名前 | ジョナタン・ゴメス(Jonathan Gómez) |
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生年月日 | 2003年9月1日 |
国籍/出身 | アメリカ/メキシコ(ノース・リッチランド・ヒルズ) |
身長 | 178cm |
ポジション | LSB |
所属 | ルイビル・シティFC |
※ジョナサン・ゴメスとも表記されるだろう
アメリカ2部で急激に評価を高めている左サイドバックの新星
プレー動画
経歴
■2003-2020年(幼年期~FCダラス)
不法移民問題などアメリカ合衆国との話題に事欠かないメキシコ合衆国。ジョナタン・ゴメスもまた、両親が共にメキシコ人という移民家庭にて育った少年だ。メキシコシティ(メキシコ)出身の父ヘルマンと、マタモロス(メキシコ)出身の母クラウディア、そして2歳上のヨハンを兄に持ちながらテキサス州のノース・リッチランド・ヒルズに生まれている。愛称はJogo(ジョゴ)。
ゴメス家は『#TheGomezway』という2人の兄弟が歩んだストーリーをブログで公開しており、家族の経験を次世代に活かせるような目的で運用している社会貢献度の高い家族だ。そこからジョナタンの経歴を引用させていただくと、「3歳の頃、兄と父がサッカーをしているのを見て興味を持った。そこで当時住んでいたフォートワースにある『FWバーン』にてサッカーを始めているが、他にもスポーツをしており、特に左利きであったことから野球も得意であった。それでも6歳からはサッカーへの情熱に目覚めると、レクリエーションでのプレーではなく、本格的に競技に臨めるよう『ソーラー』に加入。そこで1年間プレーした後は『オデッセイ』に所属を移したことで現在のサイドバックとしての基礎を学んだ場所であった。」
そんなオデッセイの所属時にはソーラーの試合にも出場していたが、オデッセイではリーグの規定で飛び級が認められていなかったことから退団。その後はソーラーで様々な大会を制覇しながら評価を高めており、U12ではアメリカ代表のトレーニングキャンプに招待されたほか、フットサルの年代別代表にも選ばれるなど、プロサッカー選手になるという夢を叶えるための下地が出来上がっていた。
2016年夏、FCダラスのU13チームに加入するためのトライアウトに参加すると、U12時代にFCダラスにゲストプレーヤーとして招待されていたこともあり合格。初年度は怪我の影響もあったが、グアダラハラ(メキシコ)での準優勝やダラス・カップでの活躍は残していたという。年末には現在の左サイドバックに本格的な転身を行うと、以降はFCダラスの2003年カテゴリでも有数の存在としてリカルド・ペピらと共に成長した。
FCダラスにはフォートワースからフリスコまで1日で約130kmの移動を伴っており、4年間はこうした生活を行っていたが、父ヘルマンは「約50万km走った車が2台もあるよ」と語るほど限界が来ていたという。そこでゴメス家が決断したのは兄ヨハンと弟ジョナタンをフリスコで二人暮らしさせることであり、17歳と15歳の彼らは掃除や洗濯を分担しながら過ごしていた。
Hermanos se mudan solos para cumplir su sueño con FC Dallas https://t.co/QdpJPSbb8C
— 3rd Degree (@3rdDegreeNet) October 10, 2018
2019年シーズンよりUSL1(アメリカ3部)にFCダラスのリザーブチームとして参入することが決まっていたノース・テキサスSCにローン移籍という形で昇格すると、2019年5月の第10節トロントFCⅡにてシニアデビューを達成。第14節のランシング・イグナイトFC戦では2アシストを記録するなど、シニアカテゴリでの初年度は9試合2アシストの活躍を残し、16歳ながら3部リーグ制覇に貢献している。
■2020-2021年(ルイビル・シティ)
このままFCダラスのシステムに沿ってトップチームに昇格する道もあったが、それでは定期的な出場機会を望めなかったことから、チームを退団。2020年3月よりプロ契約と共にルイビル・シティFCに加入すると、初挑戦となったUSLチャンピオンシップ(アメリカ2部)では、4試合での先発出場を含む10試合(403分)に出場した。新たな2021年シーズンが始まると、ルイビル・シティでも中心選手として定着しており、第21節を終えた時点で 18試合/2得点/7アシスト という好成績を収めている。
代表歴
U12ではアメリカのフットサル代表としてもプレーした彼だが、先述の背景もあるようにメキシコ代表を選択できる権利を持っている。2019年はまさしくその両方からアプローチを受けた時期であり、8月にノルディックカップに臨むためのメキシコU16に招集された一方、11月にはアメリカU16でもプレーするといった内容であった。それでも比重は生まれ故郷のアメリカに傾いており、2021年のゴールドカップでは予備リスト60名で唯一2部リーグから選出される評価で選出されている。
#U16 | 📝😎
This is the roster called up by our HC Alberto Rodriguez, to face the Nordic Cup in 🇩🇰!! 🇲🇽💪🏽#PasiónyOrgullo | #FMFporNuestroFútbol pic.twitter.com/z3Pkmc8rzF
— Mexican National Team (@miseleccionmxEN) August 1, 2019
移籍の噂
ルイビル・シティFCとは2021年11月末までの契約を残しているが、18歳となった現在はヨーロッパへの移籍に向けて動いているなど、クラブ公認で移籍が実現する見通しだ。2021年のオフシーズンにはFCミッティラン(デンマーク)とスポルティング、FCポルト(ポルトガル)、フライブルク、ブレーメン(ドイツ)のトライアルを受けており、現在はレアル・ソシエダ(スペイン)の加入が最も近づいている。ソシエダとしてもセグンダ・ディビシオン(スペイン2部)に昇格したチームの戦力を充実させるために適した人材として評価しているようだ。
プレースタイル
左サイドバックを主戦場とする彼はウィンガー顔負けの推進力を持った選手であり、爆発的なスピードを持っているわけではないが快適な足下の技術で深い位置まで侵入することができる。クロスボールの質も見事であり、彼にオープンスペースを与えた場合は命取りとなるだろう。アグレッシブなタックルを含めた冷静な対応力にて、1vs1の地上戦ではそう簡単には負けないディフェンス力も持っているため、守備の面でも安心できる存在だ。とはいえ、現時点ではアメリカ2部の舞台での出来事に過ぎないため、よりインテンシティの高い場所でのプレーに適応できるのかが課題だろう。現時点ではヨーロッパへの移籍が実現した場合でも、トップチームの即戦力とはなりづらい見通しだ。