名前 | ビラル・エル・カヌース(Bilal El Khannouss) |
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生年月日 | 2004年5月10日 |
国籍/出身 | モロッコ/ベルギー |
身長 | 180cm |
ポジション | AMF |
所属 | KRCヘンク |
※Khannoussはカヌ、カンヌス、ハヌ、ハヌースとも表記されるだろう
圧巻のパスセンスでヘンクに彩りを添える才能
プレー動画
経歴
■2004-2019年(幼年期~アンデルレヒト)
4~5歳である2009年から名門RSCアンデルレヒトのアカデミーに所属しており、約10年間を同クラブの下部組織で過ごしていた。しかし、15歳を迎える直前にアンデルレヒトの将来よりも、KRCヘンクが提示したプロジェクトが魅力的だと感じたことで2019年夏にヘンクに移籍するなど、アンデルレヒトは世代別代表にも選ばれるような才能を失っている。
■2019-2022年(ヘンク)
ヘンクではU18カテゴリから始まるも、ほどなくしてヘンクU21に昇格。2021/22シーズンは10番を着用しながら躍動しており、UEFAユースリーグ(U19)ではリヴァプールにPK戦の末に敗れるもベスト16進出に貢献した。シーズン最終盤の2022年5月のプレーオフラウンドとなるKVメヘレン戦でトップデビューも達成している。
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2022/23シーズンではトップチームへの介入は見られるものの、基本的にはベンチに控えると思われていたなかでチャンスが訪れている。そこには同じくヘンクの未来を託されているルカ・オーイェンが開幕節での怪我による負傷離脱を強いられたこと、そしてチームの攻撃の核であった伊東純也の退団が重なったことにより、第2節以降の体制においてチョイスされたのが彼であった。
そんな第2節のスタンダール・リエージュ戦で初スタメンとは思えない適応力を見せた彼は、当季より新指揮官に就任したワウテル・ヴランケンから信頼を得るなど、最序盤の連勝街道で欠かすことのできない選手へと評価を高めている。このまま順調に出場を重ねたら瞬く間に注目を集めることだろう。
代表歴
14歳からベルギーU15の10番を着用していた彼は、ベルギーとモロッコの2つを代表選択する権利を持っている。2021年まではベルギーを中心に世代別代表キャリアを過ごしていたが、家族と代理人は18歳となった彼にどちらの代表を選択するかを問いかけていた。そして考え抜いた末にモロッコ代表として活動することを決断し、現在はその言葉通りにモロッコU20としてプレーしているところだ。
移籍の噂
KRCヘンクとは2026年6月末までの契約を残しており、デビューから日が浅いことから移籍に関する噂は報じられていない。ヘンクでも確かな戦力として数えられているため、1~2年はベルギーで成長を続けることが望まれる。
プレースタイル
ヘンクではトップ下とインサイドハーフで起用されている攻撃的なミッドフィールダーであり、特に優れているポイントは圧巻のパスセンスだろう。広いピッチ上で味方の動きを見逃さない視野に加え、裏のスペースを感知する能力の高さ、そこに対して最も適切なコースとボールスピードで一気にチャンスを演出するセンスは類を見ない。ここまでを一瞬の判断で遂行するから驚きだ。
当然だがボールコントロール技術も優れており、シンプルなタッチで相手をいなす冷静沈着な対応、反転から逆サイドのスペースへの展開を好むなどボールキープから前述のパスセンスが発揮される。こうしたチャンスメイクが光り、彼自身も好んでいるように感じるなかで、シュートへの積極性は現時点ではあまり多くは見られない。
守備については献身的というより必要最低限の役割をこなすことに留まっているが、生まれ持った180cmの身長(ただし細身)でハイボールの競り合いも苦としないため伸び代はあるだろう。課題としてはフルタイムの出場に耐えられるスタミナの構築、ボールコントロールに自信を持っているがゆえのボールロスト、チャンスメイクだけで満足せずにフィニッシュまで関与する積極性が挙げられるが、まだ18歳、時間は十分ある。