名前 | ディオン・ドレナ・ベーリョ(Dion Drena Beljo) |
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生年月日 | 2002年3月1日 |
国籍/出身 | クロアチア(ザグレブ) |
身長 | 195cm |
ポジション | CF |
所属 | NKオシエク |
ローン移籍で大開花したヴィンコヴツィのズラタン
プレー動画
経歴
■2002-2019年(幼年期~チバリア)
クロアチアの首都ザグレブの生まれとされているが、出身地はクロアチア東部のヴィンコヴツィである。物珍しい名前の由来として、「ディオン」はギリシア神話に登場するワインの神であるディオニューソスより名付けられ、「ドレナ」は祖父のニックネームであるなどディオン・ドレナ・ベーリョには物語が隠れている。ちなみにドレナと呼ばれることはないそうだ。
ユースキャリアを過ごしたのはクロアチア東部のヴィンコヴツィを本拠地とするHNKチバリアであり、10歳(2012年)の頃にはインドアサッカーの大会においてMVPと得点王に輝くなど当時から優れた才能として認識されていた。その後も順調に心技体の成長を続けていた彼は、16歳となった2018/19シーズンにはチバリアのトップチームに到達。経営破綻によって3.HNL(クロアチア3部)に降格していたクラブの救世主となるべく奮闘すると、3部リーグでは4得点を記録している。
そんなデビューシーズンでは、2018年12月の休暇期間でサンプドリア(イタリア)のトレーニングに参加しており、1週間の滞在でサンプドリアからは3年間の契約オファーを受け取っていたという。しかし、家族と話し合った結果として年齢的な部分から残留することを決断しており、クラブを2.HNL(クロアチア2部)に復帰させることを優先していた。その決断が功を奏し、チバリアは2019/20シーズンからの2部リーグ昇格を勝ち取っている。
この結果から翌シーズンもチバリアでプレーするものだと思われていたが、クラブとの奨学金契約が満了を迎えても契約延長が行われることはなく、そのまま関心を持たれていたクラブの1つであるNKオシエクにフリートランスファーで加入した。
■2019-2021年(オシエク)
オシエクではⅡチームに組み込まれ、その主戦場を古巣チバリアと同じく2.HNLとしてプレー。NKクストシヤ・ザグレブとNKクロアチア・ズミヤヴチを相手に2試合連続得点を奪うなど2部リーグでの経験を重ねていた彼は、2019年の年末以降はトップチームに帯同しており、ベンチに控える日々が続きながらもCOVID-19による中断から再開されたNKスラヴェン・ベルポ戦で1.HNL(クロアチア1部)の舞台を経験した。
2年目となった2020/21シーズンもトップチームとⅡチームを行き来する生活が続いており、新天地の環境にも馴染んでいた彼は2.HNLでは5得点3アシストを記録。1.HNLでも9試合に出場しており、最終節のNKイストラを相手には初ゴールを奪ったことで同シーズンを2カテゴリ計で34試合6得点4アシストの成績で終えている。
■2021-2022年(イストラ)
オシエクで得られなかった1.HNLでの定期的な出場機会を求めていた彼は、2021/22シーズンを晩年下位に低迷しているNKイストラ1961に期限付き移籍することを決断。開幕当初はサブに甘んじるも、第6節の親クラブであるNKオシエクを相手にアシストを記録したことでそこから怒涛の得点ラッシュが始まっている。9クラブとの対戦が4回続くリーグレギュレーションの1.HNLにおいて、HNKリエカを除いた8クラブから得点を奪うなど、結果的にリーグでは33試合で14得点4アシスト、カップ戦を含めるとシーズン19得点の活躍にて一気に市場価値を上昇させることになった。
代表歴
2017年12月にクロアチアU16のナショナルキャンプへの招待を受けていた彼は、2018年8月になるとU17代表としてのデビューを飾っている。その後もクロアチアU19でプレーすると、2021/22シーズンの活躍が認められるようにして2021年11月には19歳の若さでクロアチアU21の試合に出場した。
移籍の噂
イストラでの活躍によって瞬く間に注目株となった彼には、ドルトムント(ドイツ)とウェストハム、ブレントフォード(ともにイングランド)が主に獲得レースでしのぎを削っている。保有元であるオシエクも売却には前向きな姿勢を見せているが、600万ユーロのオファーを拒否した事実もあり、クラブとしては1000万ユーロ以上での取引を最低ラインとして設定しているそうだ。
彼自身はオシエクに戻ってタイトル争いをしたいと語りつつも、ドイツとイギリスのどちらでプレーしたいかを問われた際には「イギリスのクラブに加入したいが、ドイツのサッカーが一番合うと思う」と語っている。
プレースタイル
元々はミッドフィールダーを主戦場していたが、オシエクへの移籍に伴って現在のストライカーへと変貌した経歴を持っている。出身地にちなんで『ヴィンコヴツィのズラタン』とも称されており、本家と同じく195cmの身長を有しているものの、そのフィジカルを武器に対人戦で無双するようなタイプではない。
どちらかといえば足元の技術に秀でているタイプであり、複数人を相手に独力でフィニッシュまで到達できる強さや、利き足の左足だけでなく両足で正確にシュートコントロールできる技術、ボックス内での駆け引きなどで得点を量産することを得意としている。