リステシュ・クリスティアーン

選手紹介
名前リステシュ・クリスティアーン(Lisztes Krisztián)
生年月日2005年5月6日
国籍/出身ハンガリーブダペスト)
身長183cm
ポジションAMF/WG
所属フェレンツヴァーロシュTC

父譲りの才能で躍動するハンガリーの新たな至宝

プレー動画

経歴

■2005-2017年(幼年期~MTKブダペスト)

「リステシュ・クリスティアーン」。この名前を聞いて思い起こす人がいるように、彼の父親は元ハンガリー代表であり、90年代後半から00年代前半にかけてドイツ・ブンデスリーガでも活躍したリステシュ・クリスティアーン(シニア)だ。4歳上の姉リリに続くリステシュ家の長男としてハンガリーの首都ブダペストに生まれ、フットボーラーの道を選ぶことが必然と思われていたなかでも両親は強制することはなく、ハンガリー国内で盛んなバスケットボールやハンドボールも楽しんでいたという。

それでも、サッカーほどは楽しめなかったと回想しており、6歳で『ウーイペシュト・ハラダーシュFK』にてキャリアを始めながら、『ダールノキ・アカデミア』、『メースイ・フォチシュリ』といったブダペストを本拠地とするクラブを転々と所属。2015年より父の出身クラブであるフェレンツヴァーロシュTCとはライバル関係の『MTKブダペストFC』に加入しているが、これはメースイがMTKと育成間提携関係にあったことによるもので必然の流れであった。

 

この投稿をInstagramで見る

 

Krisztián Lisztes(@lisztesk)がシェアした投稿

当初、父としては息子の実力ではなく自分の名前によってフラディ(フェレンツヴァーロシュTCの愛称)に引き抜かれることを嫌がっていたが、12歳になり正当な評価を得られるようになったことでフラディに進むことを推奨。こうした背景からMTKでの2年間を経た2017年よりフェレンツヴァーロシュTCのファームクラブであり、父がキャリアの最終クラブに選択し指導者も勤めた『ソロクサールSC』に加入している。つまりは『フェレンツヴァーロシュTC』の管理下になったということだ。

■2017-2023年(フェレンツヴァーロシュ)

満を持して父と同じくフラディのユニフォームに袖を通した彼は、初年度において12歳ながらU14カテゴリで25試合18得点と期待通りの活躍を見せており、翌年にはU15カテゴリまで到達しながら23試合で5得点を記録。その後も飛び級でユースカテゴリを通過した彼は、2021/22シーズンよりNBⅢ(ハンガリー3部)に属するフェレンツヴァーロシュTCⅡ(Cチーム相当)に昇格しながらシニアカテゴリに参戦しており、3部リーグでは16歳ながら25試合で5得点と好成績を収めている。

また、同シーズンでの活躍により2022年5月14日に行われたNBⅠ(ハンガリー1部)最終節のジルモートSE戦では、約1週間前に迎えた17歳の誕生日を祝うかのようにトップデビューの機会も与えられている。新たな2022/23シーズンはBチームとして位置づけられる前述の『ソロクサールSC』に加わり、NBⅡ(ハンガリー2部)をシーズン前半戦は主にプレーしながら開幕3試合で1得点3アシストを記録するなど格の違いを証明。2023年1月にフェレンツヴァーロシュと最初のプロ契約を締結したことで本格的にトップチームに組み込まれるようになった彼は、約1年ぶりの出場となったNBⅠの舞台(MOLヴィディFC戦)にて後半頭からの投入ながら衝撃的となる2得点を17歳の若さで奪ってみせたのだ。

首位を走りながらもシーズン後半に来て波が訪れていたチームを救うように介入すると、第29節に迎えたハンガリー国内を代表する2クラブ(フェレンツヴァーロシュTCとウーイペシュトFC)による熾烈なダービーでは、過去100年以上の歴史において最も若い年齢での得点記録を樹立。フラディにおいてはかつて父が樹立していた記録を更新するというドラマチックなストーリーに加え、翌節のキシュヴァールダFC戦では3試合連続得点の活躍でクラブのタイ記録となる5連覇を含めたリーグ制覇に大きく貢献するなど、短期間でチームの救世主となるような存在へと上り詰めている。

代表歴

ハンガリーの世代別代表においても重要な存在としてチームを牽引しており、2022年8月には17歳でハンガリーU19でのデビューを経験。EURO2024年の予選ラウンドにてフル代表への招集も予想されていたなか、まずはハンガリーU21に招集されるなど段階を踏んでいる。とはいえフル代表に招集されるのも時間の問題だろう。

移籍の噂

 

この投稿をInstagramで見る

 

Krisztián Lisztes(@lisztesk)がシェアした投稿

フェレンツヴァーロシュTCとは2026年6月末までの契約を残しており、移籍についてはハンガリー国内での活躍から今後盛んに報じられる見通しだ。特に憧れのクラブに関する言及はされていないが、最も有力視されるのは父が引退後も有効な関係性を築いているシュトゥットガルトとブレーメン(ドイツ)の2クラブであり、時期的には直接観ることのなかったチームではあるが背中を追う可能性もあるだろう。ちなみにシュトゥットガルトで当時の父をスカウティングしたのはラルフ・ラングニックだ。また、過去のInstagramにおける投稿などから、ハンガリーのレジェンドであるフェレンツ・プスカシュが所属していたレアル・マドリードに対する憧れも持っていると推察される。

プレースタイル

父と同じくトップ下を主戦場としており、ウィングの位置でも起用可能なオプションを持っている。トップスピードを維持したまま次々と対峙するディフェンダーを交わす姿は父を彷彿とさせ、ダイナミズム溢れる縦への推進力で一気に局面を打開しながら得点機会に繋げることを得意としている。また、シュートセンスも非凡なものを持っており、レンジを問わないパンチ力のあるシュートもまた父譲りの才能だ。183cmの身長に均整の取れたウエイトの優れた物理構造に加え、純粋に高い身体能力がドリブルにも現れているほか、クロスボールにも良い反応を見せる。

タイトルとURLをコピーしました