アンスガー・クナウフ

名前アンスガー・クナウフ(Ansgar Knauff)
生年月日2002年1月10日
国籍/出身ドイツゲッティンゲン)
身長180cm
ポジションWG
所属ボルシア・ドルトムント

ドルトムントの窮地を救う積極性のある若き高速ドリブラー

プレー動画          

経歴             

■2002-2015年(幼年期~SVGゲッティンゲン)

ドイツ連邦の中央に位置した都市であるゲッティンゲンに生まれた彼は、父親がガーナ人でありガーナにルーツを持っている。ただし、彼はシングルマザーである母親と共にドイツで生活していたとされている。彼がサッカーを始めるきっかけとなったのは、2006年に自国ドイツで開催されたFIFAワールドカップであり、テレビの前で観戦したところから将来の夢が固まっていたという。当時4歳ながら地元のSVGゲッティンゲン07に加入すると、最年少カテゴリとなるG-ユーゲント(通称:バンビーニ)からキャリアをスタートさせた。

SVGゲッティンゲンではヘルゲ・カール監督の下でトレーニングを行っており、同クラブのアカデミー責任者であるシュミット・レームクール氏は「彼の年齢では攻撃でも守備でも非常に完成されていた」と幼い頃から並外れた才能を持っていたことを覚えていると語っている。そんな彼はドイツの自動車メーカーであるオペル(Opel)とドイツ紙Kickerが共同開催しているオペル・ファミリー・カップの2014年大会に出場しており、これまでに1,000を超えるチームと約15,000人の選手が参加した大会において、12歳の彼は大会のベストプレーヤーに選出。閉会式ではオペルが支援しているドルトムントを当時指揮していたユルゲン・クロップから表彰されるなど彼のサッカー人生において大きな出来事のひとつとなっている。

 
 
 
 
 
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※大会の公式動画では彼とクロップのツーショットがしっかり記録されている!

この大会での活躍からユルゲン・クロップは彼にドルトムントに加入することを勧めており、実際にトライアルに招待しクラブから正式オファーが届くも、地元のゲッティンゲンから200km以上離れたドルトムントに通うことは難しく、このタイミングでの移籍は実現しなかった。最終的にSVGゲッティンゲンでは2006年に加入してから8年間在籍しており、G-ユーゲントから始まった少年はD-ユーゲント(U12/U13)でプレーした後、最初のクラブ生活を終えている。

■2015-2016年(ハノーファー)

ドルトムント以外にもバイエルン・ミュンヘンといった国内クラブからアプローチを受けており、ほとんどのチームにゲストプレーヤーとして招かれていた彼は常に相手ディフェンダーを棒立ちにさせるぐらいの差を見せていたという。そのため彼が選択できるクラブは多く、どこでも望めば加入できるような状況であったが、シングルマザーである母親の負担や彼自身が基幹学校(Hauptschule)を卒業することも考え、ゲッティンゲンから近い距離に位置するハノーファー96に移籍することを選択。ハノーファーには2015年夏に加入しているが、引き続きドルトムントが接触していたこともあり、1年後の2016年夏にドルトムントに移籍した。

■2016-2021年(ボルシア・ドルトムント)

2年越しに加入が実現したドルトムントでは親元を離れての宿舎生活を始めており、そこでトレーニングに励みながら学校に通い基幹学校を無事に卒業。彼がドルトムントに加入した際の同期はザンクトパウリから加入したユスファ・ムココであり、ムココは年齢が下にもかかわらず一緒のカテゴリでプレーするような神童であったため、多くの期間を一緒に過ごしている。そのため初年度に加入したドルトムントU15から才能を持っていることを証明していたが、それ以上にインパクトのある圧倒的な得点力を持っていたムココの引き立て役のように捉えられることも多く、影で攻撃陣を支えるような存在であった。

2018/19シーズンはドルトムントU17に昇格し、スターターとサブを行き来するなかでB-ユニオーレン・ブンデスリーガ(ドイツU17リーグ)のレギュラーラウンドでは20試合で2得点7アシストを記録しリーグ優勝に貢献。その後の彼が序列を上げることになったのはファイナルラウンドであり、準決勝のヴォルフスブルクU17戦では2試合で1得点3アシスト、決勝戦ではヤン・ティールマンが牽引する1.FCケルンU17戦では敗れはするも彼は1得点を記録しているためシーズン後半に評価を高めることとなった。

翌2019/20シーズンは17歳ながらドルトムントU19に昇格しており、ここでもまたムココが大暴れ(20試合34得点9アシスト)するも彼自身としてはA-ユニオーレン・ブンデスリーガ(ドイツU19リーグ)では18試合5得点7アシストの成績を収めている。新型コロナウイルス感染症の影響でシーズンは中断されるも、再開を控えた時期からトップチームのトレーニングに参加しており「みんな親切だった」と語るように大きなインスピレーションをもらったという。そのため、2020/21シーズンはレギオナルリーガ(ドイツ4部)に所属するドルトムントⅡ(リザーブ)から始まっており、2020年12月からの5試合連続得点を含めた22試合7得点6アシストと、シニアカテゴリでも通用することを証明。

2020年12月8日に行われたUEFAチャンピオンズリーグのゼニト・サンクトペテルブルク(ロシア)戦でトップデビューを果たすと、前指揮官のリュシアン・ファブレからエディン・テルジッチに代わってからも招集は続いていた。ジェイドン・サンチョを始めとするトップ選手に離脱者が相次いだことで、2021年3月下旬から出場機会が急増。ブンデスリーガ(ドイツ1部)でのデビューとなる第26節の1.FCケルン戦では後半35分からの出場であったが、試合終了間際にアーリング・ブラウト・ホーランドの同点弾をアシストすると、第28節のVfBシュトゥットガルト戦では再び途中出場から初得点となる逆転弾を奪うなど一躍ヒーローとなっている。

代表歴            

2020年9月にクリスティアン・ヴェアンスが率いるドイツU19でのデビューを飾っている。それ以外での際立った世代別代表での活動歴は見られていない。

移籍の噂           

ドルトムントとは新たに2023年6月末までの契約延長を交わしており、現在の環境を活かしながらトップチームに定着することが目標となっている。2021年4月8日にはドルトムントのゼネラルマネージャー(GM)であるミヒャエル・ツォルクも彼が今だけのゲストでないことを語っており、ローンではなくドルトムントのトップチームでプレーさせ続けることを示唆している。それでも彼にとってユルゲン・クロップは特別な存在であることも伺えるため、クロップの指導下でプレーしたい気持ちがある可能性も少しは考えられるはずだ。

プレースタイル        

ジェイドン・サンチョと比較されるようにトップスピードでも快適にボールを扱えるドリブルを中心としたテクニックを武器としている。彼を指導してきたコーチは口を揃えて同様の評価をしていることに加え、現在はさらにゲームに対する理解力がピックアップされており、ドリブラーらしさのある1vs1での勝負心を有しながらも裏では冷静に状況を判断できるインテリジェンスは彼がトップチームに適応できる要因のひとつだろう。当然のようにフィジカルコンタクトや強度の高いプレーを90分を通して行うといった能力の部分では改善が必要だとされているが、さらなる若い力でトップチームに勢いをもたらすことは既に証明されているため、クオリティは一級品だ。