名前 | ケイレブ・ワイリー(Caleb Wiley) |
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生年月日 | 2004年12月22日 |
国籍/出身 | アメリカ(アトランタ) |
身長 | 178cm |
ポジション | LSB/LWG |
所属 | アトランタ・ユナイテッドFC |
※Calebはカレブやキャレブ、Wileyはウィリーとも表記されるだろう
クラブの歴史と共に歩みを続けるアトランタの希望
プレー動画
経歴
■2004-2016年(幼年期~
アメリカ合衆国のジョージア州北西部で栄えるアトランタ(モーニングサイド地区)に生まれ育った彼は、3歳の頃よりボールを蹴り始めている。父親のクリスは高校レベルでサッカーをしており、現在はアトランタ市内に3店舗を構えるピザ屋「Oz Pizza」を経営する傍らで、店舗の横にサッカーフィールドを設置するなど地域のサッカーコミュニティに貢献している人物だ。
小学校ではサッカーの他にも野球やバスケ、アメフト、ラクロスなども楽しんでいたが、4年生になるとサッカーに集中することを選択し、地域の育成機関である『Decatur-DeKalb Y Soccer Club(通称:DDYSC)』で能力を伸ばしながら成長。11歳になると新興クラブである『アトランタ・ユナイテッドFC』がMLS(アメリカ1部)への参入に向けたアカデミーの新設が行われており、地域のサッカー少年が必然的にセレクションへの挑戦を試みるなかで、約200人の中から見事に合格を勝ち取ったことでアトランタ・ユナイテッドのアカデミー1期生としての入団が決定した。
■2016-2023年(アトランタ・ユナイテッド)
アトランタ・ユナイテッドではU12部門から始まり、順調な活躍によって当時15歳ながらリザーブチームへと昇格。2020年7月に行われたUSLチャンピオンシップ(アメリカ2部)でシニアデビューを飾り、出場した11試合の全てにおいて先発起用されるなど有望な才能として高い評価を彼は得ていた。2021年シーズンにはリザーブの主力選手として22試合で2アシストを記録し、シーズン終了後にはクラブとのホームグロウン契約を交わしたことで念願であったトップチームへの挑戦権を手にしている。
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トップチームを率いるゴンサロ・ピネダの下でメキシコでのトレーニングキャンプに帯同すると、MLSの開幕節となったスポルティング・カンザスシティ戦の後半35分に出場機会が訪れ、クラブ史上3番目の若さとなる17歳2ヶ月4日でのデビューを達成。このデビューだけでも快挙とされるなか、試合終了間際に勝利を決定づける初ゴールまで奪っており、この試合をスタジアムで観戦していた父クリスが感極まるなどワイリー家にとって忘れられない思い出の日となった。
デビューシーズンである2022年の出場機会は限られると予想されていたが、生え抜きであるジョージ・ベロの退団やアンドリュー・ガットマンの負傷などにより夏以降は先発出場も増え始め、結果的に初年度を26試合(1501分)1得点1アシストの成績で終えている。新たな2023年シーズンではガットマンとの併起用で攻撃的なポジションに活路を見出すと、第3節のシャーロットFC戦で2得点1アシスト、第4節のポートランド・ティンバーズを相手には1得点1アシストとMLSでも有数の存在として評価を急上昇させているところだ。
代表歴
COVID-19のパンデミック前となる2020年2月に15歳でアメリカU17でのデビューを飾っており、翌年の2021年11月には16歳ながら飛び級でアメリカU20の試合にも出場。本来であればU20ワールドカップとパリオリンピックの出場権がかかったCONCACAF U20チャンピオンシップに出場すると思われていたが、クラブは許可せず優勝の瞬間を分かち合うことは出来ない状況であった。
それでもU20ワールドカップへの出場意欲は高く、U20のメンバーとは常に電話で連絡を取り合うなどクラブに認めてくれるよう願うと、その願いが通じU20ワールドカップの本大会メンバーに招集されることが決定した。また、2023年4月には国内組で構成されたフル代表に初招集を受け、メキシコとの親善試合でフル代表デビューも飾っている。
移籍の噂
アトランタ・ユナイテッドとは2025年12月末までの契約を残しており、さらに1年間の更新オプションが設定されている。現時点で移籍に関する報道はないが、間違いなく注目株となることだろう。
プレースタイル
4-2-3-1の左サイドハーフ、4-3-3の左ウィングとしての起用が目立っている彼だが、特徴を総合的に判断すると主戦場となるのは左サイドバックであることが考えられる。18歳と年齢的には若いがゲーム内で起きることへの順応性や理解度が高く、常に冷静に状況を俯瞰しながら最適解を選択できるような選手だ。守備においてはアグレッシブで粘り強い対人戦に長けており、豊富な運動量でフルタイムを通して集中を切らすことなく安定感を与えている。
1列前で起用されるため単独での打開力に定評があると思いきや、1vs1の状況で仕掛けることは避ける傾向にあり、基本的にはスペースに対してボールを推進させることや周囲の味方と連動した崩しを好んでいる。そのため、背後のスペースに対して積極的なアクションを行いながらクロッサーとしての役割を遂行し、ウィングではカウンターアタックの発動時にいち早く切り替えながら逆サイドを駆け上がり、フリーの状態でボールを受けることでしっかり得点に結びつけることを得意とする。また、その決定力にもストライカーさながらも冷静さを持つほどだ。
一方でファーストタッチの質が高いことは評価できるも、それはオープンスペースで余裕のあるシーンであり、狭いスペース内でのアイデアは改善の余地があると思われる。ほとんどはプレッシングが届く前に完結させるが、連動した守備の前で捕まり始めると打つ手がなくなることもあるため、テクニックの面では強化が必要だろう。