名前 | カストリオト・イメリ(Kastriot Imeri) |
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生年月日 | 2000年6月27日 |
国籍/出身 | スイス(ジュネーヴ) |
身長 | 181cm |
ポジション | CMF/WG/AMF |
所属 | セルヴェットFC |
※Kastriotはカストリオ、カストリオットとも表記される
挑戦への準備が万全となったジュネーヴの宝石
プレー動画
経歴
■2000-2013年(幼年期~メイラン)
両親はバルカン半島中部の内陸部に位置するコソボで育ってきた人物であり、コソボ紛争が始まる直前となる1990年代にスイスのジュネーヴに移住するなど彼のルーツには現在のコソボ共和国が深く関わっている。そのため生まれはジュネーヴであり、ジュネーヴ州北部のメイランで過ごしながら、5歳のときからボールを蹴り始めていた。
初めて所属したのはヨハン・フォーゲルやパトリック・ミュラーといったスイス代表選手を輩出しているメイランFCであり、そんな育成力に定評のあるクラブでは徐々に1999年生まれのカテゴリに組み込まれるようになっていた。14歳になると130年以上の歴史を持つセルヴェットFCの下部組織に入団し、多くの移民系の選手が在籍するクラブにて彼もまた才能に磨きをかけることとなる。
■2013-2022年(セルヴェット)
セルヴェットFCではエリック・セヴラックが率いるU14チームからスタートし、当時は本職の中盤だけでなくチームに離脱者が出た場合には違うポジションをこなしていた。特にU14ではサイドバックとしてプレーすることも多かったという。その後、U16を通過した彼は15歳ながらセルヴェットU18に昇格しており、エリートリーグにおいても存在感を示しながらU18リーグでは29試合7得点を記録した。
2016/17シーズンの最終盤にはチャレンジリーグ(スイス2部)でのデビューを16歳で飾り、翌2017/18シーズンは正式にトップチームに昇格。17歳であったが2部リーグに属するチームの戦力として数えられ、FCアーラウ戦では初ゴールを奪うなどリーグ戦では26試合に出場しており、国内外からの関心も集めるようなパフォーマンスであった。2018/19シーズンは思うような出場時間とはならないも、クラブは再び113年間を過ごしたスイス・スーパーリーグ(スイス1部)に返り咲いている。
彼もまた2019/20シーズンよりスイス1部でのチャレンジが始まるも、前年と同様に定位置を掴むまでにはいたらなかった。そんな状況下でも終盤の4試合で4アシストという結果を残しており、2020/21シーズンは微増ながら出場機会を獲得。シーズンを終える頃には20歳にして通算100試合以上に出場するなど経験も培われていた。
2021/22シーズンは彼が真価を証明した1年であり、開幕節のFCシオン戦ではシーズンの始まりを告げるチームのオープニングゴールを記録。第12節からの5試合連続得点(計6得点)でシーズン前半における象徴的な存在として崇められ、2022年冬の移籍市場では退団の報道が盛んに報じられるほどであった。ひとまずの残留を決断した彼は最終的に同シーズンをキャリアハイとなる11得点1アシストの成績で終えている。
代表歴
16歳でトップデビューを飾っていることもあり、スイスの世代別代表では飛び級でのデビューを達成している。2021年3月にはU21欧州選手権の本戦にも出場し、イングランドを相手には1アシストで勝利に貢献。クロアチア戦でも30分程度の出場時間で1得点1アシストと迫るも、結果的にグループリーグ敗退にて同大会を終えた。
2021年11月にはトップチームの活躍が評価され、ワールドカップ予選のイタリア代表との試合にてスイスでのフル代表デビューも飾っている。
移籍の噂
2018年頃からスイス国外のクラブによる関心が報じられており、初期段階ではアタランタとサンプドリア(共にイタリア)の名前が挙がっている。時を現在までに戻すと、フィオレンティーナ(イタリア)、クラブ・ブルッヘ(ベルギー)、フランクフルト(ドイツ)が獲得に動いているとされ、2022年夏の移籍市場での退団は既定路線となっているところだ。
彼を長年指導してきたセルヴェットFCの指揮官であるアラン・ガイガーは、出場時間を得られることが重要であると語っており、移籍先についてもそこを見誤ることでの失敗を危惧している。彼自身は将来的なドイツ・ブンデスリーガへのチャレンジを希望していることを公言しており、アーセナルやマンチェスター・シティなどでプレーした同国を代表するガエル・クリシーからは「絶対に自分を必要としてくれるクラブにしか行くな」とアドバイスを受けるなど、熟考を重ねた選択となる見通しである。
プレースタイル
与えられた役割は何でもこなせるようなタイプである彼は、本来はピッチの中央にて可能な限りボールに関与することを好んでいるものの、現在では左サイドのアタッカーとしても評価されるような選手へと成長している。中盤では創造性に富んだラストパスで得点機会を演出することを得意とする一方、左サイドに配置されるとよりエゴイズムにゴールを狙いに行くスタイルとなり、優れたテクニックで侵入しながらアラン・ガイガーが爆弾と評するような攻撃力を発揮する。
ボールタッチとキックの質は高水準であり、右足(利き足)では直接フリーキックも得意とするほか、左足でも的確にゴールへと沈める精度は彼の技術力の高さを証明するだろう。スイスU19のほか、今季の冬からは主将の退団に伴いセルヴェットFCのキャプテンシー・グループにも含まれるほどのキャプテンシーも持っており、既にトップチームでは150試合に近い経験値を持っているのは大きなアドバンテージとなっている。その一方で軽いものがほとんどでありながらも細かい離脱を繰り返すのは不安要素だと言える。