| 名前 | ヤクブ・ピラ(Jakub Pira) |
|---|---|
| 生年月日 | 2007年11月24日 |
| 国籍/出身 | |
| 身長/体重 | 193cm/90kg |
| ポジション | CF |
| 所属 |
覚醒までのカウントダウンが始まった貴公子
プレー動画
経歴
■2007-2023年(幼年期~カルヴィナー)
チェコ共和国東部、工業都市として知られるオストラヴァで生まれている。両親はともにスロバキア人で、彼が生まれる前にこの街へ移り住んでいた。そのため家庭内ではスロバキア語に触れながら育ったが、話し方にはチェコ訛りが残っている。2025年11月にチェコの市民権をが認められ、競技キャリアと国籍の関係は今後の動向として注視されている要素のひとつだ。
サッカーを始めたのは5〜6歳の頃で、オストラヴァで最も支持を集めるクラブである『FCバニーク・オストラヴァ』に加入した。地域を代表する育成組織で基礎を積み上げ、13歳まで同クラブでプレーしている。その後、同じオストラヴァに本拠地を置く『MFKヴィートコヴィツェ』へと移籍した。両クラブはかつて激しいライバル関係にあったが、近年は「地域の育成基盤の強化」を掲げ、育成年代で組織的な連携を進めている。彼の移籍もその枠組みの中で行われたものであり、環境を変えながら経験値を広げる機会となった。
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ヴィートコヴィツェでは約2年間を過ごし、15歳になると、さらに東部の『MFKカルヴィナー』へ移籍した。ただし、在籍は1シーズンのみで翌年には、長く在籍し最初の土台を築いたバニーク・オストラヴァへ戻る選択をしている。育成年代で複数クラブを経験したこの時期は、環境の違いを知る時間でもあった。
■2023-2025年(バニーク・オストラヴァ)
復帰後は、15歳ながらU19チームに組み込まれた。U19リーグのデビュー戦でいきなりゴールを記録し、年代を超えた起用に結果で応えている。2023/24シーズンのチェコU19リーグでは、チームは一時首位に立つなど好調な時期を過ごしたが、後半戦に失速し最終順位は6位となった。個人としては15試合4得点を記録し、主力の一角としてシーズンを終えている。
続く2024/25シーズンは、前半戦だけでU19リーグ13試合8得点を挙げ、数字の面で明確なインパクトを残した。この活躍を受け、シーズン後半にはチェコ2部リーグに属するセカンドチームへ昇格。シニアカテゴリーでも最前線で起用され、16試合3得点を記録している。
2025年8月には2部リーグで4試合6得点と結果を量産し、月間MVPに選出された。同月末にはUEFAカンファレンスリーグ予選、NKツェリェ(スロベニア)戦でトップチームに招集されている。試合前には指揮官パヴェル・ハパルから出場の可能性を伝えられており、後半30分から満員のホームスタジアムのピッチに立った。本人は試合後、雰囲気に飲み込まれそうになりながらも、最初のタッチがうまくいったことで落ち着いてプレーできたと振り返っている。
9月以降はトップチームでの起用が本格化し、チェコ1部リーグで実戦経験を積み重ねている。育成年代で積み上げてきた得点と昇格の流れが、トップリーグの舞台へと確実につながり始めている段階だ。
代表歴
2023年8月に15歳でスロバキアU17でプレーしており、U17EURO2024の本大会出場への切符を約11年ぶりに達成する快挙に貢献。本大会ではチーム全体を通して無得点と振るわなかったが、次世代に繋がる重要な姿を見せている。前述の通り、生まれ故郷のチェコとルーツのスロバキアのどちらを選択するのかに注目が集まっているが、現時点ではチェコ国籍を取得しながらも、彼自身はスロバキア人としてのアイデンティティを有しているという。こうした話題の最中、2025年10月には17歳ながらスロバキアU21への飛び級を果たしているなど、スロバキア側としては才能を手放したくない姿勢を示しているだろう。
移籍の噂
バニーク・オストラヴァとの契約期間は定かではなく、移籍の噂も報じられていない。代理人は元チェコスロバキア代表のズデニェク・ネホダとその息子が立ち上げた「ネホダ・スポーツ」が務めている。バニーク・オストラヴァの史上最高額での売却はミラン・バロシュがリヴァプールに移籍した際の700万ユーロであり、近年でも若い才能を200~400万ユーロ程度で送り出しているなど移籍については金額が合えば前向きに行われることが推察される。
プレースタイル
193cm/90kgのプロファイルから明らかなように、彼の最大の強みは恵まれた身体を使ったプレーだ。ボックス内での駆け引きやポジショニングの良さからヘディングでの得点、ターゲットとしてボールを収めながら攻撃の起点となれる絶対的な強さ、右足での冷静なフィニッシュワークなどにそのまま表れている。U19~セカンドチームと昇格2年目にはカテゴリにフィットして量産体制に入る適応力を持っているため、今季の終盤や来季には手のつけられないモンスター・ストライカーになれる可能性を大いに秘めているだろう。一方で、スピードと加速力をより強化したいと語っており、トップスターになるまでに数段階の改善を残している。
小ネタ
基本的に話す言葉はチェコ語。