名前 | マティス・テル(Mathys Tel) |
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生年月日 | 2005年4月27日 |
国籍/出身 | フランス(サルセル) |
身長 | 183cm |
ポジション | CF/WG |
所属 | FCバイエルン・ミュンヘン |
バイエルンが射止めたフランスのスピードスター
プレー動画
経歴
■2005-2020年(幼年期~モンルージュ)
フランスの首都パリから約15kmの距離に位置するヴァル=ドワーズ県のサルセル。リヤド・マフレズ、ウィサム・ベン・イェデルなどのアフリカン・ルーツの選手も育ってきたこの街にてマティス・テルも誕生している。
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クラブキャリアを歩み始めたのは隣町にある『FCヴィリエ=ル=ベル』であり、6歳から所属すると当時からただならぬ可能性を感じさせていたという。最初のコーチであるエリック・カンパナー氏は彼が他の子よりも体格面やボールタッチの技術でも際立っていたことから才能に惚れ込むと、彼をセンターバックとして育成するプランを選んでいる。
11歳となった2016年9月よりパリを代表する『パリFC』の下部組織に加入するも、短期間(11ヶ月)で去っており、『ジュネス・オーベルビリエAS(通称:Asja)』に入団。ここでもディフェンダーであった彼は、フランスのサッカー少年が夢見るINFクレールフォンテーヌ(育成機関)に参加するため2018年2月より挑戦すると、計3回に及んだセレクションの成果として2018/19シーズンの合格者に選ばれていた。
Voici la liste des joueurs qui vont intégrer l’INF Clairefontaine à la rentrée 2018-2019. pic.twitter.com/sFQzdvLfdO
— EspoirsduFootball (@EspoirsduFoot) May 10, 2018
初年度から印象的なパフォーマンス(最終的にイル=ド=フランス地域圏の優秀選手を表彰するパナメフットの2005年部門で受賞)を見せ、プレフォルマシオン(13~15歳)で過ごすことが当然の流れかと思われていたが、2019年9月を持って退団することを決断。この決断に対して過去の関係者から疑問の声が上がるのは至極当然であったが、彼はこの半年間に『モンルージュFC92』の2003年カテゴリでのトレーニングを行っており、早期での挑戦を視野に入れた決意であった。
モンルージュには車で往復60kmの距離を両親のサポートによって休まず通い続け、2歳年上の少年らと比べても勤勉で模範的な存在であったと当時の指揮官であるトーマス・ベルルット氏も回想。このモンルージュでの経験が彼を成長させており、現在のフォワードにコンバートされたのもここであった。ベルルット氏はセンターバックとして彼が優秀であったことは理解しつつも、フランスサッカー界ではこのポジションに多くの才能を発見できることから、稀有な資質として評価していた攻撃的な才能を伸ばすことを決断したという。
■2020-2022年(レンヌ~バイエルン)
この成果もあり2020年夏の移籍市場にてスタッド・レンヌに加入すると、登録されたU19の指揮官ロマン・フェリエは彼を中盤に配置。これは彼が運動能力の良さに頼ることのあるプレーを危惧したものであり、試合展開を読み取るための策であった。そんな策が講じられたレンヌと彼の関係性は2018年1月頃からあったとされており、正式加入前の2020年4月にはべジューでのU14トーナメントに招待選手として参加しながら得点王&MVPを獲得するなど、以前から見守っていたからこその判断となっている。
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2021年夏のオフシーズンキャンプ(in スペイン)にも同行しながらトップチームへの関与を増やしていくと、リーグ・アン(フランス1部)第2節となるスタッド・ブレスト戦でいきなりのデビューを飾っており、16歳3ヶ月21日での出場はエドゥアルド・カマヴィンガの記録を更新するクラブ史上最年少出場となっていた。その後、リザーブチームの試合をメインとしていた彼はフランス全国選手権(フランス3部)で前半戦の4試合で5得点という格の違いを見せつけたことでトップチームを主戦場に活動。そのまま2021/22シーズンはトップチームの10試合に出場している。
そして2022年7月26日、移籍金2000万ユーロ(ボーナス込みで2850万ユーロ)をクラブに残し、ブンデスリーガ(ドイツ)の絶対王者であるバイエルン・ミュンヘンに移籍することが発表され、ドイツでの挑戦が始まった。
代表歴
2020年9月に2005年生まれにとって最初の招集であったフランスU16に選出されており、1年後の2021年9月には16歳でフランスU18に選出。確かな価値を証明していた彼は、2022年5月~6月にかけて開催されたU17欧州選手権に主将として挑んでおり、本戦の全6試合に出場しながらチームを優勝に導くなど国際舞台でも活躍を見せているところだ。
移籍の噂
2022年夏に実現したバイエルン・ミュンヘンとの契約期間は2027年6月末までとなっており、ハサン・サリハミジッチのビジョンに感銘を受けた彼は長期に渡ってプレーすることが望まれている。まずは成功を祈るのが重要だ。
プレースタイル
これまでのストーリーで明らかになっているように元々はセンターバックながら現在はフォワードを主戦場している選手だ。エピソードにもあるように運動能力の高さが彼を象徴する言葉であり、183cmの体格に加えて軽やかな身のこなしによるスピードを活かしたプレーを得意としており、非凡なスキルセット、積極果敢に狙うシュートレンジの広さ+シュートモーションの速さ+シュート精度の高さで得点を量産する。空中戦やポストプレーも苦手としていない。
その恩恵はドリブルにも活かすことができるため、ウィングでの適性を持っていることから彼をどのように扱うかは指揮官の好み次第だろう。やや軽率なタッチによるロストやレンヌの加入当時では自身も認めるほどに戦術理解力、特に試合展開を読むことには課題を感じているものの、彼と接してきた人物が口を揃えるように謙虚かつ真面目で勤勉な姿勢が解決に導くことに期待したい。