名前 | ヴァンデウソン(Vanderson) |
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生年月日 | 2001年6月21日 |
国籍/出身 | ブラジル(ロンドノポリス) |
身長 | 180cm |
ポジション | RSB |
所属 | グレミオFBPA |
※ヴァンデルソンとも表記される
高い攻撃性能で右サイドを蹂躙するグレミオの原石
プレー動画
経歴
■2001-2018年(幼年期~リオ・ブランコ)
ヴァンデウソン・デ・オリヴェイラ・カンポスこと「ヴァンディーニョ」「デンチーニョ」の愛称で親しまれる彼は、ブラジル中西部に位置する広大なマットグロッソ州のロンドノポリスに誕生している。地元のウニオン・エスポルテ・クルーベ(ウニオン・ロンドノポリス)にて育成年代を過ごしていたが、No.8のセンターハーフとしては才能に伸び悩みが見られていたことで2017年に16歳ながら所属先を失っていた。
そこで元教師のコーチであるジョアン・バチスタ氏は、新たな所属先を見つけるため約1200km離れた距離にあるサンパウロ州アメリカーナに彼を連れていき、リオ・ブランコECのU17チームに入団するためのテストを行わせていた。最初は主戦場としていたミッドフィールダーとして紹介されていたが、リオ・ブランコの台所事情によって右サイドバックを欲していたことからコンバートを受けると、そこで彼の個性が確立されている。カンピオナート・パウリスタU17で活躍したことでパルメイラスやフルミネンセといった主要クラブからの関心を集めると、彼を射止めたのが現在のグレミオであった。
グレミオのテクニカル・オブザーバーであるエリヴェウトン・リマ氏が彼の試合を見た際には、リオ・ブランコがウニオン・バルバレンセに6-0の大量リードを許していた内容であったが、他のチームメイトがプレーを諦めていたのに対して、彼は闘争心を失わずにテクニカルかつクレバーな働きを1人見せていたと語っている。ちなみにエリヴェウトン氏は彼を目的として試合を見ておらず、ウニオン・バルバレンセのマテウス・アラウージョとの交渉を行っていた縁からの発見であったという。
■2018-2021年(グレミオ)
2018年の途中加入からであったが、2019年4月に最初のプロ契約を締結。グレミオU20で上の世代を相手に経験を積むと、2020年12月にはカンピオナート・ブラジレイロ・セリエA(ブラジル1部)第27節のアトレチコ・ゴイアニエンセ戦にてトップデビューを達成しており、デビュー2戦目のECバイーアを相手には初ゴールを記録している。
こうした活躍によって2020シーズンの終盤戦ではトップチームとして活動しており、新たな2021シーズンにはそのポジションを確固たる地位まで上り詰めると、コパ・リベルタドーレスやコパ・スダメリカーナといった国際大会の舞台も経験するなど、その存在は大きな注目を集めているところだ。
代表歴
歩んできた経歴からも分かるように、大きなクラブでエリート街道を通ってきたわけではないので世代別代表ではブラジルU20に招集されたことに留まっている。そして現在は20歳の誕生日を迎えていることからも、オリンピック(U23)やフル代表に焦点を合わせる見通しだ。
移籍の噂
2021年夏の移籍市場では、アーセナル(イングランド)やACミラン(イタリア)からの問い合わせが届いており、ACミランからは1000万ユーロ+ボーナスのオファーを受け取ったと言われているが契約は破断に終わっている。アーセナルは右サイドバックの補強として冨安健洋を獲得したことからも可能性は低く、新たにブレントフォード(イングランド)の名前が報じられた。
ブレントフォードはACミランを上回る1200万ユーロ+ボーナスを提示したとされており、2021年冬にはヨーロッパへの上陸も現実味を帯び始めている。グレミオと彼の間に交わされている契約期間は2025年12月末までだ。
プレースタイル
アタッキングサードで強烈なインパクトを残すことができる攻撃的な右サイドバックであり、ブラジル人らしさのあるテクニカルなドリブルにて中央への侵入も見せながら、フォワード顔負けのシュートセンスにて得点も狙うなど攻撃性能は随一だ。持ち前のスピードを生かした縦への突破も得意としており、そこから的確なクロスにて得点も演出できる。また、180cmというハンディのない体格も彼がトップカテゴリで短い期間ながら適応できた要素だ。
一方の守備面では不安視する声も聞こえるが、果敢なタックルを中心にボールを回収(リカバリ)する能力が備わっており、デュエルの勝利数も非凡であるなど、個人能力としては守備能力も高い。とはいえ組織的な部分での改善は必要であるため見守る必要はあるだろう。