オーリ・オスカルソン

選手紹介
名前オーリ・オスカルソン(Orri Óskarsson)
生年月日2004年8月29日
国籍/出身アイスランドセルチャルトナルネース)
身長186cm
ポジションCF
所属FCコペンハーゲン

13歳でトップデビューを飾ったアイスランドのゴールマシン

プレー動画

経歴

■2004-2020年(幼年期~グロッタ)

アイスランド国内で最も小さな街(2km2)であるセルチャルトナルネース。Webブラウザの「Opera」の共同開発者として知られるヨン・スティーブンソン・フォン・テッツナーを輩出したエリアにて彼は生まれ育っている。父親のオスカル・フラプン・ソルバルドソンは怪我の影響により25歳の若さで現役を退いているが、アイスランド代表として3試合のキャップを持つなど才能を持った人物であった。そんな父親を持つ彼は、6歳でセルチャルトナルネースを本拠地とする『IFグロッタ』の下部組織に入団しており、2015年からは父親もクラブに参画する形で指導を受けていたという。

U14カテゴリ時代には11歳からの約2シーズンで19試合35得点と飛び級ながら他を圧倒する成績にて躍動。2018年シーズンよりグロッタU16に昇格しているが、そんなU16カテゴリでも開幕節から5得点を記録するなど彼がプレーするには物足りなさの残るレベルであった。このため、2018年8月末には2.テイルト・カルラ(アイスランド3部)にて13歳354日でのトップデビューを飾っており、そのデビュー戦で2得点を決めたという信じられないエピソードが公式記録として残っている。

これには父親が2018年よりIFグロッタのトップ監督に就任したことが大きく起因しているが、親の七光りとは言わせない活躍で翌節も得点を挙げるなどチームの2部リーグ昇格に微力ながらも貢献した。翌2019年シーズンは1.テイルト・カルラ(アイスランド2部)で12試合に出場し、15歳ながら1得点を記録。チームは昇格組ながら2部リーグを制するサプライズにてクラブ史上初となるトップティアへの昇格を実現させるなど、指揮官であった父オスカルもアイスランドの年間最優秀監督に選ばれている。

■2020-2022年(コペンハーゲン)

16歳となる2020年シーズンをアイスランド1部でプレーする選択肢もあったが、2019年11月にデンマークの名門『FCコペンハーゲン』に移籍することが決定。父親もブレイザブリクUBKに引き抜かれるなど、親子はグロッタから別々の道を歩み始めていた。2020年夏からコペンハーゲンU17に組み込まれる予定であったが、COVID-19の影響による中断期間が明けるとU19カテゴリに彼は登録されていた。

コペンハーゲンU19としてはU19リーグのデビュー戦にて名刺代わりの2得点を奪っており、その後も勢いは留まることなくハットトリックを含めた12試合10得点の成績にて初年度を終えると、翌2021/22シーズンは同じくU19リーグで25試合29得点6アシストと他を圧倒する成績にて得点王のタイトルを獲得。2022年5月に行なわれたチャンピオンシップラウンドでは、最終節のオールボーBK戦にてトップデビューを飾るなど17歳の彼が残したインパクトは大きなものであった。

これらの活躍によって2022/23シーズンはトップチームに帯同しており、出場機会は限られながらもUEFAチャンピオンズリーグの舞台でセビージャやドルトムントといった強豪クラブとの対戦を経験。2022年11月にはカップ戦で初ゴールを記録しているが、リーグでは前半戦で4試合(69分)の出場に留まっていたこともあり、クラブは1.ディビジョン(デンマーク2部)の『スナユスク・エリーテスポート』に期限付きで経験を積ませることを決断している。

スナユスクでは途中加入の難しさがありながらも、レギュラーシーズンでは5試合1得点1アシスト、続く昇格プレーオフでは最初の4試合で3得点と印象的な活躍にて2部リーグながらシニアカテゴリでも通用も通用することを証明していた。この期限付き移籍にて彼の成長を期待していたヤコブ・ニーストラップ(コペンハーゲンの指揮官)は、新たな2023/24シーズンではトップチームの選手として計算できると判断し、序盤戦から積極的な起用を実施。2023年8月にはUEFAチャンピオンズリーグ予選にて父親が率いるブレイザブリクUBKを相手にハットトリック(+1アシスト)を奪うなど、父の前で自身が成長した姿を見せていた。

代表歴

13歳の誕生日からわずか約2ヶ月後にはアイスランドU15で活動しており、その後も世代別代表では常に2~3年上の年齢層で彼はプレーしている。特に目覚ましい活躍を残していたのがアイスランドU19であり、U19欧州選手権予選(2022)では惜しくもエリートラウンドで敗退しているが、予選ラウンドも含めた6試合で5得点を記録した。

この悔しさをバネに挑んだ翌年のU19欧州選手権予選では、出場した全5試合で得点を奪う(6得点)活躍でアイスランドU19を初の本大会出場へと牽引。2023年7月にその本大会が開催されているが、コペンハーゲンはクラブ活動に専念してほしい意図から出場許可を与えておらず、夢の舞台への出場は叶っていない。このアイスランドU19と平行して現在はアイスランドU21でもプレーしているが、そう遠くない間にフル代表でのデビューも飾るだろう。

移籍の噂

現状では具体的な移籍の噂は報じられておらず、FCコペンハーゲンとの現行契約(2025年6月末)を継続する見通しだ。現在のチーム状況として開幕5連勝やチャンピオンズリーグ予選で勝ち残っているなど良い雰囲気にあるため、出場時間も増えつつある現状を捨ててまで移籍を選択する可能性は低いだろう。

そんな彼の代理人を務めてるのはエドゥアルド・カマヴィンガやジャック・グリーリッシュなどをクライアントに持つジョナサン・バーネットが創設した「CAAステラ」であり、既に影響力のある大手代理店と契約しているなど移籍時のバックアップ体制は充分だ。

プレースタイル

186~188cm/82kgの自然で強靭なボディバランスを持ったセンターフォワードであり、いわゆる生粋のゴールマシンだ。オフ・ザ・ボールの動きが良く、DFの背後を狙い1vs1の状況を作り出すことを得意とするほか、密集したボックス内でわずかなスペースを見出しながらゴールを量産する。利き足は右であるが、左足の品質も素晴らしいものがありワンタッチで冷静にゴールネットを揺らすのはお手の物だ。

当然ながら空中戦でも強みを発揮しており、ターゲットとして前線で時間を作りながらのポストプレーといった基本的に求められる役割は高い水準でこなすことができる。そもそものストライド(歩幅)の広さがあるため、カウンターを一人でフィニッシュで完結させることも可能であり、スペースに対してボールを動かしながらレンジを問わずに積極的にゴールを狙うなど嗅覚は一流だろう。13歳からシニアを相手にプレーしている経験値の高さは同世代の18歳よりも際立っていることが推察されるため、何かの拍子に世界的なストライカーとして開花する可能性も高いだろう。

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