名前 | ニコロ・ロヴェッラ(Nicolò Rovella) |
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生年月日 | 2001年12月4日 |
国籍/出身 | イタリア(セグラーテ) |
身長 | 179cm |
ポジション | DMF/CMF |
所属 | ユヴェントス |
モドリッチに着想を得た、量と質を両立させる新世代レジスタ
プレー動画
経歴
■2001-2015年(幼年期~アルチョーネ)
イタリア・ミラノ県のセグラーテに生まれた彼は、父がセリエD(イタリア4部)でプレー歴のあるサッカー選手であり、母も水球選手であったなどアスリート家系にて育っていた。育成年代の開発を中心するアマチュアクラブのASDアルチョーネにてキャリアを始めると、オレンジ色のユニフォームを身にまとい、両親の身体能力を高く受け継ぎ才能を発揮していたという。当時の彼をよく知り、今も彼の父親と連絡取り合うほどの関係性を持つアルチョーネのSDを務めるジャンカルロ・コルベッタ氏は「ロヴェッラは常にチームの司令塔として信頼を得ており最初から他の選手とは異なる道を歩むだろうと思っていた」と語り、その才能については疑いようのない存在であった。
ポルトガルで開催されたトーナメントでは、SLベンフィカを始めとする選りすぐりの逸材が集結した大会でも存在感を放ち、2015年9月ごろから様々なクラブからのアプローチを受けていた。当時はユヴェントスやインテルも彼をユースに招くために動いていたが、既に契約が締結される手前まで来ていたこともあり、最初に彼へのアプローチを行っていたジェノアCFCに移籍することが2015年12月に決定している(2017年夏との記述もある)
■2015-2021年(ジェノア)
ジェノアに加入後もチームの中心に据えられていた彼は、2017年8月から開催されていたイタリア国内でも権威のあるTorneo Internazionale Carlin’s Boysにおいて、ルカ・チャッピーノが率いるジェノアU17の大会連覇に貢献。それだけに留まらず大会最優秀選手に選出される活躍を残していた。2017/18シーズンのカンピオナート・ナツィオナーレU-17(イタリアU17リーグ)では、レギュラーシーズンの優勝争いをトリノとユヴェントスの三つ巴で繰り広げており、結果的に3位で終えファイナルステージでも準々決勝でアタランタに破れたが彼は24試合で3得点を記録している。ちなみにこの当時のジェノアU17をアカデミー責任者であるMichele Sbraavatiは「過去20年間で最高だ」と賞賛している。
2018/19シーズンよりジェノア・プリマヴェーラ(U19)に昇格してもなお、彼の姿はチームの中心にあった。しかし、カンピオナート・プリマヴェーラ1(イタリアU19リーグ)では降格プレーオフ圏内の14位で終えるなど(結果的には残留)リーグ戦ではクラブの躍進に導くことはできなかった。また、トルネオ・ディ・ヴィアレッジョ(U19トーナメント)ではチームの決勝進出に貢献するも、その決勝戦となるボローニャにPK戦の末に破れたことでキャプテンマークを着用していた彼は多くの涙をこぼしていた。
2019/20シーズンからはトップチームに帯同する機会も増えており、プリマヴェーラの試合に出場する傍らで2019年12月のセリエA(イタリア1部)第20節のインテル戦にてトップデビューを飾っている。それ以来、プリマヴェーラとトップチームを行き来しながらそれぞれの舞台で着実に準備を重ねるシーズンとして同シーズンをプレーしていた。
準備を経た2020/21シーズンは彼にとって本格的なトップチームでの挑戦となり、4-3-3におけるアンカーのポジションをルーカス・レラガー(デンマーク代表)とミハ・ザイツ(スロベニア代表)と争っていた。それでも出場した試合では1試合平均11.56kmの走行距離を記録(セリエAの全選手で最も高い数値)し、平均パス成功数もジェノア内では2番目の数値(平均41.1本)を記録するなど印象的な存在を見せている。
■2021年(ユヴェントス)
2021年1月29日、ジェノアからユヴェントスに最大2000万ユーロの金額にて移籍することが発表。あわせて2021/22シーズンまでの1年半はジェノアに期限付きで残ることも決定するなど、ユヴェントスが14歳当時から目をつけていた彼を約6年の月日を経て獲得している。
代表歴
イタリア世代別代表の常連選手となっているが、2018年のU17欧州選手権では準優勝を経験するも、サムエレ・リッチなどのバックアッパーとしての立ち位置であった。しかし、イタリアU18から3センターが採用されると彼の出場機会も急激に増え、2020年11月には10番を着用しイタリアU21でのデビューも飾っている。
移籍の噂
ユヴェントスに移籍直後のため退団の可能性はゼロに近いだろう。ユヴェントスとは2024年6月末までとなっている。
プレースタイル
彼はアンカーやセンターハーフの中盤であれば柔軟に適応するレジスタだ。アイドルとして崇拝するルカ・モドリッチをモデルケースとしており、アンドレア・ピルロとジェンナーロ・ガットゥーゾのミックススタイルであるとも称されている。この年齢にして量と質の両立を実現させており、スタッツにも表れているように多くの走行距離で積極的なプレー関与をするだけでなく、広い視野と正確かつ効果的なパスでゲームを組み立てながら守備の部分でも果敢にボール奪取を試みるなどハードな中盤でも自身もスタイルを確立している。
また、プレースキッカーとしての一面も持っており、セットプレーから得点を演出することは彼のクリエイティブなプレーを際立たせるものだ。不安要素としては線が細いフィジカル面であるが、そこはモドリッチを参考にしているところもあり徐々に気にならなくなるだろう。