アレホ・ベリス

選手紹介
名前アレホ・ベリス(Alejo Véliz)
生年月日2003年9月19日
国籍/出身アルゼンチンゲーデケン)
身長187cm
ポジションCF
所属CAロサリオ・セントラル

地域リーグの無名な存在から引き上げられた伝統的なNo.9

プレー動画

経歴

■2003-2019年(幼年期~UDC)

1880年代にドイツ人のヨハン・ゲーデケンによって開拓され、敬意を表して名付けられたアルゼンチン・サンタフェ州のゲーデケンにて幼少期を彼は過ごしている。2000人未満が住んでいる小さな町であるが、1970~80年代にアルゼンチンやフランスリーグで活躍したオスカー・トロッセロやラツィオ、ジェノアでプレーしたサンティアゴ・ヘンティレッティを輩出しているような地域であった。家族はレンガ職人の父親セルヒオと母親のアンドレアに加え、彼を含めた3兄弟の構成となっている。

3歳で地元の「MCSDゲーデケン」にてベビーサッカーを始めているが、6歳になると家庭の都合でアルゼンチン最東端のベルナルド・デ・イリゴエンに移住。隣国ブラジルの国境沿いにある重要都市であるため、これまでよりも都会的な生活になりながら次なるクラブとして所属したのが「ウニオン・デポルティーヴァ・イ・カルチュラル(通称:UDC)」であった。UDCのユースカテゴリを通過していた彼だが、16歳になると土曜日をUDC、日曜日には故郷のクラブであるゲーデケンでプレーする二刀流の生活を送っており、幼い頃から夢見ていたゲーデケンのトップチームに呼ばれたときは感慨深いものがあったという。ゲーデケンの主戦場はリザーブであったが、UDCのユースカテゴリでは2019年シーズンを26得点、ゲーデケンのリザーブチームでは10得点を記録している。

2019年末に親戚と友人のコネクションによりサンタフェ州を代表する「CAロサリオ・セントラル」のトライアルを受ける機会を得ると、そこで高評価を得たことで入団に必要な書類を準備するまでに進行。しかし、いざ書類を提出しようとすると、ロサリオ・セントラルにおいて所属するカテゴリの指揮官に変更があったことで、新監督の前でもう一度承認を得る必要があったという。こうした一手間がありながらも無事に認められたことで、2020年の年始めに入団が実現した。

■2020-2023年(ロサリオ・セントラル)

ロサリオ・セントラルと契約したものの、社会的にはCOVID-19によるパンデミックが訪れており、プレシーズン期間のみの消化で公式戦でのデビューをすることなくコンペティションが中断。そこで彼は16歳~17歳で初めて本格的な指導を受けるという成長の遅れなどを不安に感じるなど、自分自身を見つめ直す時間が続いていた。そこから本格的に活動を再開したのは2021年になってからであり、2月にキンタ・ディビシオン(U18)の試合に出場することで公式戦デビューをようやく飾っている。

1ヶ月後の2021年3月には、アドリアン・デソッティが率いるリザーブチームでのデビューも飾っており、そこでは後半12分からの途中出場ながらハットトリックを決めて勝利に貢献。前述の環境も重なりほとんどの人が彼のことを認識していなかったが、ライブ配信で視聴することができたため、この試合がターニングポイントとなり徐々に注目されていた。この事象はクラブ内でも起きており、4月には初めてトップチームのトレーニングにも参加したという。

 

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コパ・スダメリカーナのサン・ロレンソ戦で背番号「50」を与えられベンチ入りを果たし、同大会のベスト16ラウンドとなったデポルティーボ・タチラ(ベネズエラ)戦で念願のトップデビューを達成。その後は開幕したプリメーラ・ディビシオン(アルゼンチン1部)の試合にも出場しているが、2021年シーズンは5試合(36分)の出場に留まっている。本格的に出場機会を得ることになったのは2022年に入ってからであり、2022年4月のリーグカップから試されると、CAウラカンとエストゥディアンテスデ・ラ・プラタ戦で立て続けの得点を記録。リーグ戦に入るとセンターフォワードのファーストチョイスまで序列を上げ、同シーズンは結果的に34試合で8得点の成績を収めている。

代表歴

2021年10月にフェルナンド・バティスタが当時率いていたアルゼンチンU20に招集されており、現在もアルゼンチンU20の選手として活動している。2023年1月に開催されたU20南米選手権では全試合に出場するも得点を決めることもなく、1次グループで敗退という悔しい経験も味わった。

移籍の噂

ロサリオ・セントラルとの契約は2025年12月末まで残しており、2023年シーズンは背番号「9」を与えられる待遇でクラブからも重要な存在として扱われている。そんな彼に関心を示しているクラブの多くはイタリアであり、フィオレンティーナやレッチェ、サッスオーロ、ボローニャ、サレルニターナなど若い才能の発掘に積極的なクラブの名前が挙がっている。

UDCでプレーしていた14~15歳頃には、彼と思わしきSNSアカウントによってリーベル・プレートの大ファンであることを表現しているなど、憧れのクラブであることは間違いないだろう。レオナルド・ポンシオやルーカス・アラリオも憧れだ。

プレースタイル

正真正銘のNo.9タイプのストライカーであり、187cmからなる恵まれたフィジカルを武器に最前線で身体を張れる逸材だ。相手を背負いながらの難しい体勢からでも貪欲にゴールを狙い、セットプレーにおいてもターゲットとなりヘディングでの得点も多いが、逆足の左足での得点は少なく改善点として挙げることができる。当然だがクラブではポストプレーヤーとして前線で時間を作る動きも担っており、明確に求められることを遂行している。クラシカルなセンターフォワード像であるため、年齢を重ねることで選手としての味が出てくることに期待できるだろう。そんな彼の性格面については、母親のアンドレアは謙虚で控えめな息子であることを語っている。プライベートでは16歳差で誕生した妹を溺愛するお兄ちゃんだ。

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