名前 | ファビオ・カルヴァーリョ(Fabio Carvalho) |
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生年月日 | 2002年8月30日 |
国籍/出身 | イングランド(トーレス・ヴェドラス) |
身長 | 170cm |
ポジション | AMF/WG |
所属 | フラムFC |
降格が決まったフラムに希望を与えるポルトガル経由の新たな宝石
プレー動画
経歴
■2002-2015年(幼年期~バルハムFC)
名前から明らかなように彼はポルトガル人の両親の下でリスボン郊外のトーレス・ヴェドラスにて生まれている。トーレス・ヴェドラスはリゾート施設の充実した都市であり、地域の伝統的なカーニバルがビッグイベントとして知られるなどポルトガルらしさの残る幼少期を過ごしていた。兄の影響でサッカーを始めると、U9(9歳未満)よりリスボンを本拠地とする名門クラブ「SLベンフィカ」の下部組織に加入。約3シーズンの在籍であったが、基本技術はベンフィカにて培われることとなった。
彼が11歳~12歳となった時期に、家族はより良い環境を求めてポルトガルからイギリスに移住することを決断したことでベンフィカからの退団およびロンドンでの生活が始まっている。次の所属先が決まっていたわけではなかったため、イギリスで最初に所属したクラブはコンバインド・カウンティーズ・フットボールリーグ(イングランド9部~10部相当)に位置する2011年に設立されたばかりのバルハムFCであった。バルハムFCは「ネイキッド(1993年)」「ジャングル・ジョージ(1998年)」「トゥー・デイズ(1998年)」に出演していた元俳優のグレッグ・クラットウェルがオーナーを務めており、フラムFCのトライアルへの機会を提供できるパートナーシップ関係を築いていた。その恩恵にあやかって2015年にフラムのスカウトから高い評価を得ると、約3シーズンを過ごしたクラブに別れを告げてフラムのユースに移籍している。
■2015-2021年(フラムFC)
初年度はフラムU14から始まっていたが、すぐさま飛び級にてU16に加わると、2017/18シーズンにはフラムU18に登録。2017年12月のU18プレミアリーグ(イングランドU18リーグ)第12節のスウォンジーU18戦にて15歳ながらデビューを飾ると、第15節のレディングU18戦では初めてのフル出場の機会をハットトリックという衝撃的なパフォーマンスにて応えている。2018/19シーズンは開幕からフラムU18の主力としてチームを牽引するだけでなく、同時期にフラムU23としてプレミアリーグ2(イングランドU23リーグ)にも出場するなど16歳とは思えない扱いにて、U18では20試合8得点6アシスト、U23では11試合に出場した。
2019/20シーズンも同様にU18とU23を行き来する生活にて過ごしており、U18プレミアリーグではチームメイトのジェイ・スタンスフィールドが得点王に輝くなど、チェルシーやアーセナル、トッテナムといった主要クラブを抑えてのリーグ優勝に大きく貢献している(11試合4得点6アシスト)。2020/21シーズンよりフラムU23に正式昇格すると、13試合で11得点6アシストという輝かしい活躍を見せたことでトップチームのトレーニングに参加する機会が増えていた。2020年9月のEFLカップ3回戦 シェフィールド・ウェンズデイ戦にてトップデビューを飾ると、2021年5月1日にはプレミアリーグ(イングランド1部)第34節のチェルシー戦にてリーグデビューも果たしている。
残念なことにフラムは5月10日でチャンピオンシップ(イングランド2部)への降格が決定したが、来季への希望を繋ぐ意図もあり、降格決定後のサウサンプトン戦ではスターティングメンバーに抜擢。後半30分にボビー・リードからのパスをフリーで受けると、右足一閃で豪快に叩き込む初ゴールを記録した。この活躍はクラブにとって大きな希望となっており、2021/22シーズンは2部リーグにて彼のブレイクも期待されており、ライアン・セセニョンやハーヴェイ・エリオットと同じ足跡を辿ることだろう。
代表歴
イングランドとポルトガルは勿論のこと、ルーツである東ティモールも彼の選択肢の1つとして与えられている。2016年12月からイングランドU15に招集されており、現在に至るまでイングランドU16~U18までを順調にステップアップしているためイングランドを選択することが有力だろう。ただ、ポルトガルの世代別代表としてはU15に一度招集されており、彼自身もまだ決めあぐねているため切り替える可能性もある。2017年にアメリカで開催されたナイキカップではイングランドU16にフラムから唯一選出されるだけでなく、ブラジルU16を相手には得点を記録した。
移籍の噂
フラムとは2022年6月末までの契約を残しているが、相応の金額を提示するのであれば引き抜くことも可能だろう。まずは主戦場となる2部リーグにてトップチームのテンポやフィジカルに慣れることが先決であり、移籍の噂については徐々に過熱するはずだ。Instagramではフラム以外のチームとしてFCバルセロナを唯一フォローしているため、憧れを持っていることが予想される。
プレースタイル
「つまらないサッカーは好きじゃない」とインタビューで語るように、ロナウジーニョやネイマールからインスピレーションを得ている(バルセロナが好きな理由もそこだろう)彼のプレースタイルはアイデアに富んだ見ているものを魅了するものとなっている。No.10として2列目に配置されるほか、ウィング/サイドハーフとしても起用され、いずれのポジションでも1vs1のデュエルを好み自由な選択が与えられている。小柄な彼は低い重心と一瞬の加速、細かなテクニックを織り交ぜたドリブルが評価されているが、それ以上のシュートセンスを持っていることが垣間見えているため、トップチームの舞台でも積極的にゴールを狙うことに期待したい。