名前 | セミー・クルチソイ(Semih Kılıçsoy) |
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生年月日 | 2005年8月15日 |
国籍/出身 | トルコ(ガジオスマンパシャ) |
身長 | 178cm |
ポジション | CF/WG |
所属 | ベシクタシュJK |
※Semihはセミフとも表記されるだろう
必然的にベシクタシュで躍動するトルコのアグエロ
プレー動画
経歴
■2005-2015年(幼年期~ヤイラスポル)
トルコ・イスタンブール県の約50万人が暮らしているガジオスマンパシャに彼は生まれ育っている。幼少期のキャリアを地元のアマチュアクラブである『G.O.Pウェネススポル』にて過ごしていた際、ベシクタシュがイスタンブール郊外のアルナフツコイ地区にスクールを開校したという噂を聞きつけて挑戦を決意。市内外から多くの少年らが集まる中でも目を引くような存在感を発揮した彼は、父シェノルも同意しながらベシクタシュのスクール生として次のキャリアへと進んでいる。
その後、チーム名が『アルナフツコイ・ヤイラスポル』に変わる出来事も経験しながら、約2年間でリーグ戦では45~50得点を挙げるなど周囲を凌駕する才能を示していたという。そのため、ベシクタシュやガラタサライ、フェネルバフチェといったトルコ有数のクラブからも注目を集めており、特にベシクタシュは当時の担当者であるセミー・セゼルリとハリル・イブラヒム・トイの2人がヤイラスポルに対してしつこいほどのアプローチをかけることが続いていた。この関心に対しては彼自身も乗り気であり、唯一の難点であったベシクタシュのトレーニングセンターまでの移動も父シェノルが多くの犠牲を払いながら息子のために移籍を承認している。こうして『ベシクタシュJK』での挑戦が始まった。
■2016-2024年(ベシクタシュ)
彼のスタッツが開示され始めた2018/19シーズンのU14リーグでは22試合33得点の記録を残し、翌2019/20シーズンではU15リーグにおいて18試合(COVID-19の影響で途中終了)22得点といずれも出場試合数を上回る得点数にて躍動。U15カテゴリまでは同世代を相手にプレーしていたが、ユースリーグが再開された2021年春からは15歳ながらベシクタシュU19にまで到達しており、カシムパシャとのU19デビュー戦ではわずか15分間の出場時間で難なく得点を奪うなど才能は傑出していた。約3ヶ月の過密日程で消化されたシーズンであったが、U19リーグの10試合で6得点と15歳にしては出来すぎた結果にて終えている。
Semih Kılıçsoy İle Profesyonel Sözleşme İmzalandıhttps://t.co/s89zMTw0Vv
— Beşiktaş JK Futbol Akademisi (@BjkAkademi) October 21, 2021
16歳で迎えた2021/22シーズンには本格的にU19カテゴリを主戦場とするようになり、コライ・ヤージュ(2003年生)やエミルハン・デリバシュ(2003年生)ら共にベシクタシュU19が誇るリーグNo.1の得点力を牽引しながら、彼自身も34試合で16得点6アシストを記録。U19リーグでのタイトルこそ逃しているが、2022年6月に行なわれたU17リーグ決勝戦に助っ人として出場すると、決勝では同世代との格の違いを見せつける2得点にてベシクタシュU17にタイトルをもたらすことに成功している。また、シーズン途中の2021年10月には16歳で最初のプロ契約も締結した。
続く2022/23シーズンもU19リーグでプレーしていたが、2022年内の9試合で4試合連続の2得点および6試合連続得点の計10得点を奪う活躍を残しており、昨年を上回るハイペースでの得点量産は既にU19カテゴリで収まるものではないことを証明。既に2022年11月からのFIFAワールドカップによるリーグ中断期間をシェノル・ギュネシュが率いるTOPチームに帯同しており、TRMでは決勝ゴールをアシストするなどアピールしていたことから、2023年1月下旬のアランヤスポル戦ではスュペル・リグ(トルコ1部)でのベンチ入りを達成した。1ヶ月後のアンタルヤスポル戦でTOPデビューを飾るなど4試合に出場。U19リーグではプレーオフも含めた19試合で20得点の成績にてユースカテゴリに別れを告げている。
U14リーグ(13歳) | 22試合33得点 |
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U15リーグ(14歳) | 18試合22得点 |
U19リーグ(15歳~17歳) | 64試合42得点 |
2023/24シーズン最初の試合となったUEFAヨーロッパ・カンファレンスリーグ予選のKFティラナ(アルバニア)戦に後半38分から投入された彼は、後半ロスタイムにボックス右角付近でボールを受けると相手DFの間合いをコントロールしながらニアサイドに叩き込む初ゴールを奪っており、シーズンの行方を占う重要な試合でのアピールに成功。ベシクタシュの欧州カップ戦における最年少得点記録となるなど、指揮官であるギュネシュからも称賛されながら明るい未来を感じさせる一戦となっている。
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その後、スュペル・リグの開幕節にも出場していたが、軽傷による彼自身の離脱やジェンク・トスンの戦列復帰もありながら3~4ヶ月はベンチを温める時間が続いていた。そんな彼が再び脚光を浴びたのはヴァンサン・アブバカルが離脱した2023年12月下旬であり、新たに再構築された前線では実績のあるアンテ・レビッチを差し置いてスターティンラインナップに名を連ねるほどに序列を上げている。こうした状況下でハタイスポル戦から4試合連続得点を奪ったことで一気にチームのトップスコアラーに躍り出るなど新エースの登場としてベシクタシュサポーターを熱狂させているところだ。
代表歴
13歳で招集されたトルコU14からチームを支えるストライカーとして牽引しており、COVID-19の影響で一時は活動が停止するも再開後にはトルコU17へと舞台を彼は移している。U17EURO2022に向けた予選ラウンドではデンマークを含めた全3試合を記録しながらエリートラウンドに駒を進めると、エリートラウンドではケナン・ユルディズやアルダ・ギュレルの活躍もありながら本大会への出場権を獲得した。結果的にU17EURO本大会には出場していないが、2022年10月には17歳でトルコU19に飛び級招集を受けながら、U19の世代別カテゴリでも得点を重ねるなどペースは落ちていない。
移籍の噂
トルコのユースカテゴリで圧倒的な記録を残していたことから、2023年夏の時点でレアル・マドリードを始めとした複数クラブからも関心が伝えられている。こうした状況下で2024年1月にベシクタシュとの契約を新たに4年間(2028年6月末)更新するなど簡単に手放さないことをクラブが牽制したほか、彼の獲得に必要な金額としてクラブレコードとなる2500万ユーロ以上を現時点では要求しているという。彼自身もベシクタシュの先を見据えて英語の勉強にも力を入れ始めているなど、準備を着々と進めている。
プレースタイル
多くのメディアが重ねているように、彼はセルヒオ・アグエロとの類似性を感じさせるストライカーだ。本来であれば生粋のNo.9として中央を主戦場していたフォワードであったが、ベシクタシュの現指揮官であるセルダル・トプラクテペは彼をレフトウィングとして起用することで新たな価値を見出している。178cmとアグエロと同様に小柄ながらもウエイトを筋量カバーした低重心のボディバランスを誇っており、フィジカルコンタクトを避けずにむしろ強みにまで発展させながらゴール前での脅威となるのは特徴的だ。
また、足元のスキルにも自信を覗かせながら小回りの効いた瞬発力のあるタッチでゴールまでのコースを創出し、そこから躊躇せずにフィニッシュまで貪欲に遂行する姿は、彼が偶然による一過性で得点を量産していないことを証明できるだろう。右足でのプレーを得意としているが、一部のプロフィールでは両利きとも記載されているように左足でも精度高くプレーできることも彼の市場価値を高める要素だ。ウィングに配置されている現在は最終ラインまでボールを追いかけるほか、前線から隙あらば身体を投げ出してボールを刈り取るアグレッシブさを見せるなど守備においても才能を光らせている。
小ネタ
ヤイラスポルからベシクタシュに移籍した際に、ヤイラスポルが彼の引き換えに受け取ったのはサッカーボール20個、トレーニングシャツ20着、その他のトレーニング用具といったアマチュアクラブに必要な資材であったそうだ。