名前 | ユヌス・ムサ(Yunus Musah) |
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生年月日 | 2002年11月29日 |
国籍/出身 | アメリカ(ニューヨーク) |
身長 | 178cm |
ポジション | WG |
所属 | バレンシアCF |
内部崩壊するバレンシアを照らす大きな才能
プレー動画
経歴
■2002-2019年(幼年期~アーセナル)
両親は共にガーナ人であるが、生地主義を取っているアメリカ合衆国の国籍を取得するためのいわゆる「出産旅行」にて彼は誕生した逸材だ。そのため生後数ヶ月間はアメリカのニューヨークにて過ごしていたが、すぐさまヨーロッパに生活の拠点を求め、イタリア北東部のカステルフランコ・ヴェネートに移り住んでいる。最初に所属したクラブは地元のカステルフランコ・ヴェネートを本拠地に構えるASDジョルジョーネ・カルチョであり、9歳まで過ごしたイタリアでの生活は同クラブでのプレーとなっていた。
10歳の誕生日を迎える前にイギリスのロンドンに引っ越すと、新たな土地ではアーセナルFCの下部組織に加入し、国内外の有望選手が集まる環境に身を置くことで自身の才能をさらに開花させるようになっている。4年後の2017年10月には14歳でアーセナルU18でのデビューを飾っており、2018/19シーズンにはU18プレミアリーグ(イングランドU18リーグ)において15試合/4得点・3アシストを記録しながら西地区でのリーグ優勝に貢献するなどアーセナルの未来を担う一人として認識されていたという。
■2019-2020年(バレンシアCF)
2019年8月よりスペインのバレンシアCFに加入。
実はアーセナルU18でリーグ制覇を達成する前の2018年5月に彼はユヴェントスへの移籍が確実視されていた。結果的にユヴェントスとは破断となりアーセナルに残留することを選んでいたが、その当時にユヴェントスで彼をスカウティングしていたパブロ・ロンゴリアがバレンシアで新たな職に就いたことがきっかけとなり、再び彼にアプローチをかけたことで2019年夏よりバレンシアに移籍することが決定した経緯となっている。アーセナルとしても手放したくなかったが、バレンシアがより彼のキャリアプランを明確に提示したことが決定打となったそうだ。
加入当時の監督であるマルセリーノの下ではメインチームのトレーニングに参加するなど16歳にかける期待は大きなものであったが、アルベルト・セラーデスが就任したことでセグンダ・ディビシオンB(スペイン3部)に属するバレンシア・メスタージャ(バレンシアB)の配属となり、主にBチームでのプレーが中心であった。
2020/21シーズンは新たな指揮官であるハビ・グラシアの信頼を勝ち取ったことや、クラブ内部の崩壊によって多くの主力選手が退団したことも重なり、彼はプレシーズンからメインチームでの立ち位置を確立していた。そして迎えた2020年9月のラ・リーガ(スペイン1部)開幕戦となるUDレバンテ戦にてトップデビューを飾っており、バレンシア史上5番目の若さでの出場となっている。
その後もチームの主力として出場を重ね、第8節のヘタフェ戦では初ゴールも記録しており、イ・ガンインが保持していた外国籍選手での最年少得点記録も更新するなど、バレンシアの内部事情とは裏腹に彼にとっては充実なシーズンを過ごしている。
代表歴
2016年に14歳の誕生日を迎える直前にイングランドU15に招集されたことを皮切りに、アーセナルでの在籍時にはイングランドU15~U18までの世代別代表に選出されていた。フル代表としてはイングランド、イタリア、ガーナ、アメリカの4ヶ国から選択できる権利があり、バレンシアでのブレイクを機に報道が活発化されていたが、2020年11月に出生国であるアメリカ合衆国でのフル代表デビューを飾ったことで、最も関連性の薄いであろうアメリカを選択したことは意外な結果となった。
移籍の噂
バレンシアで充実した時間を過ごしている彼には、徐々に多くのクラブからの関心を集めることになるだろう。バレンシアとの契約は2022年6月末まで残しているが、ピーター・リムの一声によって移籍に転じることも可能性としては低くない。
プレースタイル
アーセナルの下部組織ではウィングハーフといった中央よりのポジションにて知られており、バレンシアに加入当初もパトリック・ヴィエラを彷彿とさせるような選手として紹介されていたが、元々のポテンシャルを発揮できるウィングまたはサイドハーフをメインとしたことで新境地を開拓している。
一瞬の加速やダイナミズム溢れる突破が魅力的であり、178cmと飛び抜けてフィジカル的な優位性を持っているわけではないが、筋肉質で安定したボディバランスであるため強引な突破もできるなどシンプルに個の強さを持った選手といえるだろう。また、中央でプレーしていたこともあるためパスでのチャンスクリエイトも得意としており、さらには献身的なプレッシングによって前線の高い位置でボールを奪いながらカウンターにつなげるなど、様々なポジションでの経験が彼に相乗効果をもたらせている。今後、どこのポジションで戦っていくのかは不明であるが、少なくとも試合に大きな影響を与えられるだけの個性を持っているため、成功は容易いだろう。