名前 | マティアス・シルタネン(Matias Siltanen) |
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生年月日 | 2007年3月29日 |
国籍/出身 | ![]() ![]() |
身長 | 175cm |
ポジション | CMF/DMF |
所属 | ![]() |
フィンランドが次世代に誇る司令塔
プレー動画
経歴
■2007-2024年(幼年期~KuPS)
フィンランド東部に位置するクオピオに生まれた彼は、美しい湖と自然に囲まれた風光明媚な街にて育っている。父親のマルコ・シルタネンもフィンランド1部でプレー経験のある元選手であり、こうした家庭環境であることから自然な流れで3歳からボールを蹴り始めていたという。幼少期からクオピオを本拠地とする『KuPS(クオピオン・パロセウラ)』に一貫して所属するなど地元で育てられた才能であった。
Tämän hetken Matias Siltanen muistaa varmasti loppuelämänsä 💛🖤
📅 7.7.2024 ja uran ensimmäinen maali Veikkausliigassa#banzai #KuPS #Veikkausliiga pic.twitter.com/vWEikJpz47
— Kuopion Palloseura (@KuPS1923) July 7, 2024
2022年夏にはKuPSのセカンドチームにまで到達しており、15歳ながらフィンランド3部でのシニアデビューを達成。そのまま11試合に出場しながら2023年1月にはKuPSとの複数年契約を締結し、2023年シーズンも3部リーグで経験を積みながら2月のリーグカップではTOPデビューも早々と実現させていた。16歳となったこの年にはデンマークのオーフスGFに1週間のテストで参加するなど、国外で求められる要求レベルを肌で直接感じ取ることで視野が広がっている。
2024年シーズンを迎えると、リーグ戦で出場機会のなかった17歳の彼がフィンランド1部の開幕節での先発メンバーに名を連ねており、昨季王者のHJKヘルシンキを相手に勝利を手繰り寄せる活躍を彼は見せていた。そのままシーズン全体を通してチームの優勝争いに貢献しながら38試合に出場し、フィンランド1部のタイトル奪還だけでなくクラブ史上初となるリーグカップとの2冠を達成。シーズン終了後にはリーグの年間最優秀新人選手に選出されると共に、国内での役割を1年目で終えるなど移籍の噂が加熱し始めていた。
■2025年(ユールゴーデン)
2025年1月下旬、マンチェスター・シティやボーンマスからの関心が届きながらも彼が選択したのはスウェーデン1部の『ユールゴーデンIF』への移籍であった。費やされた金額は120万ユーロ程度であるが両クラブにとっては大規模な取引であり、KuPSはクラブ史上最高額での売却になるなど大きな才能を適切な金額で見送りだしている。ユールゴーデンを新天地として選んだのはKuPSを率いていたヤニ・ホンカヴァーラがユールゴーデンの指揮官として就任したことが影響しており、彼だけでなくチームには複数人のフィンランド人も在籍しているだけに早期で馴染める環境が広がっていたことが大きな理由となっていた。
Matias Siltanen är här! 👋🛬 pic.twitter.com/qeX0tUNLOI
— Djurgården Fotboll (@DIF_Fotboll) January 29, 2025
こうした背景から指揮官が志向するスタイルの体現者として彼は重要な役割を担っており、加入1年目ながら主力として定着。ただし、UEFAカンファレンスリーグの登録メンバーには含まれておらず、ベスト4の大躍進を果たした同大会では彼の姿を見られていない。また、チームとしては中位の成績を彷徨っているが、個人評価としては最も高いパフォーマンスを残しており、シーズンを終える頃には争奪戦になることが予想される存在だろう。
代表歴
フィンランドU15から継続的に世代別代表には招集されており、2023年夏にはフィンランドU16としてバルトカップを制覇している。同年10月からは10年以上ぶりとなるU17EUROの本大会出場に向けたフィンランドU17の主将に任命され、予選ラウンドではドイツとウクライナと同組になりながらも1勝2分の無敗にて突破することに成功。エリートラウンドでは開催国としてのアドバンテージも後押しとなったが、健闘虚しく3位にて本戦出場は逃した。
2024年9月からは飛び級にてフィンランドU19に招集され、ユールゴーデンでさらなる価値を示していた2025年5月にはU21を経ずにフィンランドA代表にサプライズで選出。ワールドカップ予選のオランダ/ポーランド戦に向けた招集であったが、ベンチ入りには至らずフル代表デビューはお預けとなっている。
移籍の噂
ユールゴーデンIFとの契約は2027年12月末まで残っており、欧州主要リーグとは異なるシーズン途中の状況であることから移籍1年目となる今季での退団は想定しづらいだろう。KuPSでの在籍時から注目が集まっていた才能なだけに、既に複数のクラブからスカウトが送られ続けていることは想像に難くなく、移籍金も高騰していくことだろう。ただ、フィンランドとスウェーデンという物理的な距離の近さや、指揮官が同じであるといった環境に恵まれている面は大きいため、本当の意味で新たな環境でどのように適応できるのかは見守る必要がある。
プレースタイル
各種インタビューや記事でロドリ、トニ・クロース、フレンキー・デ・ヨングを同じポジションのモデルケースとして挙げられているように、セントラルまたは守備的なミッドフィールダーを主戦場とする中盤(No.6)の選手だ。KuPSではプレイメーカーとしてゲームの流れを読む動きを得意としており、彼自身もフットボールをより深く分析することを好んでいるため、年齢以上に達観かつ熟練した立ち振舞が特徴的となっている。
ボールに積極的に関わりながら深いパスを供給するだけでなく、冷静にテンポをコントロールし、ボールを前進させる動きも遂行できる高いIQと効果的なポジショニングに定評を持つ。また、守備面での貢献として相手のプレーを寸断(インターセプト)することや、世代別代表でも見られたキャプテンシーも武器とするなど攻守両面で重要な役割を担っている。
小ネタ
将来的には指導者の道も考えているという。