アルフォンソ・デイヴィス

選手紹介
名前アルフォンソ・デイヴィス(Alphonso Davies)
生年月日2000年11月2日
国籍/出身カナダブドゥブラム)
身長180cm
ポジションLWG
所属バイエルン・ミュンヘン

難民として困難な道を歩みながらカナダで活躍する神童

プレー動画

経歴

彼の両親はリベリア人であり、第二次リベリア内戦の戦火から逃れるべくガーナのブドゥブラムにある難民キャンプでの生活を余儀なくされた。彼はその時に誕生した子である。生まれながらにして祖国の地を踏むことができない困難な環境であったが、5歳の頃にカナダ・ウィンザーに難民として移住をしたことでカナダでの生活が始まる。カナダ第5の都市であるエドモントンに移り住むと、地元のサッカークラブであるエドモントン・インターナショナルズ、エドモントン・ストライカーズにてプレーを始めている。

そして2015年より彼はバンクーバー・ホワイトキャップスFCと契約を交わす。2016年シーズンのプレシーズンツアーではトップチームに帯同をし、評価を高めUSL(アメリカ2部リーグ)に所属するリザーブチームであるホワイトキャップスFC 2とのプロ契約を結ぶこととなった。その時点で15歳3ヶ月だった彼はUSL史上最も若いプロ選手となっている。USLでは第2節のティンバーズ2との試合でデビューを果たすと、第8節のLAギャラクシーⅡとの試合において最年少得点記録となるプロ初得点を記録した。

そんな彼の活躍に目をつけたトップチームは2016年のカナダ・チャンピオンシップを戦うメンバーとしてロースター(短期契約)を交わした。第1戦のオタワ・フューリーFCとの試合にてトップチームでの初出場となっている。その1ヶ月後の7月には、トップチームであるホワイトキャップスFCとの契約を2018年まで結び、シーズンの後半戦をMSLで戦うこととなった。

2016年シーズンの後半戦、第20節オーランド・シティとの試合でついにMSLデビューを果たすと、フレディ・アドゥーに次ぐ歴代で2番目に若い出場となった。このシーズンはMSLにおいて得点こそ奪えなかったものの鮮烈な印象を残している。

CONCACAFチャンピオンズリーグから始まった2017年シーズンでは、グループリーグ第3節のカンザス・シティとの試合において、この日の全ゴールに絡む1ゴール1アシストの記録を残しトップチームでの待望の初得点を挙げた。一方のリーグ戦では昨シーズンに引き続き得点は奪えなかったが、チームの戦力として数えられるようになり、26試合への出場となっている。

2018年シーズンの彼は、これまでのシーズンとは違い開幕戦であるモントリオール・インパクトとの試合で1ゴール1アシストと最高のスタートを切ると、第15節のオーランド・シティ戦における1ゴール3アシスト、第22節のミネソタ・ユナイテッド戦での2ゴール2アシストに代表されるようにMSLでも結果を残す活躍をした。シーズン途中だが、現時点(2018年8月19日付け)で23試合5得点8アシストと大健闘をしている。

2018年7月25日には、ドイツの世界的な名門クラブであるバイエルン・ミュンヘンとの契約を交わし、移籍金1000万ユーロでの取引となった。2018年は引き続きMLSでのプレーとなり、18歳を迎えた後になる2019年1月よりバイエルンに加入する契約内容となっている。1000万ユーロでの取引だが、移籍金に関連した金額も含めると2000万ユーロにも膨れ上がり、これはMLSからの移籍としては史上最高額となる見通しだ。

代表歴

リベリア人でありながら、カナダの世代別代表に2014年からプレーをしており、2016年にはカナダのU-20代表でのプレーも見られた。2016年と2017年におけるカナダのU-17最優秀選手に選出されており、インタビューでも「カナダでプレーをすることが私の夢のひとつである」とも語っておりカナダでのプレーを臨んでいた。

こうしたこともあり、2017年6月に正式にカナダの国籍を所得したことが発表されると、同日に開催されたキュラソーとの親善試合において16歳7ヶ月の最年少記録でデビューを果たした。続いて7月に開催されるゴールドカップ2017の代表メンバーにも招集をされると、グループリーグ初戦のガイアナを相手に2得点を挙げ、ゴールドカップでの史上最年少得点記録を樹立した。同大会では準々決勝でジャマイカに敗れるも、グループリーグで3得点を記録したことにより得点王タイ+大会ベストイレブンに選出をされている。これからのカナダの歴史を担っていくだろう。

移籍の噂

2019年1月から加入が決まっているバイエルンとの契約は2023年夏までの長期契約となっている。まだヨーロッパでの実績がないだけに将来的なことは見通しが立たないが、直ぐ様バイエルンのトップチームでプレーをするとは考えづらいため、レンタルで貸し出される可能性も高いだろう。まずはヨーロッパの地に慣れることが求められる。

プレースタイル

身長は高いとは言えないがアフリカ人特有の身体能力と、ドリブルセンスに定評がある。しかし、同じくMLSからヨーロッパへと進出をしたフレディ・アドゥの前例があるように、彼に対して疑問視をする声も少なくはない。荒削りな部分も見られるため、こうしたことを言いたくなる気持ちも分からなくはないが、彼はまだ17歳だ。まだ見守っていく必要は十分にあるだろう。

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