名前 | アルドン・ヤシャリ(Ardon Jashari) |
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生年月日 | 2002年7月30日 |
国籍/出身 | スイス(シャム) |
身長 | 181cm |
ポジション | DMF |
所属 | FCルツェルン |
※Ardonはアードンとも表記される
グラニト・ジャカの後継者となる若き闘将
プレー動画経歴
■2002-2013年(幼年期)
永久中立国であるスイスのツーク州に位置するシャムに生まれた彼は、アルバニアを始めとするバルカン半島の諸国にルーツを持っている才能だ。音楽家として活動する父親のアルメンド・ヤシャリに見守られながら地元の『FCバール』『ツーク94』『チーム・ツーゲルランド』を転々としており、2013年頃に現在の『FCルツェルン』に入団しながら本格的なキャリアを歩み始めている。
■2013-2022年(ルツェルン)
ルツェルンでの軌跡は父のYouTubeアカウントから確認することが可能であり、幼い頃からテクニックに優れた姿を見せながら、16歳となる頃にはルツェルンのU18カテゴリでのプレーを開始。攻撃的なポジションを中心にリーグ戦では20試合5得点の成績でエリートリーグの準優勝に貢献すると、翌年にはU18でキャプテンマークを着用しながら絶対的な存在になるだけでなく、2019年9月には17歳でU21カテゴリのデビューを飾っていた。
同シーズンはCOVID-19で中断するも、4ヶ月ぶりのリーグ再開となった2020年夏頃にはファビオ・セレスティーニが率いるトップチームに帯同することも増え始め、2020年7月のスイス・スーパーリーグ(スイス1部)第35節のFCチューリッヒ戦にてトップデビューも達成している。翌2020/21シーズンはトップチームでの出場機会は得られず、彼が日の目を見るようになったのは2022年になってからのことであった。
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2021/22シーズンも開幕からルツェルンU21のキャプテンとして4部リーグを戦っていたが、その一方でトップチームがリーグの最下位に沈む低迷期が訪れておりクラブの雰囲気は最悪なものとなっていた。この状況を見かねたクラブは新指揮官としてマリオ・フリックを招聘すると、そこから再構築されたチームにおいて彼はU21からトップチームにおける中盤の底を任されるようになり、シーズン残り半分で一気に主力へと定着。累積警告を除いた残り全試合に出場し、自動降格圏であった10位から入れ替えプレーオフとなる9位に順位を上げ、2022年5月に行われたFCシャフハウゼンとの入れ替え戦では1stレグで得点を奪うなど、ルツェルンの残留に貢献している。
この残留劇から信頼を得たことで、2022/23シーズンには19歳ながらチームの副キャプテンに任命されており、既に今季限りでの現役引退を表明している主将のクリスティアン・ゲントナーがベンチに控えることも多いことから、必然的に毎試合のキャプテンマークを彼は着用していた。FCチューリッヒとの開幕戦では2枚目の警告で退場となる出来事もあったが、その後も出場機会は与えられており、ルツェルンの若き主将として評価を急上昇させているところだ。
代表歴
自身のルーツの関係からアルバニア、マケドニア、コソボも選択することができるとされ、実際にアルバニアサッカー連盟は動向を追っていたが、2022年3月にスイスU21でのデビューを飾っている。その後、2022年9月にUEFAネーションズリーグのチェコ戦にてスイスのフル代表デビューをしたことで代表選択に終止符が打たれると、同年11月にはFIFAワールドカップの本大会メンバーにわずか1試合のキャップながら招集されるなどサプライズの1人として話題となった。
移籍の噂
直近の2022年6月にFCルツェルンとは契約延長しており、新たな契約期間は2026年6月末までとなっている。既にアヤックス、ナポリ、アーセナル、ニース、ソシエダといった様々なクラブからの関心を集めるなど、次なるチャレンジも視野に入っているところだ。ルツェルンにおける売却額のクラブレコードは400万ユーロ程度であるため、移籍には1000万ユーロ以内で応じることが考えられる。
プレースタイル
ユースカテゴリでは10番を着用するなど攻撃的なミッドフィールダーとしてプレーしていたが、トップチームではそのポジションを中盤の底(アンカー)に移しており、そこで自身の新たな価値を証明している。ピッチ上で絶え間なく動き続ける無尽蔵な運動量、粘り強くアグレッシブにボールを回収する能力、自陣でのパス成功率が90%を超えるなど安定した供給力で評価できるほか、元が攻撃的であるため一瞬のスイッチでゴール前に顔を出しながらチャンスを演出するだけでなく、ボックスの外からでもゴールを狙う積極性で攻守の両面で優れた姿を見せる。
ユースカテゴリからキャプテンとして牽引するなどリーダーの資質を持ち、フィジカル面でもルツェルンの公式サイトでは181cm/82kgと屈強なフィジカルバランスとなっている。既にスイス国内ではグラニト・ジャカの後継者として位置づける声も多く、次世代のスイスを担う筆頭として期待されている選手だ。