名前 | ピエロ・インカピエ(Piero Hincapié) |
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生年月日 | 2002年1月9日 |
国籍/出身 | エクアドル(エスメラルダス) |
身長 | 184cm |
ポジション | CB |
所属 | CAタジェレス |
瞬く間に人気株となったエクアドルの新たな大器
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経歴
■2002-2014年(幼年期~CDアソゲス)
父親のヘスス・インカピエ・ガルシアと、母親のメイラ・レイナ・ファリアスの第3子としてエクアドル北端のエスメラルダスに生まれている。兄の影響で物心がつく頃にはサッカーを始めており、最初のコーチであるシルヴィオ・ブルバーノの下でエスクエラ・レフィネリアというクラブにてキャリアをスタートさせていた。7歳の頃にはエスメラルダス市内のエメレク・エスメラルダスに所属し、今はなきマルティン・ラミレスと共にU7のカテゴリーチャンピオンにも輝いたという。
2010年、8歳となった彼はバルセロナ・デ・エスメラルダス(FCバルセロナの国外アカデミーの一つであり、5歳~11歳までを対象としているクラブ)に移ると、元プロサッカー選手であったファウスト・マタンバの下ではエスメラルダス市が主催するトーナメントで幾度となく優勝するなど徐々に才能は花開いていた。
そんな彼がバルセロナ・デ・エスメラルダスの選手としてプレーしていたある日、毎年開催されているトーナメントに参加すると、マルコス・ザンブラーノに見出されたことでアプローチを受けていた。オファーの内容は最大都市グアヤキルにある「ノルテ・アメリカ」への勧誘であり、当初はエスメラルダスから遠く離れた都市からオファーに難色を示すも、家族全員でグアヤキルに引っ越すことを条件に2012年、10歳ながらグアヤキルでの生活が始まっている。1年後の2013年には当時の全国チャンピオンであったクラブ・デポルティボ・アソゲスに所属した。
■2014-2020年(インデペンディエンテ・デル・バジェ)
12歳となった2014年、エクアドル国内を代表するクラブの一つであるインデペンディエンテ・デル・バジェに移籍すると、飛び級ながらU14カテゴリにて登録。初年度からU14全国選手権に出場して優勝を果たすと、翌年(2015年)にはさらに飛び級でU16カテゴリに昇格し、再び国内チャンピオンに輝いている。この活躍を見たコーチ陣は彼がどれほどのポテンシャルを持った少年なのかを確かめるべく、14歳ながらU18カテゴリに帯同させ経験を積ませると、17歳となった2019年8月10日にはエクアドル・セリエA(エクアドル1部)第21節のムシュク・ルナSC戦にてトップデビューを果たしていた。2019年はデビュー戦の1試合のみに出場し、2020年にはCOVID-19の影響もありながらインデペンディエンテ・デル・バジェで出場した試合はわずか2試合となっている。その間、彼は直接関与していないがクラブはコパ・スダメリカーナの初優勝に輝いた。
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■2020-2021年(CAタジェレス)
2020年8月20日、アルゼンチンのCAタジェレスに100万ドルにて完全移籍加入することが発表。2021年1月のリーガ・プロフェッショナル・アルゼンティーナ(アルゼンチン1部)のCAコロン戦にてデビューを飾り勝利に貢献すると、2021年2月から2021年5月にかけてはリーグ戦やコパ・スダメリカーナを含めた19試合に出場し、出場した9割の試合でフル出場であるなどチームに欠かすことのできないセンターバックとしてアルゼンチンに適応している。
代表歴
2017年にエクアドルU15でプレーした彼は、2年後の2019年にはエクアドルU17のキャプテンとしてチームを牽引。U17南米選手権(2019年)ではU17ワールドカップの出場権が与えられる4位に導き、U17ワールドカップでもベスト16でイタリアU17に敗れるまでの全試合に出場している。その後、エクアドルU20を経て、2021年6月にはコパ・アメリカ2021に向けたエクアドルのA代表に選出。コロンビア代表戦にてデビューを飾ると、ここまで全ての試合に出場しており多くの注目を集めている。
移籍の噂
タジェレスやコパ・アメリカでのパフォーマンスからアトレティコ・マドリードを始めとする、ACミラン、PSG、バイエルン・ミュンヘン、ASローマ、セルティック、ニューカッスル、ベティス、ランスといった欧州1部リーグのクラブが関心を持っていることが伝えられている。およそ移籍金として必要な金額は1000万ユーロ前後とされており、タジェレスに移籍した際の約10倍の市場価値が今の彼にはついている。タジェレスは彼の保有権を50%所持しているほか、2025年12月末まで契約を残しているなど相当の金額が必要だろう。
プレースタイル
左利きのセンターバックであり、決定機を演出させない危機管理能力に定評を持っている。地上戦での強さに一定の評価ができ、非凡なフィード能力も持ち味となり得るだろう。184cmと絶対的に存在感を放つようなタイプでもなく、若さが見られるおぼつかないプレーもよく見られる光景であるが徐々に経験を重ねることで大きく成長することが期待される。彼が崇拝しているのは闘将カルレス・プジョルであり、彼もまたプジョルと同様に高さでのアドバンテージはないが熱い魂で魅了するはずだ。