名前 | ケフレン・テュラム(Khéphren Thuram) |
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生年月日 | 2001年3月26日 |
国籍/出身 | フランス(レッジョ・エミリア) |
身長 | 191cm |
ポジション | DMF/CMF |
所属 | OGCニース |
偉大なる父とレジェンドに育てられたテュラム家の大器
プレー動画
経歴
■2001-2019年(幼年期~ASモナコ)
彼の父親は説明が不要なレジェンドであるリリアン・テュラムであり、父がパルマAC(現:パルマ・カルチョ)に在籍した際に生まれたこともあり、生誕地はイタリアのレッジョ・エミリアとなっている。ケフレン(Khéphren)という名前はエジプトの第4王朝を統治したカフラー(Khafra)に因んだ名前であり、兄のマルクス(Marcus)もジャマイカの活動家であるマーカス・ガーベイが由来であるなど父リリアンらしさのある意味を込められていた。
最初に所属したクラブは当時の父がプレーしていたFCバルセロナであり、兄のマルクスと共に機会があれば父の練習を見に行き、ロナウジーニョやティエリ・アンリ、リオネル・メッシといった錚々たるメンバーとボール遊びをしていた姿が残っている。2006年からの2年間をラ・マシアで過ごした後、父が現役引退を決断したことで家族はフランスに帰国。フランスではパリ西部近郊のヌイイ=シュル=セーヌに本拠地を構えたアマチュアクラブであるオリンピック・ヌイイ(Olympique de Neuilly)に所属しており、2013年からは先に兄が加入していたACブローニュ=ビアンクール(ACBB)に移ると、2014年6月からはINFクレールフォンテーヌのプレフォルマシオンを優秀な成績で通過、それらの評価から2016年にASモナコの下部組織に移籍している。
兄はソショーを選んだが、弟の彼は父がプロキャリアを始めたASモナコに加入すると、既にフィジカルは完成されたものを持っていたことから16歳であった2017/18シーズンにはUEFAユースリーグ(U19トーナメント)に出場。2018年11月11日のパリ・サンジェルマンとのリーグ戦では、トップチームの負傷離脱者が相次いだことで指揮官であり父のチームメイトでもあったティエリ・アンリは彼を初招集し、同試合ではデビューに至っていないが同月28日に行われたUEFAチャンピオンズリーグのアトレティコ・マドリード戦では17歳ながらデビューを飾っている。結果的にASモナコのトップチームでの出場はデビュー戦を含む3試合の出場でシーズンを終えた。
■2019-2021年(OGCニース)
このままASモナコの次世代を牽引すると思われていた彼だが、モナコから提示されたプロ契約内容およびビジョンに難色を示したことで退団を決意。2019年6月にモナコとはコートダジュール・ダービーのライバル関係にあるOGCニースへの移籍が発表されると、多くの若手選手に魅力的なビジョンを提示したニースで最初のプロキャリアが始まった。2019/20シーズンは中盤で不動のポジションを築いていたピエール・レース=メルとウィラン・シプリェンのコンビに割って入ることは難しく、シーズン前半は出場時間も限られていたが、2020年2月からはシプリェンが負傷離脱したことによって先発メンバーに名を連ねるなど、初年度は16試合(665分)に出場している。
2020/21シーズンはウィラン・シプリェンがパルマに期限付き移籍をするも、代わりにベテランのモルガン・シュネデルランが加入。これによりポジション争いも厳しいものと思われていたが、指揮官のパトリック・ヴィエラはレース=メル、シュネデルラン、ケフレンの3人を並べる布陣を採用しており、開幕節から出場機会は与えられていた。ただ、アレクシ・クロード=モーリスも介入していることもあり、絶対的な存在とは言えないが19歳ながら重要な戦力となっている。
代表歴
2016年9月にデビューを飾ったフランスU16から世代別代表でのキャリアを歩んでおり、U17~U18を経て2019年9月からフランスU19にも選出されている。1998年の母国開催で父が成し遂げたワールドカップ優勝を兄弟で実現することにも期待が集まるだろう。既に兄のマルクスはフランス代表でのデビューも飾っているため、次は彼の番だ。
移籍の噂
OGCニースとは移籍時に2022年6月末までの契約を締結しており、来年で契約が切れることもあるため契約延長は間もなく行われるだろう。ASモナコ所属時の2017年にはユヴェントスが関心を持っていることが報じられており、現在は報道されていないが父が所属していたこともありチェックはしているのだろう。現在はACミランからの関心が熱いところだ。
プレースタイル
13歳当時で180cm/60kgのプロフィールであった彼の身長は、現在は191cmまで成長しており、その強靭なフィジカル構造を武器に中盤を支配するプレーヤーだ。物理的な強さだけではなく、スキルの高さも評価されており、細かなタッチで奪われることの少ないキープ力、相手を寄せ付けない推進力、展開力の高さも持ち味だ。フランス代表にはエドゥアルド・カマヴィンガなどライバルは多いが、ニースの指揮官であったパトリック・ヴィエラに学んだことは大きいだろう。