名前 | ユセフ・シェルミティ(Youssef Chermiti) |
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生年月日 | 2004年5月24日 |
国籍/出身 | ポルトガル/チュニジア(ヴィラ・ド・ポルト) |
身長 | 192cm |
ポジション | CF |
所属 | スポルティングCP |
復帰直後ながら予想外な抜擢に応えるスポルティングの新星
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経歴
■2004-2016年(幼年期~サン・ペドロ)
大西洋に浮かぶポルトガル領アソーレス諸島のサンタ・マリア島にて彼は誕生した。父親はチュニジア人、母親はカーボヴェルデ系ポルトガル人(※ギニアビサウ系との記述もある)であり、父方の従兄弟には元チュニジア代表のアミン・シェルミティがいるも、家庭環境の身近にあったスポーツはバスケットボールであった。その背景には元バスケットボール選手の父ヌルディーンが関係しており、アソーレス諸島でパートタイムでのコーチをしながら実際に娘2人(ヤスミンとマリアム)をシェルミティ姉妹としてバスケットボーラーに育てるなど一部では有名な家族として知られている。
小さなコミュニティという側面から多くの体験をできる環境が彼にはあり、9~10歳までにはハンドボールや水泳、空手、ヨット、乗馬も楽しんでおり、1日に並行しながら複数のスポーツを習っていたという。それらの1つにサッカーも含まれており、最初に所属した『CDオス・マリエンセス』ではよりボールへの欲求が溢れ出すと、『GDサン・ペドロ』でフットサルも行いながら成長を続けていた。キャリアの分岐点となったのは2015年夏にサンタ・マリア島で行われたトーナメントであり、名門スポルティングCPを招いた大会ながら得点王に輝くと、同じく参加していた『エスコラ・パウレタ(アソーレス諸島の出身選手として最初のポルトガル代表となったペドロ・パウレタが運営するアカデミー)』には父のコネクションで月1回の頻度での本格的な指導を受けている。
同シーズンの終りにはエスコラ・パウレタの選手としてベンフィカやスポルティングが参加するトーナメントに出場。そこで大会内で2番目の得点数を奪ってみせた彼に注目したのがスポルティングのスカウトであるパウロ・モレイラであった。2016年の年明けに行われた1回のトライアルでスポルティングに来るよう説得されるも、12歳の息子を1人でリスボンに送り出すことには頭を悩ませており、それでも成長の機会を与えるために『スポルティングCP』への入団を許可している。
■2016-2023年(スポルティング)
こうして12歳でポルトガル本土に上陸した彼は、U13カテゴリから新たなキャリアをスタート。2年後の2018/19シーズンではスポルティングU15のエースストライカーに君臨しており、ナシオナル・ジュニオレスC(U15リーグ)では28試合22得点で得点王の個人タイトルを獲得したほか、チームの全国制覇にも大きく貢献するなどクラブに適応するのには時間を要しなかった。
15歳となった2019/20シーズンはU17カテゴリに昇格し、COVID-19による中断期間までの14試合で7得点を記録。ここでも実力を証明したことで2020年7月に最初のプロ契約を交わすと、2020/21シーズンの開幕では彼の姿はU23カテゴリに存在していた。しかし、U23リーグでは11試合(382分)での出場で得点を奪うには至らず、シーズン後半には1つ下のカテゴリとなるU19でのプレーに切り替えていた。それでもU19リーグでは5試合8得点と圧倒的な違いを見せつけたのが彼となっている。
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翌2021/22シーズンはU19/U23/Bチームの3カテゴリ間を行き来しており、2021年10月にはリーガ3(ポルトガル3部)のコヴァ・ピエダーデ戦にて17歳でのシニアカテゴリデビューを経験。スポルティングBでは10試合3得点、U23では8試合1得点、U19で25試合12得点の成績でシーズンを終えていた。2022/23シーズンをどのカテゴリで成長させるかの判断に注目が集まっていたが、プレシーズンで「プバルジア(ヘルニア・恥骨結合炎・グロインペイン症候群など)」の診断を受けたことで長期離脱を余儀なくされていた。
2022年12月頃からピッチに戻っていた彼であったが、その復帰後から短期間でルベン・アモリム(トップ監督)の判断でトップチームに引き上げられており、2023年1月に行われたリーガ・ポルトガル(ポルトガル1部)第16節のSLベンフィカ戦でデビューを予想外にも達成。白熱したリスボン・ダービーで念願のプロデビューを飾ったことで自信をつけると、第18節のSCブラガ戦でフル出場と初アシスト、続くリオ・アヴェFCとFCポルトを相手に得点を奪うといった活躍でサプライズを巻き起こしている。長期離脱後とは思えない姿で国内外からの注目を集めているところだ。
代表歴
父の祖国であるチュニジアを選択する権利も持っているが、14歳から継続してポルトガルの世代別代表でプレーしている。2019年8月には北中米カリブ海サッカー連盟主催のCONCACAFボーイズU15選手権で招待チームとして優勝したほか、ポルトガルU18では12試合6得点、17歳でデビューしたポルトガルU19では2試合で3得点2アシストを記録。前述の怪我の影響もあり代表キャリアは再開していないが、チュニジアサッカー協会がアプローチを図るなど話題には事欠かない。
移籍の噂
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トップデビュー前の2022年夏の移籍市場ではスタッド・ランスがウーゴ・エキティケの後継者として関心を持っていると報じられるも負傷もあり具体的な話には進展していない。スポルティングとは新たに2027年6月末までの契約延長に合意しており、移籍については時期尚早だと考えられる。
プレースタイル
姉2人も身長も180cm台にあるDNAのもとで、現在は192cm/81kgまで成長を遂げたのが彼となっている。幼い頃からの映像が物語るように常に周囲の少年と比べて頭一つ抜きん出た体格を持っていたことから、自身のフィジカルコントロールには長年の経験から蓄積されたものを感じさせている。9番タイプでありながら足もとでボールを扱うことも好んでおり、アイデア力のあるボールタッチから個人技で打開できる強さも持っている。
当然だがフィジカルと足もとの技術を活かしたポストプレーやロングボールに対する強さも持つなど影響力のあるストライカーと言えるだろう。また、センターフォワード以外のオプションにも期待できる。スタッド・ランスがウーゴ・エキティケの後継者としてピックアップするのも納得だ。懸念されるのはプバルジアからの影響であり、怪我の再発が最も恐れる事象だろう。