名前 | アントン・マトコヴィッチ(Anton Matkovic) |
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生年月日 | 2006年2月19日 |
国籍/出身 | クロアチア(スラヴォンスキ・ブロド) |
身長 | 191cm |
ポジション | CF/WG |
所属 | NKオシエク |
※Matkovicはマトコビッチとも表記される
大器の片鱗を感じさせるマルソニアの宝石
プレー動画
経歴
■2006-2022年(幼年期~マルソニア)
クロアチア東部の主要都市であるスラヴォンスキ・ブロド。かつてのローマ帝国時代にはマルソニアと呼ばれていた都市にて彼は誕生した。父親はバスケットボール、母親はハンドボールの指導者を務めるなど一家揃ってアスリートであり、兄と弟のいる次男として育っている。バスケットボールも好きなスポーツであったが、7歳で地元の『NKブダインカ・コロニヤ』に所属すると、2015年4月にはわずか9歳ながら2002-03生まれがプレーするU12リーグに飛び級で出場するなど当時から特別な扱いを受けていた。
その後、短期間ながら『ジェリェズニチャル・スラヴォンスキ・ブロド』に在籍し、2016年9月より『NKマルソニア』に所属するなど、スラヴォンスキ・ブロドのクラブを転々とステップアップしている。そんな10歳で入団したマルソニアでは初年度(2016/17)から6試合10得点の成績を残しているが、その後の3シーズンは得点力という点では他選手が優れているなど得点以外の要素にてチームに貢献していたことだろう。
COVID-19の影響から明けた2020/21シーズンでは一転して20試合17得点と目覚ましい活躍を残しており、シーズン終了後にはHNKハイドゥク・スプリトへの加入に向けてスプリトで10日間を過ごしていた。そこでは高い評価を得られていたものの、スプリトやマカルスカなどクロアチア南部地域の選手でないことが原因(遠方であることの慣れに伴うリスクなど)で契約に至らず志半ばでマルソニアに残留。それでも続く2021/22シーズンはカテゴリを上げながら31試合で14得点とマルソニアの得点源として躍動しており、2022年5月には新たに再編された3.HNL(クロアチア4部)にてわずか16歳でのTOPデビューを飾るまでに成長を遂げていた。
■2022-2024年(オシエク)
地理的な理由で契約が実現しなかった彼に目をつけたのが同じスラヴォニア地域(クロアチア東部)のクラブである『NKオシエク』であり、2022年夏の移籍市場にて加入。4部リーグの2試合のみに出場した16歳という立場であるため、移籍初年度となる2022/23シーズンはU17カテゴリに組み込まれていた。新加入の期待を背負いながらもデビュー3試合にはロスタイム弾にてチームの勝利に貢献しており、このゴールで勢いに乗った彼は最終的に30試合12得点の成績を収め、オシエクU17に29年ぶりのチャンピオンシップタイトルをもたらしている。
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これらの活躍から2023/24シーズンはオシエクU19に昇格しているが、約3ヶ月が経過する頃にはスティエパン・トマスと入れ替わりで就任したゾラン・ゼキッチの下でTOPチームでも姿を見せるようになっており、2023年11月のハイドゥク・スプリト戦でプルヴァHNL(クロアチア1部)でのTOPデビューを達成。約2週間後のディナモ・ザグレブ戦では後半開始から投入されると、相手DFの背後を取るボールにいち早く触れながら左足で冷静に流し込み、貴重な同点弾にて初ゴールを記録した。
その後もベンチに控えながら途中出場の機会を得られており、シーズン終盤戦にはスターティングメンバーに名前を連ねることも増えながら、NKロコモティヴァ戦では2得点を決めるなど2023/24シーズンのTOPチームでは19試合5得点の活躍を残している。シーズン後にはプルヴァHNLの最優秀若手(U21)選手賞の最終候補4名に残るまでに評価を急上昇させた。
代表歴
2023年3月にクロアチアU17でのデビューを達成する形にて代表キャリアをスタート。U17EUROの本大会ではグループラウンドの3試合全てでスタメンを飾っているが、イングランド、スイス、オランダの強固な国々の前で勝利は奪えず敗退した。大会終了後からは飛び級にてクロアチアU19に招集されたほか、2024年6月現在では親善試合にてクロアチアU21にも招集されるなど高く評価されている。
移籍の噂
🇭🇷 Interest growing in 17 year old Croatian talent Anton Matkovic. NK Osijek striker, attracting important clubs from Europe – understand Everton are monitoring him.
Also RB Salzburg and Sassuolo are interested, no time for decision yet but one to watch for sure. pic.twitter.com/Za5VsCXc7b
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) November 5, 2023
2023年11月上旬にはファブリシオ・ロマーノによって主要クラブからの関心が集まっていることが報じられており、具体名としてエヴァートン、レッドブル・ザルツブルク、サッスオーロが挙げられるなど移籍が近づいていた。その他、インテルも興味を持っていると報じられながらも2024年5月末にNKオシエクとの契約を2027年6月末まで延長している。そんな彼は憧れているリーグとしてイングランドとスペインを挙げており、特に最大のアイドルであるクリスティアーノ・ロナウドと所属していたレアル・マドリードが幼少期からのファンだ。
プレースタイル
191cmの体躯とスラヴォンスキ・ブロド出身でNKマルソニアにて同じくプレーしていたマリオ・マンジュキッチに姿を重ねられる彼だが、そのプレースタイルには類似点はなく、彼が武器としているのはそのスピードと機動力にある。センターフォワードとしての起用は当然可能であるが、彼自身は自由にドリブルで仕掛けられるウィングを好んでおり、利き足である左足でフィニッシュできる右ウィングの位置が持っているオプションだ。
ストライカーとして理想的な191cmのフィジカルアドバンテージはエアバトルで標準以上の勝率をもたらすも、そのアドバンテージが最も顕著に現れているのは機動力を活かした推進力にあり、リーチと機動力が合わさることで誰よりも先にボールに到達することができるため一瞬で有利な状況を築くほか、カードを誘発するようなファールを獲得するなど貢献の幅は広い。
このため純粋なセンターフォワードというよりはウィンガーに近い特性を持ち、実際に彼自身がロールモデルとしているのはマーカス・ラッシュフォードという点も納得がいくだろう。ボールを扱うための優れたテクニックとドリブル能力を有している彼が今後どのようなポジションで成長を描くのかに注目だ。
小ネタ
FootballManager(シミュレーションゲーム)がトップ選手らに自国のワンダーキッドを紹介してもらう企画において、ヨシュコ・グヴァルディオルは当時17歳の彼を挙げている。このあたりのチョイスは代理人が同じマリヤン・シシッチである繋がりもあるだろう。
フットボールの時間をより多く作れるように3年制の学校に通っており、その中で調理学校を進路として選びながら卒業している。このため、肉料理やパスタ料理などはお手の物だ。