名前 | ダヴィド・ダトロ・フォファナ(David Datro Fofana) |
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生年月日 | 2002年12月22日 |
国籍/出身 | コートジボワール(ウラガヒヨ) |
身長 | 181cm |
ポジション | CF |
所属 | モルデFK |
コートジボワール3部からチャンスを掴んだ逸材
プレー動画
経歴
■2002-2021年(幼年期~アビジャン・シティ)
西アフリカの南海岸に位置するコートジボワール共和国。彼は同国の中南部で栄えるウラガヒオと呼ばれる地域で誕生した。なお、同地域はセルジュ・オーリエやフランク・ケシエといった才能を輩出した場所としても知られている。幼少期はアビジャンの富裕層が暮らす街として知られるココディで育っているが、彼自身は父親(彼が11~12歳の頃に病気で他界)が教授で母親はニワトリなどを売っていたなど、特別な裕福ではないが安定した家庭であったそうだ。
兄の影響でサッカーを始めているが、専門的な指導を受けずにストリートサッカーによって才能を磨いており、兄の友人らに混じって小さな彼はしのぎを削っていたという。9年生(中学3年生)になると学校を中退してサッカーに集中することを選んでおり、母親も熱狂的なサポーターであったが勉強を捨てた息子の選択には同意することができなかった。
その後、いくつかのクラブにアピールを続けていたが、「何かが足りない」と断られることが続くなど挫折を経験。それでも兄と一緒に訪れてチャンスを掴んだ『アビジャン・シティFC』によって彼のキャリアに一筋の光が差し込んでいる。
アビジャン・シティは元コートジボワール代表のマルコ・ネが創設したクラブとして知られており、アマチュアカテゴリとなるD3(コートジボワール3部)を戦っていたことから弱冠16歳そこらの彼でも出場機会を獲得。すると、2019年夏にはD1(コートジボワール1部)の『AFADドジェカヌー』が興味を示し、1年間の期限付き移籍が実現。そこで17歳の彼は6得点5アシストを記録したことで海外からの熱視線も送られるようになっている。
国外移籍が解禁される18歳となった2021年冬の移籍市場では、アビジャン・シティ側より彼がアンジェSCO(フランス)への移籍が決まったことを発表。しかし、その知らせはアンジェが即座に否定しており、クラブ間合意は認めつつも正式な契約には至っていないことを主張していた。これは、彼がアビジャン・シティではなく代理人(アッタ・アケネ氏)の声に耳を傾けていたことによるものであり、アンジェではなく数日間のテストを実施していた『モルデFK(ノルウェー)』に移籍したのだ。
アビジャン・シティは契約が不当として訴えるも、D3に有効なプロ契約は存在していない(かつ母親のサインが偽造されていると主張)と反論するなど移籍の際に一悶着あったが、結果的にはノルウェーでの挑戦が認められている。ちなみに家族や友人からもフランスではなくノルウェーを選んだことへの懐疑的な声もあったという。
■2021-2022年(モルデ)
モルデでのデビュー戦は2021年2月に行われたヨーロッパリーグ(EL)1回戦のホッフェンハイム(ドイツ)が相手であり、1-3でリードを許していた重要な場面での投入であったが、74分に左足で冷静にゴールを決めるなど2ndレグに望みを繋げる貴重な同点弾を記録。その後の国内リーグでは18試合の出場で得点を奪うことはできなかったが、カップ戦を含めると初年度を26試合3得点3アシストの成績で終えている。
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2年目となる2022年シーズンでは無得点に終わってしまったリーグ戦にて悔しさを晴らすかのように、ここまでの18試合でチーム内のトップスコアラーとなる9得点を記録。UEFAカンファレンスリーグを中心に再び欧州の舞台でもその実力を証明しようとしているところだ。また、アーリング・ブラウト・ホーランドがモルデ時代に住んでいたアパートを彼もまた選んでいるなど話題性に事欠かない。
代表歴
2019年9月にアフリカ・ネーションズ・チャンピオンシップ(CHAN2020)の予選ラウンドであるニジェール代表との試合にてフル代表デビューを飾っている。ただし、同大会は国内リーグの所属選手のみに出場が認められるコンペティションであるため、海外組も含まれたコートジボワール代表での出場には至っていない。それでも2020年11月には海外組も含まれたフル代表に選出されているなど、今後のステップアップ次第では再び返り咲くことも可能だろう。
移籍の噂
コートジボワール国内でプレーしていた際には前述のアンジェの他にも、レンヌ、ニース、リール、モナコ、そしてベルギーやオランダのクラブも獲得を検討していた。一悶着ありながら加入したモルデFKとの契約は2024年12月末までとなっているが、国内リーグが終了した後の移籍市場(2023年冬)では争奪戦になることも考えられる。
既にインタビューでもイングランド・プレミアリーグには今すぐにでも行きたいと語るほどの情熱を持っており、代理人を務めるアッタ・アケネ氏もノルウェー史上最高額での移籍となるだろうと将来的な価値に自信をのぞかせた。
プレースタイル
足元の技術に自信が見られるセンターフォワードであり、181cmと身長に際立った優位性はなくとも優れたボールコントロールから相手ディフェンスを振り払い、シュートまで到達できることでゴールを奪うが、シュート数に対しての決定力についてはまだ改善の余地があるスタッツとなっている。フィジカルバランスの良さとスピードにも優れているため、ウィンガーとしても起用が可能だ。
これまでのキャリアやインタビューでものぞかせているようにポジティブ思考でかつ意見をあまり曲げない自信家な性格であるため、モルデでの最初の頃は個人技(ドリブル)に頼り、そして個人技に逃げがちなスタイルであったことがあり、そこでいくらかの時間をかけて今のようなチームメイトとの協調性のある姿に変えていったそうだ。ややクセの強そうな選手であるが、上手くコントロールできれば主要リーグでの成功も見えるような存在だろう。