管理人推薦選手紹介

トート・アレックス

名前 トート・アレックス(Tóth Alex)
生年月日 2005年10月23日
国籍/出身 ハンガリージャール)
身長 181cm
ポジション CMF
所属 フェレンツヴァーロシュTC

ロビー・キーンに見出されたハンガリーの魔術師

プレー動画

経歴

■2005-2018年(幼年期~ホンヴェード)

ハンガリーの首都ブダペストから約20kmの郊外にあるジャールが出身地であり、目立った観光地もない静かなベッドタウンにて多くの時間を彼は過ごしている。家族には本格的にフットボールをしていた人物はいなかったが、名付け親に連れられて3歳半から地元のグロリエットSE』でボールを蹴り始めると、すぐにボールに夢中になり幼い頃からフットボールを中心とする生活になっていたそうだ。また、8歳になる頃にはフットサルのクラブにも所属しており、フットサルとの並行したプレーは13歳まで続いている。

9歳の誕生日を直前に控えた2014年9月末にハンガリー1部の最多優勝回数を誇るフェレンツヴァーロシュTC』の下部組織に入団。コーチ陣は彼の将来性を信じて疑わなかったが、両親は息子をブダペスト・ホンヴェードFC』に所属させることを告げており、駆け出しの早い段階であったがクラブから退団することとなっていた。当時はフットサルに熱を注いでおり、ハンガリー国内で優秀な成績を収めるなど技術的に優れていたが、身体的な成長が遅れていたことでホンヴェードから解雇される悔しい経験を味わったという。そこで父親は古巣のフェレンツヴァーロシュに復帰できないかと問い合わせ、クラブ側は私達を信じてくれるなら歓迎すると寛容な姿勢で受け入れ、2018年8月末にフェレンツヴァーロシュTC』への再入団が実現した。

■2018-2025年(フェレンツヴァーロシュ)

U14~U15カテゴリでは目立った成績を残せていなかったが、U16リーグで2位、U17リーグで優勝と全国選手権で好成績を収めると、2022/23シーズンより16歳ながらセカンドチームに昇格。NB.Ⅲ(3部リーグ)では約6割の試合で先発起用されるなど主力として定着し、シーズン終盤の2023年5月にはデブレツェン戦にてNB.Ⅰ(1部リーグ)でのTOPデビューを飾るなど、5連覇を飾った歓喜の輪に加わっている。

2023/24シーズンの途中からは上位カテゴリでの経験が積めるようNB.Ⅱ(2部リーグ)で提携関係にあるソロクサールSC』に期限付き移籍にて加入することが決定。とはいえ、フェレンツヴァーロシュのTOPチームとの二重登録が認められていることから両クラブを行き来しており、このシーズンは1部~3部までを横断しながら異なる環境に馴染む必要性のある難しくも多くの経験値を積むことができるシーズンであった。

2024/25シーズンはパスカル・ヤンセンが率いるTOPチームのベンチ入りは多くも出場機会の提供には至っておらず、前半戦は昨季から引き続きソロクサールにて彼は2部リーグを戦っていた。このため、冬の移籍市場にて別の1部クラブへのレンタル交渉も水面下で進んでいたが、パスカル・ヤンセンがニューヨーク・シティFCに引き抜かれたこと、そして降任にアイルランドサッカー界のレジェンドであるロビー・キーンが新監督に就任したことが彼の環境を一変させている。

ロビー・キーンは最初からの彼のポテンシャルを見抜いており、2025年1月末のAZ戦(UEFAヨーロッパリーグ)で先発起用することを彼に伝えていたという。その言葉どおり先発出場を果たした彼は、アダマ・トラオレへの初アシストを記録するなど期待に応えるパフォーマンスを残したことで指揮官からの信頼を獲得。その後の国内リーグでも先発の座を射止めながら17試合に出場し、短期間ながら2得点8アシストの成績でリーグ6連覇の立役者として一気に評価を高める飛躍のシーズンとなった。

代表歴

ハンガリーのエリート選手であり、U17カテゴリから2歳上のカテゴリに飛び級招集されるのが当然の扱いを受けている。レヴァンテ・バボーの指揮下でU18~U20までプレーすると、2024年11月には19歳の誕生日から1ヶ月も経過していないがハンガリーU21に招集。そしてフェレンツヴァーロシュでの目覚ましい活躍は、2025年3月にマルコ・ロッシがフル代表に招集するまでの評価を得ており、トルコ代表とのUEFAネーションズリーグプレーオフでフル代表デビューも達成している。

移籍の噂

フェレンツヴァーロシュとは2027年6月末までの契約を残しており、現時点では具体的な移籍については報じられておらず残留の線が濃厚だ。ただ、一部メディアではリヴァプールがハンガリー人のタレントを多く獲得していることに着目し、いずれ彼にも触手が伸びるだろうと推察されている(彼もリヴァプールをSNSでフォローしている)。代理人グループのBeProキャリア・エージェンシーは彼は素晴らしい状態にあるが始まったばかりであると慎重な姿勢を見せているところだ。

プレースタイル

中盤を本職とするCMFの選手であり、ヒートマップが示すように中盤に限らずピッチの広い範囲で影響力を持つハードワークができるタイプだ。最大の持ち味はチャンスクリエイト力にあり、広い視野と背後のスペースを見逃さない空間把握能力に加え、一級品の右足から放たれる美しい軌道にて攻撃の起点から決定機の演出まで行う姿は類を見ない才能を感じさせている。また、フットサルで培われたテクニック面も魅力的だが、それ以上に相手の寄せに対しても臆せずに強引な侵入やボールキープ、反転しながら入れ替わる技術など身体の使い方が上手い印象を受けるだろう。こうした側面から守備でも球際への一定の強さを持つ。現時点ではTOPチームでの経験も短いが、既にスターの雰囲気を感じさせる逸材だ。

小ネタ

愛称はAli(アリ)

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