サムエレ・ムラッティエリ

選手紹介
名前サムエレ・ムラッティエリ(Samuele Mulattieri)
生年月日2000年10月7日
国籍/出身イタリアラ・スペツィア)
身長183cm
ポジションCF/SS/AMF
所属インテル

オランダでの活躍が止まらないインテルが所有するゴール前の死神

プレー動画          

経歴             

■2000-2018年(幼年期~スペツィア)

イタリアのリグリア海に面した港町であるラ・スペツィアに生まれた彼は、近所のサルザネーゼにあるサッカースクールにてサッカーを始めていた。彼が目標としていた人物はセリエC(イタリア3部)でのプレー歴のある叔父のディエゴであり、幼い頃からプロサッカー選手になることを夢見ていたという。10歳となった彼はラ・スペツィアを代表するスペツィア・カルチョに下部組織に加入し、各ユースセクターでゴールとアシストを量産するような活躍で、2011/12シーズンのトーナメントではフィオレンティーナやインテルといった強豪クラブを破り最優秀選手に輝いた実績を持っている。

スペツィアでは2016/17シーズンにカンピオナート・ナツィオナーレU17(イタリアU17リーグ)でのプレーにたどり着くと、16歳ながらピッチ上の王様として全試合に出場しファイナルステージでの出場も含めると30試合で7得点を記録した。スペツィアは小さい規模のクラブであったことから、翌2017/18シーズンよりスペツィア・プリマヴェーラ(U19)に昇格しており、プリマヴェーラ2A(イタリアU19の2部)ながら19試合13得点と印象的な活躍を残し、2018年4月14日に行われたセリエB(イタリア2部)第35節のフロジノーネ戦でトップデビューを飾っている。さらにデビュー2戦目のペスカーラ戦では初得点を挙げている。

■2018-2020年(インテル)

17歳の彼が残したインパクトは大きく、ユヴェントスやインテルといった国内のビッグクラブの関心を集めていた。そして2018年7月、スペツィアでのトップデビューも果たし一つの目標を達成した彼は、さらなるレベルアップを求めてインテルナツィオナーレ・ミラノに移籍することが発表。彼が住んでいたアルコラ(人口1万人程度の自治体)を離れ、ミラノでの生活が始まったが最初は馴染むことに精一杯だったという。

インテル・プリマヴェーラ(U19)に登録されていたが、チームの王様的なポジションで自由にプレーすることを認められていたスペツィアとは異なり、緻密にデザインされた戦術に対応する必要があったことで初年度は34試合4得点と不完全燃焼なシーズンとなっている。ただ、この経験が彼をより成長させる要素となり、翌2019/20シーズンはプリマヴェーラ1(イタリアU19リーグ)で21試合15得点と2年目にしてチームにフィットする存在へと成長した。シーズンは新型コロナウイルス感染症の影響によって中断となったが、U19カテゴリを終えるタイミングでの活躍はフロントへの好印象を与えている。

■2000-2021年(FCフォレンダム)

プリマヴェーラを終えた彼だったが、インテルのトップチームに昇格するには選手層も含めて難しかった。そのため、セリエBのクラブから期限付き移籍のオファーを提示されるも彼はそれを拒否。多くの若手選手が特段の理由をなしに加入することを彼は好んでおらず、自身が求められる環境でプレーすることを考えていた。そこで彼にアプローチをかけたのはエールステ・ディヴィジ(オランダ2部)に所属するFCフォレンダムであり、スポーツディレクター(SD)がイタリア語を話すこともできるなど、彼にとってモチベーションを上げられるような提案で2020/21シーズンに期限付き移籍することが決定した。

彼が登録される頃には既に第7節まで消化している状況であり、チームへの帯同は遅れていたにもかかわらず第8節のヨング・PSV戦にてデビューを飾ると、いきなり名刺代わりとなる1得点1アシストを記録。そのままデビュー3試合で4得点を奪うと、2021年4月11日現在でエールステ・ディヴィジでは26試合17得点3アシストと驚異的なペースでゴールを量産している。フォレンダムはプレーオフ圏内の7位につけており、彼自身も得点でアピールをすることができているため、昇格に導くことができればさらに評価は上がるだろう。

代表歴            

イタリアU18~U19での出場歴を持っているが、不動のポジションを確立しているわけではなくテスト的に起用されるような選手であった。しかし、出場した試合では得点で起用に応えるなど多くの若手ストライカーに劣らない存在であることを証明している。

移籍の噂           

FCフォレンダムには2021年夏までの期限付きであるため、期間を終えた2021/22シーズンに彼がどのような選択をとるのかに注目が集まっている。インテルへの復帰は難しいものであると予想されるため、クラブとしては再び期限付き移籍で彼を送り出したいところだろう。しかし、彼の性格を考慮するのであれば完全移籍にて退団する可能性も否定できず、相応の金額を提示されるのであればインテルも応じると予想される。現実的な選択肢としてはフォレンダムの昇格に伴う完全移籍、イタリア・オランダの1部リーグへの移籍だろう。古巣であるスペツィア・カルチョに復帰することも一つの選択肢だ。

プレースタイル        

スペツィアならびにインテルのプリマヴェーラでは最前線ではなくセカンドストライカーのような1.5列目でプレーしていたが、フォレンダムではオランダ式4-3-3のセンターフォワードとして役割を与えられている。ただ、最前線に張り続けたプレーではなく、攻撃を組み立てる際には下りてアクションを起こすなど、元々のプレースタイルとの融合でハイブリッドな可能性を見出しているところだ。裏への抜け出し、ボックス外でボールを受けてからのフィニッシュは得意パターンであり、まさにゴール前の死神だ。そんな彼のアイドルはズラタン・イブラヒモヴィッチであり、WyScoutのサブスクリプションではロベルト・レヴァンドフスキ、アーリング・ブラウト・ホーランド、ロメル・ルカクのビデオで学びを得ているという。

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