イスマエル・コネ

選手紹介
名前イスマエル・コネ(Ismaël Koné)
生年月日2002年6月16日
国籍/出身カナダアビジャン)
身長188cm
ポジションCMF
所属CFモントリオール

7歳で祖国を離れた無限の可能性を秘めるカナダのホープ

プレー動画

経歴

■2002-2020年(幼年期~CSサン・ローラン)

「イスマエル・コネ」という名前が象徴するように、彼の血筋は西アフリカのコートジボワール共和国にあり、同国の最大都市であるアビジャンにて生まれている。カナダでの生活が始まったきっかけはコートジボワールの内戦から逃れてきたことにあり、父をコートジボワールに残しながら母スザンヌと7歳(2010年)でモントリオールにやってきたという。最初にできた友達が英語、でも彼はフランス語という全く異なる文化での生活について苦労したと答えつつも、こうした言葉の壁を取り払ったのがサッカーであった。

母が銀行勤めになったことから多文化の人が暮らすモントリオールのノートルダム=ド=グラース地区に引っ越すと、そこで最初のクラブとなる『ASノートルダム・ド・グラース(通称:NDGSA)』に入団。当時はコートジボワールの伝説的なストライカーであるディディエ・ドログバがモントリオール・インパクトに在籍しており、彼もまたドログバに憧れるようにしてプレーしていた。NDGSAはサッカーを誰もが楽しめることをビジョンに掲げている街クラブであり、そこでユース時代を過ごしていた彼は15歳のときに初めて母にプロ選手になりたい夢を明かしている。

 

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こうしてプロになることを目標に掲げた彼は、より質の高いトレーニングを受けるためにセミプロクラブとなる『CSサン・ローラン』に身を置くと、そこから彼の物語が加速している。彼をサン・ローランで見守ってきたのが元カナダ代表でもあったロッコ・プラセンティーノであり、14歳の頃から対戦相手として認識していた彼をピックアップしながらカナダ国内のユース選手権で起用。40ヤード(36.58m)からゴールを決めるなど印象的な活躍を残すと、そこで作成されたプレー動画によってジョナサン・デイヴィッドの代理人も務めているニック・マヴロマラスを魅了していた。

この出会いが18歳となったタイミングで欧州に渡ることを実現しており、マヴロマラスのコネクションでベルギーのKRCヘンクとロイヤル・エクセル・ムスクロンでのトライアルに挑戦。しかし、想像よりも速く激しかったと語るようにレベルの高さに圧倒されたこと+COVID-19の影響で再びカナダに戻ったという。この挑戦でよりプロカテゴリとの距離を実感した彼は、サン・ローランでさらなる努力を重ね、最終的には18歳でU21カテゴリでのプレーを実現させている。

■2020-2022年(CFモントリオール)

同時期にはモントリオールを本拠地に構える『CFモントリオール(旧モントリオール・インパクト)』の練習に参加しており、U23カテゴリでの数日間で才能の大きさを証明。2021年3月からのトレーニングキャンプには未契約状態ながらゲストとして参加し、練習試合でのパフォーマンスはスタンドで観戦していた多くのアナリストが評価したという。そんな活躍ながらも未契約だった理由はMLSの複雑なルールに伴う申請上の都合であり、これらを乗り越えた5ヶ月後の2021年8月にプロ契約にてCFモントリオールへの正式加入が決定している。

2021年シーズンの途中ということもあり初年度はいくつかの試合でのベンチ入りで終えると、デビューを迎えたのは2022年2月に行われたCONCACAFチャンピオンズリーグのサントス・ラグーナ(メキシコ)戦であった。この試合でフル出場を果たすと、パス成功率93%のスタッツを記録するだけでなく、ベスト16ラウンドの重要な試合ながら初ゴールもあわせて記録。こうして最高のスタートを切った彼は、同月より開幕したMLS(アメリカ1部)でも中心的な存在へと成長し、本格的な挑戦となった2022年シーズンを32試合4得点5アシストの成績で終えている。

 

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代表歴

コートジボワールを代表することも当然可能であったが、デビューから1ヶ月後の2022年3月にカタールワールドカップの最終予選に向けたカナダのA代表に初招集。そのままコスタリカ代表戦で初キャップを飾り、7歳から過ごしているカナダのユニフォームを着用することを選択している。その後もカナダ代表に選出されていた彼は、カタールワールドカップの本大会メンバーにも選ばれるなど活躍が期待されている。

移籍の噂

2022年夏の移籍市場では既に大きな動きが報じられており、それがチャンピオンシップ(イングランド2部)に属するノリッジ・シティとシェフィールド・ユナイテッドからのオファーであった。7桁ドルの金額で獲得を試みたが、シーズン途中であったことや後に控えるカタールワールドカップにおいて市場価値が向上することを見込んでいたことから交渉は破談に終わっている。2023年1月の移籍市場での退団は既定路線であるため、CFモントリオールのクラブ史上最高額にて売却されるだろう。

プレースタイル

ピッチ上の広い範囲で躍動する右利きのボックス・トゥ・ボックスプレーヤーであり、ユースカテゴリでは攻撃的な役割も担っていたことから、通常のボランチ以外にもトップ下やセカンドトップとしての起用も可能な一面を持っている。その課されるタスクは多岐に渡るが、基本的には距離を問わないパス精度の高さを活かした起点となる役割であり、188cmの体格によるストライドの大きなボールタッチによるキープ力、一気にボールを前進させるドリブルなど中盤で快適にプレーできるのが強みだ。

攻撃的な面では2、3列目からゴール前まで顔を出し、折り返しのボールをシンプルかつ的確なコースに叩き込むことも多く、チャンスメイクだけではない決定的な仕事も彼は遂行してみせる。また、遊び心の溢れるプレーも彼の魅力だ。そのキャリアは異質でプロクラブでの経験年数が浅いながらもプレースタイルには熟練されたものを感じさせ、プレースタイルの類似選手としてはポール・ポグバが的確な例えだろう。

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