グヴィダス・ギネイティス

選手紹介
名前グヴィダス・ギネイティス(Gvidas Gineitis)
生年月日2004年4月15日
国籍/出身リトアニアマジェイケイ)
身長191cm
ポジションCMF
所属トリノFC

14歳でリトアニア2部を闘っていた早熟の才能

プレー動画

経歴

■2004-2020年(幼年期~アトモスフェロス)

ラトビア、エストニアと共にバルト三国を構成しているリトアニア共和国。同国でも8番目に大きな都市として栄える北西部のマジェイケイにて彼は誕生した。6歳上の兄デイヴィダスはⅡリガ(リトアニア3部)でプレーしているサッカー選手であり、こうした兄の影響とアパートの近くで行われていた『FKアトモスフェロス・マジェイケイ』の5歳児クラスの練習に参加したことでキャリアが始まっている。数回のトレーニングで他の子供たちよりも上達していたことをコーチであるアルギルダス・ミカは回想しており、フィジカルテストでは瞬発力や走り幅跳び、30m走などで常に誰よりも抜きん出ていたほか、どのような大会でも得点王やベストプレーヤーになってしまうエピソードを披露するなど卓越した存在であったという。

同じくアルギルダス・ミカがコーチを務めていたマジェイケイ・フットボール・アカデミー(MAFA)では、2014年の大会で全勝優勝に加えて最優秀選手賞に輝いていた実績も記録に残っている。こうした才能であったことからリトアニア国内の強豪クラブがこぞって期限付きながら彼をデンマークやドイツなどの遠征に帯同させており、異なるクラブや環境でのプレーを苦とすることなく難なく適応していたそうだ。

12歳となった2016年夏からはリトアニアのナショナル・フットボール・アカデミーである『FK NFA(現:Be1 NFA)』に加わり、小学校6年生ながらカウナスでのトレーニングを開始。1年目から飛び級にてU14/U15リーグに出場しており、2017年6月には急遽で代役を務めることになったGKにおいてPKを止める映像が残っているなどチームの中心的な選手として活躍していた。2018年9月には14歳ながらⅡリガでのシニアデビューを飾っており、14歳で計2試合(33分間)に出場する快挙を成し遂げた後、2019年より古巣である『FKアトモスフェロス・マジェイケイ』に復帰している。

アトモスフェロスではユースではなくトップカテゴリの選手として計算されており、移籍直後の2019年3月に14歳ながらⅠリガ(リトアニア2部)デビューを果たすだけでなく、翌月のリトアニア・カップ2回戦では初ゴールも記録している。15歳になるとフル出場や得点も重ねるようになっており、約1年半の活動期間においてアトモスフェロスでは28試合4得点の成績を収めたことで、彼を秋頃から継続的に追っていたイタリアの『S.P.A.L.』との契約を2020年夏に締結している。こうしてリトアニアからイタリアでの新たな挑戦をスタートさせた。

■2020-2023年(SPAL~トリノ)

16歳で加入したSPALではリトアニア時代とは異なりユースカテゴリに組み込まれ、最初はカンピオナート・ナツィオナーレU17(イタリアU17リーグ)が彼の主戦場として与えられていた。U17での公式デビュー戦となったビチェンツァ戦では0-3のビハインドから試合をひっくり返しての勝利でチームメイトとの絆を深めると、初年度はCOVID-19の影響による特別形式の大会にてSPALのグループラウンド首位通過と決勝ラウンドの準々決勝でアタランタを破る快挙に貢献するなど14試合6得点1アシストの成績を収めている。

2021/22シーズンは開幕からプリマヴェーラ1(イタリアU19リーグ)でのデビューを飾っているが、出場をそこそこに半年後の冬の移籍市場にて『トリノFC』に移籍することが発表。これには移籍市場最終日にSPALのTOPチームからデンバ・セックがトリノFCに売却されたことに起因しており、その交渉の中に彼を含めた2人の下部組織選手も組み込まれた内容によって土壇場で実現したものであった。

トリノではSPALと同様にプリマヴェーラに組み込まれ、加入から3か月後には中盤にてレギュラーポジションを獲得。翌22/23シーズンもプリマヴェーラ1で開幕を迎えていた彼であったが、ワールドカップによる中断期間に行われた冬季キャンプをTOPチームと共にムルシア(スペイン)で過ごしており、そこで指揮官のイヴァン・ユリッチが欲していた左利きの選手としての関心を持たれるようになっていた。このため、年が明けた2023年1月からはセリエA(イタリア1部)での継続的なベンチ入りを果たすようになっており、サシャ・ルキッチの移籍に伴う再構成された中盤の候補としての序列にまで上り詰めている。

すると、サムエレ・リッチの欠場が見込まれていた2023年2月のACミラン戦にて彼を先発出場させることを指揮官が明言。突如として表れたデビュー機会にてリトアニア人としてセリエAの舞台に立った史上4人目の選手になることに成功しているが、試合はサン・シーロでのアウェイゲームであることによる緊張などで普段通りのパフォーマンスを発揮することは出来ずに、前半で警告を受けていたこともあり前半で退くようなデビュー戦であった。その後は再びベンチを温めるような日々であったが、2023年4月のASローマ戦ではフル出場にてデビュー戦よりも安定したパフォーマンスを残している。2023/24シーズンは中盤の3~4番手としてシーズンを過ごしている最中にあり、ポジション争いを繰り広げているところだ。

代表歴

15歳でリトアニアU17に招集されたことを皮切りに代表キャリアをスタートさせている。イタリアに活躍の舞台を移してからは、わずか17歳でリトアニアU19/U21にまで駆け上がり、U19/U21それぞれの欧州選手権予選に出場しているも目立った成績は残していない。それでも2022年11月には18歳7ヶ月1日の若さでリトアニアのフル代表デビューを飾り、デビュー戦となったアイスランドとのPK戦では2人目のキッカーを見事に成功させている。

既にリトアニア代表内でも主要リーグでプレーしているため主力選手として位置づけられており、2023年6月から行われていたEURO予選の全試合でスタメン出場を果たすなど、これからのリトアニア代表を支える存在として期待が寄せられている。

移籍の噂

トリノFCとは2026年6月末までの契約を残しており、具体的な移籍の噂については報じられていない。現状のプレー時間などからセリエBなどに期限付き移籍をする選択肢なども考えられるが、一つのきっかけにトリノの主力となる道も可能性としては充分に秘めている。代理人グループは「グローバル・グループ11」というバルト三国の選手をクライアントとして抱えている小さな代理店だ。

プレースタイル

イタリアにおけるメッザーラ(インサイドMF)を本職とする左利きのプレーヤーだが、必要に応じてアンカーやトップ下でも起用できるようなユーティリティ性を持っている。187~191cmの体躯を誇りながらも、その魅力は足元のテクニックやビジョンに優れた安定的な中盤での立ち振舞だろう。ポゼッション時は潤滑油のようにボールを供給するほか、そのリーチを活かした絡み取るような奪取力、体躯に似つかわしくないモビリティ(機動力)や精確なフィニッシュなど、様々な武器を持っているため真価を発揮できるポジションは多岐にわたる。

小ネタ

FKアトモスフェロス・マジェイケイでキャリアを始めた際のチームメイトにリトアニア女子代表の『リマンテ・ジョヌサイテ』がおり、彼女も2021年からACミランでプレーするなど二人揃ってセリエAにてプレーしている。

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