名前 | ヨーネ・スピリース(Jorne Spileers) |
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生年月日 | 2005年1月21日 |
国籍/出身 | ベルギー(ロンセ) |
身長 | 188cm |
ポジション | CB |
所属 | クラブ・ブルッヘ |
※Jorneはヨルネ、Spileersはスピレース、スピリールスとも表記されるだろう
ブラウ・ズワルツに控える発展途上の大器
プレー動画
Club Brugge’s Jorne Spileers (’05) is a CB that’s come onto my radar. I’ll thread some of my thoughts below.
Excellent ‘depth’ defender. He has a special ability to defend long aerial passes *and* secure possession in the same action.
I’ve clipped a couple of examples: pic.twitter.com/viDJpqUfu3
— Jonathan Stoop (@jonathanstoop) December 4, 2023
経歴
■2005-2014年(幼年期~ズルテ・ワレヘム)
ベルギーの東フランドル州にあるロンセに生まれ育った彼は、地域的な側面からフラマン語(ベルギーで話されているオランダ語)を話している。父親のリックはロンセ市の建築コーディネーターとして勤めているが大のフットボール好きであり、母親もミニサッカーをしているなど家族共通の話題としてフットボールが常にある家庭で育っていた。兄のティモ(2002年生)はベルギー4部のKSVアウデナールデで現在もプレーしているアスリートであるなど、そんな家族の影響も受けながら4歳でボールを蹴り始めている。地元の『KSKロンセ』で最初の数ヶ月を過ごした後、6歳で『SVズルテ・ワレヘム』の下部組織に入団しているが、約3年後の9歳となったタイミングにて現在も所属する名門『クラブ・ブルッヘ』に移籍した。
■2014-2024年(クラブ・ブルッヘ)
U13カテゴリでプレーしていた際にディフェンダーにコンバートされており、一時的にフォワードとして攻撃者側の視点も学ぶような機会を与えられながら、中等教育課程の年齢に達した段階にて彼はセンターバックを本職とするようになっていた。そこから2年後の2020年4月にはCOVID-19の影響によって活動が制限されていたなかでもセミプロ契約を交わしており、15歳という若さでクラブ・ブルッヘのプロカテゴリに到達。2021年2月に行なわれたチャレンジャー・プロ・リーグ(ベルギー2部)のRWDモレンベーク戦では16歳でクラブNXT(リザーブ:U21)でのデビューを飾っている。
17歳となった2022年7月にセミプロからプロ契約へと移行し、2022/23シーズンは本格的にクラブNXTでのプレーをスタート。開幕節からベルギー2部で経験を積み重ねていたが、2022年10月上旬にデドリック・ボヤタとアバカル・シラが負傷離脱していたことで急遽TOPチームでの代役を任されており、ジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)第10節のKVメヘレン戦ではTOPデビューを飾ると、同試合では無失点に抑えてチームの勝利に貢献する活躍を彼は残していた。翌節のKVCウェステルロー戦でのフル出場を果たしているがチームの敗戦とともに試合後には再びクラブNXTでのプレーに戻っている。
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再びTOPチームに介入したのは指揮官がスコット・パーカーからリック・デ・ミルに入れ替わったタイミングであり、新たなシステムとして3バックが採用されたことを機に当時18歳の彼の出場機会が訪れていた。するとレギュラーシーズンの残り6試合の全試合でフル出場を果たすのみならず、KVコルトレイク戦の1失点を除いた5試合を無失点に抑えた活躍で一気に評価を上げ、優勝プレーオフラウンドに進出可能な4位の成績にチームを導いている。
翌2023/24シーズンは新たな指揮官としてロニー・デイラが就任すると、開幕から出場機会を与えられるまでの評価を彼は得ていた。ただ、シーズン序盤は11試合連続失点などで批判的な声も聞こえるようになっており、彼自身は新聞を読まないよう助言されていたことでエゴサーチ等をせずに批判を避けていたという。そのようなシビアな評価を受けながらもクラブ・ブルッヘの最終ラインで戦い続けており、23節を消化時点で全試合に出場するなどレギュラーポジションを確立しているところだ。
代表歴
ベルギーU15から常に世代別代表には招集されている選手であり、2022年5月にはU17EURO本戦にも出場しておりグループラウンド3位で敗退するもトルコU17戦ではコーナーキックのこぼれ球を押し込んで得点を記録している。その後はTOPチームでの活躍と連動するようにしてU19/U21を飛び級にてプレーし、2023年11月にはセルビア代表との親善試合にアレクシス・サーレマーケルスの代わりとして選出されるなど、フル代表デビューには至っていないが高い評価を受けている。
移籍の噂
ナポリなど主要リーグからの関心も伝えられていたが、2023年夏には新たに1年延長された2026年6月末までの契約期間を残している。アルトゥール・フェルレーメンがアトレティコ・マドリードに移籍したことに刺激を受けるも、まずはクラブ・ブルッヘで初タイトルを得ることを目標としていることを語っている。その先にある移籍については次のステップとして可能であればイタリアかスペインに行きたいこともインタビューにて語った。ただし、ロンセの広報誌における発言を加えると、自分に合っているリーグという感覚であり特に憧れのクラブがあるというわけではない状態だ。
プレースタイル
右利きのCBである彼は最終ラインの砦として守備を支えており、派手さのあるタイプではないが常に周囲に気を配りながらラインコントロールとビルドアップを行う基本に忠実な選手であり、優れた足元のテクニックとポジショニングの良さを強みとしている。安定したボールタッチで後方から確実にボールを循環させながら時折見せる非凡なパスセンスも特徴だろう。
188cmの体躯を持つも現時点ではまだ細身で強化の必要性があり、自チームのセットプレーにはあまり関与しないようにオフェンスでも脅威となるようなタイプではない。ただ、デュエル勝率は一定の水準を満たしており、これらは予測の上手さによってもたらされている。ボール保持者に迂闊に飛び込まない慎重なスタイルであることが有利に働く場面はあるものも、カウンターや1枚剥がされた後の1vs1では間合いの主導権を与えてしまうことでの失点も少なくはない。自身の課題としてはフラストレーションをコントロールすることを語るなど、ポテンシャルは高いも年齢相応の課題が残る才能だ。
小ネタ
具体的な時期は明らかではないが、ユース時代に成長が早すぎたことで膝などに重傷を負った経験がある(活動記録的に2021/22シーズンのことであると推察される)。2022年7月には兄が所属するKSVアウデナールデとのPSMで念願の兄弟対決が実現しているが、前半15分に本間至恩が得点を決めた際のシーンで兄が負傷したことによって兄弟対決は15分間に終わった。
2022年10月にクラブ・ブルッヘでのTOPデビューを果たしているが、その数日前に学校で他の生徒に栗を投げた(ふざけて)ことで停学処分を受けていたことを明かしている。フランデレン地域の主要スポーツである自転車レースの大ファンであることでも有名だ。
以下は彼自身による名前の発音(0:08~0:10)