ヤシン・アヤリ

選手紹介
名前ヤシン・アヤリ(Yasin Ayari)
生年月日2003年10月6日
国籍/出身スウェーデンソルナ)
身長172cm
ポジションCMF
所属AIK

新たなチャレンジが間近に迫るスウェーデンの俊英

プレー動画

経歴

■2003-2012年(幼年期~ロースンダ)

スウェーデンの首都ストックホルムの北部に位置するソルナにてヤシン・アヤリは生まれている。家族のルーツを辿ると、祖父母は1960年代にスウェーデンへ移民としてやってきたモロッコ人であり、そこで彼の母親のアミナ・アッバスが誕生した背景を持っている。母アミナは5~6歳のときに母(祖母)を亡くしたことで情緒が不安定になっており、18歳の頃にはアラブ人との間に子供を授かるが、離婚を切り出した際に夫が息子をモロッコに誘拐するといった悲劇に見舞われたという。

そこから数年後に長男は無事に戻っているが、こうした出来事(生活が苦しいことから長男は10代半ばでサッカーを辞めたとも語っている)の重なりで長きに渡って精神的なバランスをとれない生活が続いていたそうだ。その後、(おそらく)チュニジア人男性と再婚し、次男ヤシリと三男タハ(2005年生)が生まれていると思われる。そのため、彼の国籍の欄にはスウェーデンだけでなくチュニジアも表記されている。

最初に所属したのはソルナでも小さなクラブでスウェーデン8部相当に属する『ロースンダIS』であり、フットボールへの才能を発揮しながら数年後にはソルナを代表する『AIK』からの関心が届いていた。その頃の母アミナはAIKに対して良い印象を抱いていなかったが、自身もAIKのイベントマネージャーとして働く機会を得るだけでなく、敬虔なイスラム教徒であったことから頭髪を隠すヒジャブを被りながらも、AIKでは民族や宗教に関係なく歓迎してくれたことで信頼へと変わっている。

■2012-2023年(AIK)

9歳でAIKに加入後、U9から現在に至るまでAIKのユースカテゴリを通過。2018年にはヨーテボリで毎年開催されている国際ユーストーナメントの「ゴチア・カップ(U15クラス)」を全勝にて制するといった強さを見せていた。そこから飛び級でU17やU19でもプレーするようになると、当時16歳であった2020年春にはトップチームのトレーニングセッションにも参加。同年7月に行われたアルスヴェンスカン(スウェーデン1部)第8節のIKシリウス戦ではベンチ入りも果たしている。

 

この投稿をInstagramで見る

 

Yasin Ayari(@yasin_ayari)がシェアした投稿

デビューを果たしたのは2020年シーズンの最終節となるIFエルフスボリであったが、2021年シーズンが始まると彼の姿はトップチームに存在していた。出場時間で見れば316分と少ないが、開幕節からチャンスを得るなど2021年は13試合に出場。定着しつつあった流れから2022年に入り確かな戦力として数えられると、2022年シーズンの開幕節となるBKヘッケン戦では初ゴールを記録した。その後の約2ヶ月はサブに控えることも多かったが、8月より暫定監督として率いていたヘノク・ゴイトムとピーター・ヴェンベリのもとではフルタイムでの出場も増え始め、終わってみれば33試合で5得点2アシストの成績を残している。また、9月上旬には弟タハのリーグデビュー時に交代選手として送り出すシーンも見られた。

代表歴

生まれ故郷のスウェーデンのほか、モロッコとチュニジアを代表する権利も持っており、チュニジアは具体的な招集連絡をしているが実現はしていない。2019年4月に15歳でスウェーデンU16でのデビューを飾って以降、一貫してスウェーデンのユニフォームを着用し続けており、2022年11月にスウェーデンU21、2023年1月にはフィンランド代表との親善試合でフル代表デビューも果たしている。まだ、公式戦での出場には至っていないため、ここから代表を変える選択肢もわずかながらあるだろう。

移籍の噂

2022年夏にはAZアルクマール(オランダ)への加入に近づいていたが、2025年12月末までの契約となっているAIKへの残留を選択。そこから市場価値を高めることに成功した現在は、若い才能の発掘に力を入れているブライトン&ホーヴ・アルビオンが彼に関心を持っているという。500万ポンドで交渉がまとまりつつあるなど、さらなる挑戦が控えているところだ。

プレースタイル

インサイドハーフを主な主戦場としつつも、サイドハーフでも起用可能な一面を持っている。中央ではライン間で上手くボールを引き出すほか、ファーストタッチで角度を変えながら、フィニッシュやラストパスに繋げることを得意とする。個人技に固執することはなく、周囲を活かした崩しに関与することを好んでいる。また、172cmとフィジカル面での優位性はないが、球際の強さも特徴的な要素であり現代で求められる守備の強度も期待できるだろう。

タイトルとURLをコピーしました