタートさせており、そこからノヴァーラ・カルチョとA.C.ゴッツァーノでプレー。短期間であったが単身でウェストハム・ユナイテッド(イングランド)にも参加しており、戦術的なイタリアと比べて自由なプレー環境であったイングランドでの経験は、彼自身が身体の使い方を学んだ有意義な時間だったと振り返る。A.C.ゴッツァーノでは、9試合で11得点10アシストというデータが残っていることから分かるように存在感を放つと、2017年11月にはデンマークのオールボーBK(AaB)の練習にも参加していた。
■2018-2021年(WSGティロル)
2018年6月にオーストリアのWSGスワロフスキー・ティロルと1年契約を交わすと、2.リーガ(オーストリア2部)での挑戦がスタートした。2018年8月の第3節 SKアウストリア・クラーゲンフルト戦にてデビューを飾り、第6節となるカプフェンベルガーSV戦では初得点を記録するなど、2部リーグを制覇したクラブにおいて初年度を17試合2得点の成績で終えている。
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2年目となる2019/20シーズンは昇格を果たしたオーストリア・ブンデスリーガ(オーストリア1部)にカテゴリを移し、第8節のレッドブル・ザルツブルク戦にてトップリーグデビューを達成。第22節からの5試合で3得点2アシストと輝きを見せた時期もあり、さらにOFBカップ(カップ戦)2回戦となるFKアウストリア・ウィーン戦では驚異の4得点を奪うなど、クラブは低迷したが29試合で8得点3アシストと健闘した。翌2020/21シーズンは開幕から15試合で4得点5アシストと安定した活躍が評価されたことで、2021年1月の移籍市場にてシーズン途中ながら同ディヴィジョン内のSKシュトゥルム・グラーツに引き抜かれている。
■2021-2022年(シュトゥルム・グラーツ)
途中加入のシュトゥルム・グラーツでは古巣のWSGティロルを相手に恩返し弾にて移籍後初ゴールを奪い、シーズン終盤の6試合では5得点2アシストのパフォーマンスで周囲の期待に応えるなど良い形でシーズンを終えていた。新たな2021/22シーズンはプレシーズンから万全の体制で挑むことが可能になると、リーグ戦では現時点(2021年12月)で18試合11得点5アシスト、UEFAヨーロッパリーグでASモナコ(フランス)やレアル・ソシエダ(スペイン)、PSVアイントホーフェン(オランダ)といったクラブを相手に国際舞台を経験するなど叔父と同様の得点力に期待が高まっている。
代表歴
4歳でイタリアに移住したこともあり市民権を取得すると、彼の代表選択にはガーナとイタリアの2つの道が提示されている。2019年1月にガーナU20に招集され、2021年8月にはワールドカップ予選に向けたガーナのA代表にも呼ばれていた。しかし、同時期にイタリアU21からの招集も受けると、彼はガーナのフル代表を蹴ってイタリアU21を選ぶというサプライズにて周囲を驚かせることとなった。
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移籍の噂
SKシュトゥルム・グラーツとは2024年6月末までの契約を残しているが、クラブとしては売却は避けられない状況だろう。彼をWSGティロルから獲得した際に費やした金額は55万ユーロと破格の安さであり、10倍程度の金額で売れる可能性もあるため適切なオファーが届けば手放すのではないか。
既に叔父が活躍したアイントラハト・フランクフルトやヤングボーイズ(スイス)が触手を伸ばしているほか、SNS上でフォローしているリーズ・ユナイテッドやレアル・マドリードも憧れのクラブであると推察できる。そんな彼の代理人グループは若手選手のキャリア形成に力を入れているAISフットボールだ。
プレースタイル
叔父のアンソニー・イエボアと同じく得点力が魅力のストライカーであり、ボックス内での強さが光るタイプだ。一歩先を行った動き出しにて横からのクロスボールを簡単にフィニッシュするパターンを構築するほか、185cmのスラッとしたスタイルで空中戦の強みやダイナミックなドリブルも得意とするなど最前線で頼りがいがあるだろう。また、ペナルティキックもお手の物であり、前線からの献身的な守備も行える特徴を持つ。叔父からもアドバイスを受けるなど身近に成功事例があるのも大きい。