デイヴィド・ワシントン

選手紹介
名前デイヴィド・ワシントン(Deivid Washington)
生年月日2005年6月5日
国籍/出身ブラジルイトゥンビアラ)
身長187cm
ポジションCF/WG
所属サントスFC

本格的な覚醒が望まれるサントスの新たな逸材

プレー動画

経歴

■2005-2016年(幼年期~グレミオ)

ブラジル中部のゴイアス州に属する都市イトゥンビアラに彼は生まれ育っている。父親のフランシスコ・カルロス・エウジェニオは農業機械の整備士、母親のルシアは家政婦として働いているなど一般的な家庭環境であった。フットボーラーとしてのDNAは母親から受け継がれたものであり、幼少期からフットサルを続けている母の影響にて彼もまたボールを蹴り始めている。

3歳で地元の『エスコラ・ヘイ・ペレ』と呼ばれるサッカーの王様ペレの名を冠したスクールにてキャリアを始め、最初のコーチであるアレシャンドリ・ゴメスの指導を受けながら基本技術を学んでいた。同クラブはブラジル南部のポルト・アレグレに本拠地を構える『グレミオFBPA』と提携関係にあり、グレミオへの挑戦権をかけた一握りのセレクションに合格。家族は息子の夢を叶えるためにイトゥンビアラを離れることを決断し、わずか8歳(2013年)でプロ選手になるための一歩を踏み出している。

彼自身はグレミオの下部組織に適応していたが、両親は1,500km以上離れたポルト・アレグレでの生活に馴染むことができず、長く住むことは難しいと考えていたという。そこに救いの手を差し伸べたのが元ブラジル代表でASローマやレアル・ベティスでも活躍したマルコス・アスンソンであり、サントスFCのユース監督であったパウロ・ロブソンに連絡を取りながら彼を視察するよう指示し、そこで認められたことで『サントスFC』への移籍が実現した。

■2016-2023年(サントス)

サントスU11から始まった彼は、背番号「11」を着用した左ウィングの位置で起用されるも初年度を8試合の出場で無得点にて終了。2018年よりU13に昇格したことでセルジオ・アマラルの指導下に置かれると、主戦場としていた左ウィングだけでなくNo.9や右ウィングでもプレーするよう指示している。13歳の彼は左でしかプレーしたがらず不満や泣きべそをかくこともあったが、将来的にプレーの幅を広げるための意図を汲み取りながら取り組んでいたという。

U13(2018年)でも15試合無得点、翌年の2019年にはU15に昇格するもスタメンに定着することはできずに13試合の出場に留まるなど突出した存在ではなかったのが当時の評価であった。2020年はCOVID-19の影響によりU17カテゴリ以下のユース活動が制限されていたが、下部組織の選手がトレーニングを継続できるようU20に帯同するうちの1人に選ばれるも、まだ15歳と体力的にも厳しいことから昇格は見送られている。

COVID-19からの再開後(2021年)よりU17に組み込まれると、ガブリエウ・バッシンガーによってセンターフォワードとしての地位を確立。ウィング時代は「足下でボールを受けることができれば輝くが、それ以外は消えてしまう」という印象があり、もっとゴールに近くゲームの中心にいることで活躍の場が広がると判断したことによるコンバートであった。コンバートを含めてピッチ内外での成長を見せた彼は、U17カテゴリにおいて2021年に25試合11得点、翌年の2022年には30試合30得点と期待以上の活躍を残し、一時は見送られたサントスU20でもプレーするようになっている。

U20でも安定した成績を収めていた彼は、サントスFCがカンピオナート・パウリスタ(サンパウロ州選手権)で敗退したタイミングにてトップ帯同するようになり、オダイール・ヘルマンの下で2023年4月に行われたコパ・ド・ブラジル(カップ戦)3回戦のボタフォゴSP戦でデビューを達成。2023年5月にはU20ワールドカップで不在であったマルコス・レオナルドの代役を務め、ECバイーアとCRヴァスコ・ダ・ガマを相手に2試合連続得点を決めるなど、主力の不在時に評価を高めているところだ。

代表歴

センターフォワードとして開花するまでは平凡な成績であったことから世代別代表でのキャリアはなく、現在も招集を待ち望んでいる状況だ。

移籍の噂

サントスFCとの契約を2026年4月まで更新したばかりであり、移籍については現状では考えづらいだろう。また、現在のサントスFCでは絶対的なエースストライカーがいない環境であるため、クラブから重宝されることが予想される。

プレースタイル

187cm/74kgの体躯を持つ彼は、古典的なNo.9のようにボックス内のみ仕事を遂行するタイプではなく、下がりながらボールを引き出しポストプレーなどで前線の起点になるほか、サイドでボールを受けた際は縦への仕掛けも試みるなどオールマイティなスタイルとなっている。

これらはかつてウィンガーを本職としていた影響によるもので、広いストライドを活かした1vs1の強さから個でフィニッシュまで持っていけるのも評価できる箇所だろう。現時点では純粋なセンターフォワードというよりは柔軟にフロント3のどこでも起用幅を持ったアタッカーであるが、今後の成長曲線でどのような道に進むのかに注目すべきだ。

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