アルトゥール・フェルメーレン

管理人推薦選手紹介
名前アルトゥール・フェルメーレン(Arthur Vermeeren)
生年月日2005年2月7日
国籍/出身ベルギーリール)
身長180cm
ポジションDMF/CMF
所属ロイヤル・アントワープFC

ファン・ボメルが太鼓判を押すアントワープの至宝

プレー動画

経歴

■2005-2018年(幼年期~メヘレン)

ベルギー北部・アントウェルペン州の基礎自治体であるリール。王道の観光地ではないが、中世ヨーロッパの街並みが残る美しい都市にて彼は誕生した。家族は両親と2人の弟を含めた5人兄弟であり、最初のキャリアを歩み始めたのは元日本代表の川島永嗣が所属していたことでも知られている地元の『リールセSK』となっている。

リールセのU9カテゴリにて指導していたヤン・ファンヘネヒテンは、当時の彼が並外れた選手であったと回想しており、両足を遜色ないレベルで使うだけでなくゲームを読む能力にも優れていたことを語っている。また、ピッチ外では内向的な性格であり、常に課題意識を持ちながら能動的にフットボールに取り組むなど、当時からプロフェッショナルな姿勢を感じさせるような少年であったという。

両親としてはリールセから息子を引き離すつもりはなかったが、リールセが抱える慢性的な財政難とそこに追い打ちをかけた2部リーグへの降格が決定した2014/15シーズンを最後に退団。約3年間を過ごしたクラブに別れを告げ、次なるクラブとして選択したのが近隣都市メヘレンを本拠地とする『KVメヘレン』であった。メヘレンでも考えるスタイルが評価されており、毎試合得点を量産するような主役ではなかったが、常に自分とチームメイトに対して厳しく接しながら行動でチームを牽引するなど、ブレない一貫した姿が彼の真髄だ。

このメヘレンで続ける選択肢もあったが、2018年5月より現在も所属する『ロイヤル・アントワープFC』に移籍することを選択。当時のアントワープはベルギー国内のユースシステムを評価するライセンスで「エリート2」に位置づけられ、新たに「エリート1」を目指したユースプロジェクトが発足しており、そのビジョンに彼は惹かれていた。メヘレンは既にエリート1であり、上位のユースカテゴリでプレーできる環境でありながらも、彼はより自己成長が期待できるとしてエリート2に身を置くことを選択している。

■2018-2023年(アントワープ)

メヘレンではセンターバックが彼の役割であったが、父トーンは息子が1列前の中盤が適正ポジションであると主張しており、そのプランに同意したのもアントワープであったという。こうして中盤の選手として育成されるようになった彼はベルギーの世代別代表にも選出されるなど、順調な成長曲線を描いていた。

17歳で迎えた2022/23シーズンでは、新監督に就任したマルク・ファン・ボメルの下でプレシーズンからのトップ帯同が許されており、2022年8月にはUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(UECL)の予選3回戦となるリレストレムSK(ノルウェー)戦にてトップデビューを経験。ユースシステムからの昇格事例が少ないアントワープにおいて改革効果を証明しながら、国内外のカップ戦と3部リーグに属するリザーブでのプレーをシーズン序盤は中心としていた。

 

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アントワープはリーグ開幕から9連勝とかつてない好スタートを切っていたが、FIFAワールドカップによる中断直前の時期にかけて苦戦を強いられており、さらには開幕から中盤を支え続けていたアルハッサン・ユスフとピーター・ゲルケンスが揃っての負傷離脱、ラジャ・ナインゴランが追放されるなど不測の事態が生じていた。これらを解決するべく中盤が再構成されたなかに彼が含まれており、そこからはレギュラーの座から降りることなく期待に応え続け、気づけばレギュラーシーズンの20試合(1629分)に出場している。

優勝プレーオフラウンドの前には古巣であるメヘレンを破ってのベルギーカップ優勝に貢献。勢いそのままに挑んだプレーオフでも安定したパフォーマンスにて全6試合を戦い抜いた末に、1957年以来となる66年ぶり5度目のリーグ制覇を達成するなど、ルーキーにしてアントワープが描いていたプロジェクトの成果を彼は証明した。

代表歴

ベルギーの世代別代表では常に選出されているエリートであり、U17EURO(2022)でも中心的な選手として出場している。2022/23シーズンの活躍に伴い、1シーズンの間にベルギーU18/U19/U21まで招集されるなど、今後のベルギー代表としてのキャリアにも注目が集まっている。

移籍の噂

ロイヤル・アントワープとは2026年6月末までの契約を残しているが、18歳の若さでベルギーリーグを制した原動力になった評価によって既に様々なクラブからの触手が伸びている状況だ。マンチェスター・ユナイテッドはカゼミーロとフレッジの後継者、バルセロナはブスケツの後継者としてリストアップしていると報じられている。

市場価値も急上昇しており、アントワープとしても適切な金額であればクラブの育成ビジョンの実現にも繋がるため、売却に応じると思われる。また、彼とその家族は代理人と契約することを好んでおらず、現状はチーム・フェルメーレンとして個人での対応を行っており、スカウトからのキリのない問い合わせは好んでいないという。

プレースタイル

アントワープでは18歳ながら中盤の底(アンカー)を任されており、それらに不安を感じさせないほど秀でたインテリジェンスと試合展開を読む能力は群を抜いたものを持っているだろう。冷静沈着にバランスを取りながら安定感を与えるだけでなく、味方がパスコースを制限した連動的な動きからインターセプトなどでボールを奪取するほか、危険なシーンでは素早く献身的にカバーリングに入りスペースを潰すなど頭を使った守備のスキルは一流だ。

また、テクニックやパスセンスではイニエスタとシャビの両方の要素を持った選手であると称されることもあり、中盤のプレッシャー下でも相手のベクトルを逆手に取るタッチやボールを隠しながら少ないタッチ数で落ち着いてパスを供給するなど両者の特徴を備えている。パスセンスも非凡であり、ファイナルサードへのラインブレイクパスで一気にチャンスを演出するのも得意領域となっている。

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