ダミアン・ピサーロ

選手紹介
名前ダミアン・ピサーロ(Damián Pizarro)
生年月日2005年3月28日
国籍/出身チリサンティアゴ)
身長187cm
ポジションCF
所属CSDコロコロ

底知れないポテンシャルを秘めたマクルのハーランド

プレー動画

経歴

■2005-2020年(幼年期~ウニベルシダ・デ・チレ)

南米有数の世界都市として知られているチリの首都サンティアゴで生まれ育った彼は、国内の名門クラブである『クルブ・ウニベルシダ・デ・チレ』の下部組織にてアカデミー時代を過ごしていた。2005年生まれの有望な選手に数えられていたが、思春期に見られるような反抗的な態度が問題視されていた過去を持っており、やや扱いづらい選手であったことが伝えられている。

そんなウニベルシダ・デ・チレと袂を分かつ決定打となったのが、アルゼンチンで開催された国際的なトーナメントでの出来事であり、出場予定ながらも遠征メンバーから外されたことがピサーロ家と大きな溝を生み出すきっかけとなっていた。彼の父親は激怒しクラブに説明を求めるも、クラブは怪我が原因と説明していたが息子を最も近くで見ている親としては納得することができず、新しいクラブを探すことを決断したという。

こうした決断後に行なわれたのが、U15カテゴリにおける『CSDコロコロ』との対戦であり、同試合ではコロコロのディフェンダーを引きずってプレーするほどの力強さを見せながら2ゴールを奪取。試合後には前出の事情を知っていた関係者がコロコロに対して「彼が新たなチャンスを得たいと考えている。」と助言し、この試合後を機にコロコロの下部組織に移籍することが決定した。

■2020-2023年(コロコロ)

15歳で入団後、コロコロでも少し反抗的な態度は見られていたが、コロコロのトレーニングセンターである「カーサ・アルバ」への入寮により改善し、初年度はCOVID-19の影響で活動は制限されるも、翌2021年シーズンには16歳でコロコロのU18カテゴリに昇格。活動が再開されたユースリーグでも印象的な活躍を残していたことで、2021年10月に行なわれたプリメーラ・ディビシオン(チリ1部)第29節のアウダックス・イタリアーノ戦ではクラブ史上3番目の若さ(16歳7ヶ月0日)でトップデビューを達成している。

同試合はトップチームにおいてCOVID-19が蔓延していたことからユース選手が代理として出場する必要があり、こうした背景もありながらスターティングメンバーにて彼は1トップのタスクを課されていた。試合には当然ながら敗れるも、ファンやメディアからは勇敢な挑戦を高く評価されており、経験豊富な相手ディフェンダーに怯むことなく個性を発揮していた彼の名前は多く挙げられていた。

 

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特殊な形でのデビュー後は再びユースカテゴリに戻るも、2年後の2023年シーズンに満を持してトップチームへの介入がスタート。2年ぶりにトップカテゴリの舞台に立ったCDコブレサル戦では途中出場から試合終了間際に初ゴールを奪うなど、期待に結果で応えた彼を指揮官であるグスタボ・キンテロスは信頼するようになっていた。翌節からは先発出場による起用が継続されており、リベルタドーレスなどの国際的な舞台を経験しながら現時点で22試合2得点5アシストの成績を残しているところだ。

代表歴

2021年12月にチリU17でのトレーニングキャンプに参加した彼は、翌月の2022年1月末には南米予選を控えたフル代表のトレーニングメンバーに参加している。2023年5月にはフル代表監督であるエドゥアルド・ベリッソから視察されるも、現時点ではフル代表入りは実現しておらず、こうした判断をチリ代表であるアレクサンデル・アラベーナは彼も招集されるべきだとインタビューにて答えていた。

移籍の噂

コロコロとは2025年6月末までの契約を残しているが、既に欧州からの関心は伝えられており、ワトフォードFC(イングランド)やロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ(ベルギー)といった若手選手の発掘に力を注いでいるクラブが動いている。コロコロとしてはシーズン終了まで残留させることを望んでいるも、反論の余地もないような魅了的なオファーが届く場合は仕方がないと捉えているようだ。

プレースタイル

幼少期から周囲の少年らと異なる体躯を持っていた彼は、現在では187cmにまで到達しているなどフィジカルを武器に最前線で貢献するセンターフォワードだ。急激な成長期ではなく常に自身がターゲットとなる役割を担っていたことから、こうしたポストプレーなど体を張った献身性は特徴の一つだ。相手をブロックしながら強引にゴール前まで迫る推進力、非凡なテクニックとパスセンスも備えている。また、パワーだけでなくストライド(歩幅)の大きさを活かしたトップスピードも武器だろう。

トップチームに介入する前の2023年始めの頃は、クラブの栄養士から改善を指摘されるほどのフィジカルバランスであったが、与えられたチャンスをモノにするために脂肪を大幅に減らして筋肉量を増大させることに成功するなど、ストイックなエピソードも持っている。一部からは出身地とあわせて「マクルのハーランド」というニックネームでも呼ばれている。現時点では荒削りな才能であるが、底知れないポテンシャルを持っている選手だ。

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