名前 | アブダラー・シマ(Abdallah Sima) |
---|---|
生年月日 | 2001年6月17日 |
国籍/出身 | セネガル |
身長 | 188cm |
ポジション | CF/WG |
所属 | スラヴィア・プラハ |
フランス11部から這い上がったセネガルのシンデレラ
プレー動画
経歴
■2001-2020年(幼年期~トノン・エヴィアン)
セネガルで生まれ育った彼は、国内では名の知られた存在ではなく至って平凡な選手であった。そんな彼がヨーロッパに渡ることになったのは、2016年に経営破綻したエヴィアンFC(現:トノン・エヴィアンFC)を再建したパトリック・トロティニョンがセネガルに人材募集をかけたことがきっかけであった。複数人のセネガル人選手のなかに彼の名前も挙がってており、プロフィールとしても注目を集めていたが、18歳になるまでは国外移籍することが出来なかったため正式に加入したのは2019年の秋頃となっている。
晴れてトノン・エヴィアンの一員としてフランスでの挑戦が始まった彼だが、移籍期間外の加入であり追加登録が認められていた枠が既に埋まっていたため、彼はトノン・エヴィアンのトップチームでのプレーには間に合っていなかった(当時のトップチームはフランス6部)。では彼がどこでプレーしていたのかというと、リザーブチームが所属していたオート=サヴォワ県の地域リーグ、それも2部であり(フランス11部リーグ相当)初めてのヨーロッパでのプレーは思うようなスタートにはならなかった。
それでも腐ることはなく真摯に取り組んでいたが、トノン・エヴィアンのトップチームではカップ戦にて数試合に出場したのみであり、わずか数ヶ月間のプレーであったがクラブは彼を手放すことを決定。チェコで働いているエージェントを紹介されたことで新たなクラブ探しが始まった。
■2020年(ターボルスコ~スラヴィア・プラハ)
チェコではいくつかのクラブのテストを経て、FC MASターボルスコ(チェコ3部)との契約に漕ぎ付けるも、2試合に出場した後にCOVID-19の影響でリーグが中断したため、またしても我慢の時期を過ごしていた。しかし、その数試合のなかにスラヴィア・プラハとの対戦した試合があり、そこでのパフォーマンスが強い印象を残したことで、スラヴィア・プラハのBチームに加入するための入団テストの機会が与えられたのだ。
10日間のテストの末に入団基準を満たしていることが認められると、シーズン途中であったがターボルスコも快く送り出し(移籍金の面からも)、2020年7月にリーグ王者であるスラヴィア・プラハに移籍することが決定した。少なくとも1年間はBチームでプレーすることが既定路線であった彼は、CFL(チェコ3部)の開幕戦からBチームを牽引し、デビューからの5試合で4得点という好成績を見せていた。
Bチームの戦力として換算していた彼の想定外の活躍により、スラヴィア・プラハは彼をトップチームに呼び寄せ、2020年9月に行われたフォルトゥナ・リーガ(チェコ1部)第5節の1.FCスロヴァコ戦では念願のトップリーグデビューの機会を与えていた。彼の躍進はそれだけに留まらず、2020年11月のUEFAヨーロッパリーグではOGCニース(フランス)を相手に得点を奪っており、11月から現在にかけての8試合で7得点という驚異的なペースで結果を残すなど、一気に評価を急上昇させる要因となった。
代表歴
セネガル国内でも無名に等しい存在であるため、代表歴は持っていない。
移籍の噂
スラヴィア・プラハとは現行の契約期間として2023年6月末までを残しているが、さらに2年間の更新オプションを交わしているとされている。現状では目立った移籍の噂は報じられていないが、このシンデレラストーリーの一部として彼を獲得しようと動くクラブが出ても不思議ではないだろう。
プレースタイル
エリート街道を歩んでいない勤勉な選手である彼は、ティエリ・アンリを彷彿とさせるテクニックとスピードを併せ持ち、エレガントさと野性的な両面のスタイルでゴールを量産するストライカーだ。188cmと物理的な構造にも優れているため、センターフォワードとしてこれまではプレーしていたが、スラヴィア・プラハでは持ち前のスピードと身体能力を活かすためにウィンガー兼ストライカーという役割を見出しブレイクを果たしている。