| 名前 | サニ・スレイマン(Sani Suleiman) | 
|---|---|
| 生年月日 | 2006年9月1日 | 
| 国籍/出身 |  ナイジェリア | 
| 身長/体重 | 175cm/79kg | 
| ポジション | WG/CF | 
| 所属 |  ASトレンチーン | 
瞬く間にステップアップした若き残留請負人
プレー動画
経歴
■2006-2024年(幼年期~アクワ・ユナイテッド)
2006年FIFAワールドカップ・アフリカ予選では、アンゴラを含む4か国が本大会初出場を果たし、アフリカ大陸の勢力図が大きく変わった。その波乱の中、ナイジェリア代表が予選敗退という屈辱を味わった同国で、サニ・スレイマンは誕生している。具体的な出身地は明らかになっていないが、彼の出発点はナイジェリア南東部マクルディの路上だった。ボールを蹴るその姿が育成の名門『GBSフットボール・アカデミー』のスカウトの目に留まり、才能を見出されている。
17歳となる2024年1月まで、彼は北東部を拠点とする『ウィッキ・ツーリスツFC』でプレーし、基礎技術と身体能力を磨く日々を送っていた。その後キャリアの転機が訪れるのは、2023/24シーズン途中のこと。ナイジェリア1部の『アクワ・ユナイテッドFC』からオファーを受け、加入を果たしたのだ。クラブは2020/21シーズンにリーグ制覇を果たした実績を持ちながらも、当時は16位と残留争いに苦しむシーズンを過ごしていた。17歳の新鋭に課されたミッションは、チームを降格から救うことだった。
Sani Suleiman receiving his Award as NPFL Best Player for the Month of March 2024. The Award is sponsored by League Bloggers and was presented by the newly elected Chairman of Akwa Ibom State Football Association Mr. Samuel Umoh
Congratulations Sani! pic.twitter.com/DBb7Ysu22P— Akwa United FC (@AkwaUnited_fc) April 28, 2024
デビュー3試合目のスポルティング・ラゴス戦で初得点を挙げると、その勢いは一気に加速。最終的にリーグ19試合で11得点2アシストという圧巻の数字を残しており、彼がゴールまたはアシストで関与した10試合の戦績は8勝1分1敗と、まさに勝利を呼び込む存在であった。チームは混沌としたシーズンで降格圏から1つ上での順位となる16位での残留を果たし、彼自身もシーズン最優秀新人賞(ルーキー・オブ・ザ・イヤー)を受賞。わずか半年で国内にその名を轟かせた。
■2024-2025年(ASトレンチーン)
その才能に早くも目をつけたのがスロバキアの『ASトレンチーン』であり、過去にはモーゼズ・サイモンやサミュエル・カルを同じくナイジェリアから発掘した系譜に、彼もまた名を連ねることとなった。2024年9月から有効となる契約を締結し、18歳でヨーロッパの舞台での挑戦が始まっている。しかし、移籍後の半年間は試練の連続だった。
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出場機会は限られ、チームも下位に沈み降格ラウンドに振り分けられ、そのまま入れ替え戦となる降格プレーオフにまで低迷するなど、シーズン終盤まで苦しい戦いを強いられていた。入れ替え戦を前にようやく移籍後初ゴールをマークし復調し始めた彼は、入れ替え戦では1st・2ndレグともにスタメン出場を果たす。アウェイでの第1戦を1-1で終えた後、ホームで迎えた第2戦では試合を決定づけるアシストを記録し、ナイジェリア時代から2シーズン連続にてチームに残留をもたらす活躍を残している。
代表歴
世代別代表歴を持っていなかった彼であったが、2025年9月末から開催されたU20ワールドカップの本大会メンバーに名を連ねており、大舞台にて代表ユニフォームに袖を通している。18歳の彼を招集した意図は得点力不足が露呈したU20アフリカネーションズカップに由来するものであり、ナイジェリアU20に得点をもたらす存在として期待された招集であった。グループリーグ初戦のノルウェー戦ではベンチからの途中出場であったが、続くサウジアラビアとコロンビア戦では左ワイドでの先発起用にて攻撃を活性化させながら大会ベスト16の成績に貢献した。
移籍の噂
ASトレンチーンとは更新オプション付きにて2026年6月末までの契約を残しているが、既にトッテナム、チェルシー、マンチェスター・シティ、ブレントフォード、レヴァークーゼン、レンジャーズなど欧州主要リーグのビッグクラブが彼に関心を示していることが報じられている。そんな彼がSNSでフォローしているのはチェルシーとヘントだ。
プレースタイル
トレンチーンでは主にウイングとして起用されているが、ナイジェリア国内ではセンターフォワードとして得点を量産しており、柔軟なポジション適性を持つアタッカーである。圧倒的なスプリント能力を武器に、1対1で相手を置き去りにするドリブルや背後への抜け出しを得意とするほか、ゴール前での判断にも優れており、わずかなスペースがあれば右足はもちろん、逆足からでも果敢にシュートを放つなど、得点への強い意欲を感じさせる。
また、公式プロフィール上では175cmと小柄ながら、79kgという体重に裏打ちされた筋肉質な体躯と強靭な下半身を生かし、コンタクトプレーでも当たり負けしない。相手を背負ってボールを収めるポストプレーもこなすなど、スピード・フィジカル・決定力を高次元で兼ね備えた総合力の高いアタッカーと評せるだろう。
小ネタ
ニックネームはハウサ語で魔法使いのニュアンスを持つ「マイェ」だ。