名前 | ジャン・ヴィポトニク(Žan Vipotnik) |
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生年月日 | 2002年3月18日 |
国籍/出身 | スロベニア(スロヴェンスケ・コニツェ) |
身長 | 185cm |
ポジション | CF |
所属 | NKマリボル |
期待に応え開花したマリボルの新たなゴールハンター
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経歴
■2002-2014(幼年期~ドラヴィニャ)
彼はスロベニア北東部にて中世ヨーロッパの古き良き街並みが残るスロヴェンスケ・コニツェの出身であり、地元の『NDドラヴィニャ』にて基礎技術を培っていた。11歳になると、両親のサポートによって恩師となるミロミル・コンジッチ(愛称はミキ)と出会っており、クラブ活動だけでなく同氏からのパーソナル・トレーニングも行われながら成長を続けていたという。そんなミキは数回のセッションを経た上で彼の才能が明らかであったことを回想し、出会いから1年にも満たない段階でNKマリボルとの関係性を構築するよう働きかけており、結果的にこの行動が彼のキャリアを成功に導くことになっている。
こうした動きが秘密裏で行われていたなかで、所属していたドラヴィニャでは2014年8月に12歳ながらU15リーグでの出場を達成。飛び級でのプレーを実現させるなど新シーズンでの飛躍が期待されるなか、2014/15シーズンの移籍市場が閉じる直前(8月最終週)にマリボルからトライアルを受けるよう招待状が届いていた。そこで元スロベニア代表のアミール・カリッチや当時のユースコーチであったラドバン・カラノヴィッチに見定められ、無事にスロベニアの名門クラブである『NKマリボル』に12歳で加入している。
■2014-2023年(マリボル~ゴリツァ)
マリボルへの移籍後もミキは良き相談相手として家族ぐるみの付き合いが続けられており、ミキがリュブリャナを活動の拠点とする場合でも互いが住む場所へ訪れるなどクラブ外ながらキャリアを支えていた。多くの才能がひしめくマリボルではU15カテゴリに即座に組み込まれることはなく、地に足が着いた場所でじっくりと育成されながら、本格的に存在が知れ渡ることになったのは14歳となった2016/17シーズンのことであった。
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そんな2016/17シーズンでは、U15リーグにて脅威の26試合58ゴールを記録(3試合を除いた全試合で得点)する活躍で周囲を騒がせると、シーズン途中には15歳でU17リーグに出場。翌年からマリボルU17に昇格し、U17カテゴリでは2シーズン合計で49試合53得点と勢いが止まることなくスロベニアのユースカテゴリで恐れられる絶対的なストライカーとして席巻していたという。17歳になった彼は2019/20シーズンよりマリボルU19に昇格し、COVID-19の影響で中断となるまでの16試合で15得点をU19リーグでも奪ってみせるほどであった。
2020/21シーズンではU19リーグの開幕8試合で16得点と手がつけられなくなり、過去5シーズンで105試合145得点を奪う才能の扱いに困っていたマリボルは、2021年1月の移籍市場にてトップデビュー前ながら同じ1.SNL(スロベニア1部)に属する『NDゴリツァ』に期限付き移籍にて貸し出すことを決断。シーズン途中からプロの舞台に上り詰めた彼は、2021年2月のNKブラヴォ戦にてリーグデビューを飾り、そのまあシーズン終了までの全17試合に出場していた。これまで過ごしていた環境とは全く異なるものであったことから初のプロステージで挙げた得点は再び対戦したNKブラヴォで記録した1得点のみとなっている。
■2021-2023年(トリグラフ・クラーニ~マリボル)
ゴリツァでの武者修行を経た2021/22シーズンではシモン・ロジュマンが率いるマリボルのトップチームに復帰し、開幕戦となったNKツェリエ戦で愛するクラブでのトップデビューを飾るなど順調な滑り出しであった。そこから7試合連続で出場する待遇を与えられていたが、一方でタイトルが絶対であるクラブは苦戦を強いられており、途中加入のオグニェン・ムドリンスキがワントップの座に君臨するとともに彼の出場時間は限られるようになっていた。
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2021年9月からの約3ヶ月間でわずか26分間の出場に留まっていたこともあり、2022年冬の移籍市場にて2.SNL(スロベニア2部)から昇格を狙う『NKトリグラフ・クラーニ』に期限付きでの加入が決定。1つカテゴリを落とすことで出場時間を得られるようになると、デビュー2試合目での初得点とその後にハットトリックを含めた5試合連続得点にてチームの得点源となりながら12試合で9得点3アシストと大きな爪痕を残すことに成功している。彼の活躍もありNKターボル・セジャーナとの入れ替え戦の権利を手にしたが、惜しくも敗れ昇格の目標は達成できていないが個人での成長は明らかであった。
2部リーグで自信をつけマリボルに再び復帰しているが、新たな2022/23シーズンでもマリボルは開幕5試合で4敗と難しい状況が続いており、彼自身も不安定なチームと同様に開幕から3ヶ月は大きな活躍を見せることなく過ごしていた。このままシーズンを終えると思われていた矢先、第15節のNKツェリエ戦でのゴールがきっかけで彼のスイッチが入ると、そこからの10試合のすべてでゴールに関与する14得点1アシストを記録。急に求められていた得点力をマリボルでも発揮し始め、現時点でリーグの得点ランキングトップとなる20得点の大台に乗るなどユースカテゴリで恐れられた怪物っぷりを見せているところだ。
代表歴
当然ながらスロベニアの世代別代表にはU15カテゴリから常に名を連ねている。ただし、代表におけるエースストライカーは1歳下のベンヤミン・シェシュコ(2003年生)が担っており、彼は第2・第3の立ち位置であった。そこからCOVID-19の影響でコンペティションが中止となりリセットされると、2022年11月にはスロベニアU21に招集。さらに2023年3月にはカザフスタン代表との試合でフル代表デビューを飾り、そこで初ゴールも奪うなどシェシュコと共にスロベニアの未来になれることを証明している。
移籍の噂
NKマリボルとは2024年5月末までの契約を残しており、残り1年となる2023年夏の移籍市場での動向に注目が集まっている。マリボルは400万ユーロを基準に交渉に応じる構えであり、いくつかのクラブから問い合わせが届いている状況だ。ボルシア・メンヒェングラートバッハ(ドイツ)やアンデルレヒト、クラブ・ブルッヘ(ベルギー)、フェイエノールト(オランダ)、ディナモ・ザグレブ(クロアチア)といった名前が現時点で報じられるなど、ステップアップも時間の問題となっている。
プレースタイル
185cm/81kgのフィジカルとこれまでの数字が物語るように本格派のNo.9として貪欲に得点を狙うストライカーだ。得点のためのスペースを必要とせず、ボックス内での駆け引きや嗅覚によって常にゴールを奪うための正しいポジショニングを遂行するようなシンプルかつ難しいアクションを行うことができる。最前線に張り続けるのではなく1列下がった位置でフリーになり、DFの死角からボックス内に侵入する動きも得意とするほか、利き足である右足でのシュートセンスには自信をのぞかせており、角度が少なくてもファーサイドを狙えることからあえて右のハーフスペースでボールを受けることも好む。セットプレーでも一定の強さを誇るなど柔軟な動きでゴールを狙い続けるゴールハンターだ。
小ネタ
同じくスロベニアの有望株であるスヴィット・セシュラル(2002年生)とはスロヴェンスケ・コニツェでの小学生時代からの友人関係にある。